リボルバー・オセロット(Revolver Ocelot)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、 冷戦の時代から東西両陣営を股に掛け 様々な歴史の裏舞台で暗躍した兵士、諜報部員。 ソ連軍・GRUのスペツナズ出身。後に米陸軍の特殊部隊『FOXHOUND』に所属した。 マカロニ・ウエスタン[注]を愛し、リボルバー拳銃、特に”コルト・シングル・アクション・アーミー”を愛用。拳銃の名手として名を馳せる。 アフガンゲリラからつけられた”シャラシャーシカ”の異名でも知られ、 また1980年代以降は拷問のスペシャリストという顔も持っていた。
”メタルギアソリッド”シリーズにおいてほぼすべての作品に登場し、常に黒幕的な存在として暗躍。 正史シリーズ全体における、いわゆる”トリックスター”的な存在である。
名前 | リボルバー・オセロット (Revolver Ocelot) |
本名 | アダムスカ (Адамска/英:Adamska)(フルネームは不明)[注] |
別名 |
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性別 | 男性 |
国籍 | ロシア (Russia)[注] |
出生地 | フランス北西部 ノルマンディ (Normandie/英:Normandy) |
生年 | 1944年[注] |
言語[注] |
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身長 | 182cm(2005年/MGS1)[注] |
所属組織 |
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主な登場作品 | |
声優 | |
声優(英語版) |
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フェイシャルキャプチャ | トロイ・ベイカー(MGSV:TPP) |
モーションキャプチャ | |
モデル | リー・ヴァン・クリーフ[注] |
舞台は2005年で、当時61歳[注]。 ハイテク特殊部隊『FOXHOUND』のメンバーとして初登場。 部隊での暗号名は”リボルバー・オセロット(Revolver Ocelot)”。 その名の通りリボルバー(回転式拳銃)の名手であり、また同時に拷問のスペシャリストとしても知られている。 本作では後に『シャドーモセス島事件』と呼ばれる事件が描かれ、 オセロットはFOXHOUNDの実戦部隊リーダーリキッド・スネークに従い シャドーモセス島でのテロに参加している。 リキッドのことを『ボス』と呼ぶ。 プレイヤーキャラクターであるソリッド・スネークと敵対する、”ボスキャラクター”の一人である[注]。 本作で1人目のボスであるため、『METAL GEAR SOLID』シリーズで初のボスキャラクターでもある。
オセロットは人質の1人である、兵器会社アームズ・テックの社長 ケネス・ベイカーをワイヤーで拘束、ワイヤーに触れればC4爆弾が爆発するというトラップを遮蔽物とし、 スネークと一騎打ちの決闘を行うためのステージを用意して待ち構えている。 オセロットは銃弾を壁に反射させる”跳弾”を操り攻撃してくる。 ボス戦のクリア条件はオセロットのライフポイントを0にすることだが、 戦闘終了後に開始するデモシーンでは特に致命的なダメージを受けておらず、決着を迎えていない。 そして、彼は『そろそろ本気を出す』と意気込むが、突如ステルス迷彩を身に着けて乱入した サイボーグ忍者により高周波ブレードで利き腕である右腕を切り落とされてしまう。 これにより戦いは中断、オセロットは地面に落ちた自身の右腕を抱きかかえ、その場を立ち去る。
彼は本事件において人質に対する尋問官を担当しており、 プレイヤー=スネークが敵に捉えられた際には、彼の電気ショックによる拷問にボタン連打で耐えなければならない (服従するとゲームオーバーとならず、メリルが死亡する別エンディングとなる)。 この時、彼の口から『連射パッドを使おうなどとは思うなよ』とメタフィクションな発言が飛び出す。 独房をすぐに脱出しないと何度も呼び出されてその度に拷問を受けなくてはならないのだが、 その際のデモシーンでオセロットの過去に関わる話を聞くことができ、かつてソ連のGRUに所属していたことなどが明かされる。
実は本事件においてオセロットは、 当時のアメリカ合衆国大統領ジョージ・シアーズ(=ソリダス・スネーク)のスパイとして暗躍していた。 本作のエンディング後に、ソリダスと会話するオセロットの音声を聞くことができる。 ソリダスの指示により、 スネークを拷問した際に彼の所持品から リキッドらにも知らせずシャドーモセスの基地で開発されていた新兵器『メタルギアREX』による 模擬核弾頭演習の演習データを回収している(拷問の際スネークに対しても思わせぶりな質問をしている)。 また、人質の1人であるDARPAの局長ドナルド・アンダーソンについて 情報を聞き出す前に誤って殺してしまったとしていたが、実はこれも意図的に殺害してことが明かされる。 これについてもソリダスへ報告しており、 その理由はアンダーソンがオセロットの正体(ソリダスのスパイであること)を知っているためだと説明した。 本事件において、彼はFOXHOUND部隊のメンバーで唯一生還している。
MGS1と同様、全編通してプレイヤーと敵対する立場で登場。 本作ではデモシーンのみでの登場となり、ボス戦などは用意されていない。 また、すでにFOXHOUND隊員ではないが、本作でも”リボルバー・オセロット”の暗号名を名乗る。 前作MGS1で切り落とされた右腕が復活しているが、 これはシャドーモセス島事件で死亡したリキッド・スネークの右腕を移植したものである。 動かしづらいのか、基本的に普段は左腕のみを使用し、拳銃も左手で握り発砲している。 それでも得意の早撃ちは健在なようである。 ちなみに、腕の移植手術はフランスの都市”リヨン”で活動する再移植の国際チームにより行われた。
序章である『タンカー編』では、スペツナズ時代の上官であるセルゲイ・ゴルルコビッチ率いる私兵部隊と行動をともにしている。 舞台は2007年で、当時63歳[注]。 セルゲイとはかつてから”ロシア再建”の理想を共有しており、 その切り札として米海兵隊により開発された対メタルギア用兵器『メタルギアRAY』を強奪すべく ハドソン湾を航行中の偽装タンカーへ潜入している。 しかしタンカー編の終盤で、セルゲイとの協力関係はソ連時代から表向きだけであったことを告白し、彼を射殺する。 そして自らが仕掛けたプラスチック爆弾によりタンカーを沈没させ、メタルギアRAYに搭乗し姿を消した。 ちなみに、セルゲイとともに海兵隊を襲撃した際、 彼の口から初めて『愛国者達』というワードが登場し、彼がその謎の存在の支配下で動いていることが暗示された。 本事件は後に『タンカー沈没事件』と呼ばれ、オセロットの暗躍により、 タンカーに単身潜入していたプレイヤーキャラクター”ソリッド・スネーク”は事件の犯人に仕立て上げられ、またタンカーの沈没とともに消息を絶つことになる。
本編である『プラント編』では”ソリダス・スネーク”率いるテロリスト集団『サンズ・オブ・リバティ』の一員として 海上除染施設ビッグシェルを占拠するテロに加担(後にいう『ビッグシェル占拠事件』)。舞台は2009年で、当時65歳[注]。 ソリダスのことは”キング”と呼んでいる。 ソリダスの右腕的な存在として、米国を影で操る闇の組織『愛国者達』への蜂起に協力する。 しかし、タンカー編で暗示された通り彼は愛国者達のスパイであり、 MGS1のラストで明らかとなったソリダスとの協力関係についても表向きだけの役割であったことが判明する。 2年前のタンカー沈没事件、そして今回の『ビッグシェル占拠事件』は 愛国者達の書いた筋書き通りに発生した事件であり、 『S3(エススリー)』と呼ばれる、人間の無意識をコントロールするシステムを完成させるための演習の一部であった。 オセロットはその実動員としてソリダスの行動を操り、また演習データを回収する役割を担っていたのだった。
タンカー編、プラント編ともに、リキッド・スネークの右腕を移植した影響からか、 ソリッド・スネークが近づくと死んだはずのリキッドが覚醒、彼に意識を乗っ取られるシーンがある。 これはソリッド、リキッド、ソリダスを一堂に会させるためなどファンサービス的な仕掛けでもある。 リキッドが覚醒したときは、右腕が自在に操れているように見受けられる。 また、リキッドの意識はオセロットから独立しており、愛国者達への反乱の意志を見せる。 プラント編のラストで完全にリキッド・スネークと化したオセロットは、 『愛国者達を葬りに行く』と言い残し、メタルギアRAYに乗って姿を消した。 ちなみに、本作では”リキッド・オセロット”という呼称は登場していない。
本作の舞台は1964年となり、当時20歳[注]。オセロットの若き日の姿が描かれる。 若くしてソ連軍の少佐であり、GRUの特殊部隊(スペツナズ)でも 特に精鋭とされる『山猫部隊』の隊長を務める。 ソ連政権の転覆を狙うGRUのヴォルギン大佐の部下。 この頃から”オセロット”の暗号名を使っている(本作で”リボルバー・オセロット”の呼称は登場しない)。 本作のボスキャラクターの一人。 米国・CIAの『ヴァーチャスミッション』、『スネークイーター作戦』により ソ連領内へ単身潜入したプレイヤー=ネイキッド・スネーク(後のビッグボス)とオセロットは出会い、対立することとなる。 オセロットにとってこのスネークとの出会いが、後の人生を決定づける大きなターニングポイントとなる。
オセロットとスネークが初めて顔を合わせるデモシーンにおいて、初の対決も描かれる。 オセロットはこの頃からすでに卓越した射撃技術を身に付けていたが、 若さからの驕りと実戦経験の少なさから、スネークによる近接戦闘術CQCを前に為す術もなく敗北する。 その後も彼は何度返り討ちにあってもめげずにスネークに戦いを挑む。 オセロットはその戦いを楽しんでおり、何としても彼を越えてみせるという無邪気なライバル心を垣間見せている。 またその中で、徐々にスネークに対して、1人の戦士として憧れや尊敬の姿勢を見せるようになる。 幾度となく戦いを挑む中でスネークからは様々なアドバイスを受け、 彼を敵とする姿勢は貫きつつもそのアドバイスを真摯に受け止め戦闘スタイルを変化させている。 さらに、スネークが敵に捕まり装備品を取り上げられた際、 『同じものを食べてみたかった』という理由で彼がジャングル等で捕獲した動植物をすべて平らげるというエピソードも語られた (EVAとの無線より)。
ちなみに初の対面の後、プレイヤーは気絶した彼を殺害することができるのだが、 後の時代を描いた前2作に彼が登場しており時間的矛盾が発生することから、 『TIME PARADOX』というメッセージが表示されゲームオーバーとなる演出が用意されている。
今回のボス戦の舞台は、 乾燥した砂埃が舞い、風に吹かれて丸い枯れ草(タンブルウィード)が転がっているなど、西部劇の決闘を連想させる。 ボス戦でオセロットは二丁のリボルバーによる連射と跳弾を操り、木や岩といった障害物の影から攻撃を仕掛けてくる。 彼との戦いはとても自由度が高く、 木に付いている蜂の巣を落とすとリアクションする、オセロットの頭を撃つと1回目はダメージが通らずベレー帽が落ちるなど、 さまざまなギミックが用意されている。 また、プレイヤーがクレバス(地割れ)の近く(前線)に立っていると『早撃ち対決』の演出も発生する。 今回の戦闘もMGS1同様、クリア後には重傷などを負っておらず中断という形になっている。
ゲームの終盤、プレイヤーが任務を完了しソ連からの脱出を図るシーンにおいても彼は再度姿を現し戦いを挑んでくる。 デモシーンにおいてオセロットとスネークは格闘による激しい戦いを繰り広げるのだが、 今回のミッションを通してスネークと張り合えるほどに彼のCQCの技術を盗んでおり、 戦闘に関して高い潜在能力を持っていることを伺わせる。 ここではゲームプレイシーンもあり、2丁のうち片方だけ銃弾が入ったリボルバーをプレイヤーが選び対決するのだが、 プレイヤーの行動により4通りの結末、デモシーンが用意されている。いずれもゲームオーバーとならずエンディングを迎える。 右がハズレの銃なのだが、こちらを選ぶと勝利したオセロットは喜びを顕にし、 そのリボルバー(シングル・アクション・アーミー)をスネークに託す。 これにより、プレイヤーがゲームの2周目以降でこの銃を使用できる仕掛けが用意されている。 またこの時オセロットの口から、彼の本名が”アダムスカ(Adamska)”であることが初めて明かされる[注]。 引き換えにスネークの本名を知ったオセロットは、 『また会おう!ジョン!』と言い残し、姿を消した。 別れ際の2人の表情は、お互いを認め合い、 敵同士という立場を越えた不思議な友情関係が芽生えたことを伺わせた。
エンドクレジットの後、電話で会話をするオセロットの音声を聞くことができ、 今回も彼には裏の顔があったことが明らかとなる。 実は彼は、本作のシナリオでその存在が明らかとなった秘密組織『賢者達』のスパイであり、 特に米中ソ・三大国の賢者達残党員が対立する中で、彼は米国内の権力者に従って動いていた。 今回の騒動においてオセロットはスネークイーター作戦の内容について把握しており、 米国賢者達→KGB→GRUという三重スパイ(トリプルクロス)としてヴォルギン大佐の配下に潜入することで 彼の隠し持つ莫大な秘密資金『賢者の遺産』を米国が独占できるよう暗躍していた。 彼が事件の顛末を報告する相手はCIA長官であり、 CIAの上層部にも米国賢者達の残党員が在籍し、 彼らのような存在が当時のオセロットの主(あるじ)であることが暗示された。 なおこの会話から、スネークイーター作戦でアメリカがヴォルギンから奪った賢者の遺産は全体の”半分”であることが判明し、 オセロットはKGBなどソ連内の別組織が所有する残り半分の遺産を入手するために引き続き活動を行うことが示された (これについてもCIA長官に報告している)。 ちなみに、本作ラストに登場する年表において、4年後の1970年にアメリカが残りの遺産を入手しているとされている。 また、オセロットは同時にソ連の技術者グラーニンが研究していた二足歩行兵器(後のメタルギア)に関する技術資料も入手しており、 これもあわせてCIAに提供している。 ちなみに、プレイヤー=スネークとパラメディックの無線の会話において、 アメリカ大陸に生息するネコ科の動物の名前である”オセロット”を なぜソ連の軍人がコードネームにしているのかという話題が挙がっており、 実は彼が米国のスパイであることの伏線になっている。
また本作において、明言はされないが劇中で彼が大戦中の英雄である”ザ・ボス”の息子であることが 暗示される仕掛けとなっている(詳しくは『ザ・ボスの息子』の項目を参照)。 出産はザ・ボスが参戦したノルマンディ上陸作戦の戦場で行われたとされ、 これによりオセロットの出生年が1944年(ノルマンディ上陸作戦決行年)であることも判明した。
舞台は1970年で、当時26歳[注]。 エンディングのデモシーンで登場し、 またエンドクレジット後に何者かと電話する彼の音声を聞くことができる。 それにより、本作で描かれる『サンヒエロニモ半島事件』において オセロットは事件を引き起こした米軍兵士ジーンの行動を裏から操っていた黒幕的な存在であったことが判明する。
デモシーンにおいてオセロットはCIA長官を射殺。 その際、『賢者達を終焉させ、真の愛国者たる”彼女”の望んだ世界を実現する』という旨の発言をしている。 また、『我々が「愛国者達」となる』とも述べている。 この時点で彼はMGS3時点で雇い主であった米国の賢者達を明確に裏切り、 また彼の手によって賢者達は終焉、MGS2の時代で彼の雇い主とされる 愛国者達の創設に繋がっていくことが暗示された。 この時オセロットは、CIA長官が持ち出していた賢者達構成員のリスト、 そして賢者の遺産の在り処を示すデータを奪っている。 この遺産は前作MGS3でオセロットがCIAに提供したものであり、 改めてそれが”半分”であることが彼の口から語られる。 この時点で、残りの半分をオセロットがすでに入手しているのかについては明言されていない。
エンドクレジット後の会話においては、ジーンにサンヒエロニモ半島事件を引き起こさせた目的として、 合衆国・バージニア州が核攻撃の対象となったことにより賢者達の機密資料を持って核シェルターへと避難するCIA長官を襲撃するためであったことが語られる。 その通話の相手は、今回の作戦でジーンに必要となった弾道メタルギアの軌道計算データをオセロットに提供し、 FOX部隊、そしてネイキッド・スネークの行動を操る権力を持つものであるとされた。
本作のシナリオには次作MGS4に繋げる布石的な内容も含んでいるため、 彼が賢者達を裏切るに至った真意はこの時点で明確化されていない。 また彼が発言した”彼女”の正体、そしてラストの通話の相手についても同様であるが、 こちらについては先述するような話の流れからそれぞれザ・ボス、ゼロであることが暗示されている。 ちなみに作中で、ジーンはオセロットのバックにいる人物を『ヌル』と同じコードネームを持つ男、と推測している (”ヌル(null)”には”ゼロ”という意味もある)。
舞台は2014年で、当時70歳[注]。 世界各国の大手民間軍事請負企業(PMC)5社を束ねる マザーカンパニー『アウターヘブン』の統括者として登場。 MGS2の5年後となり、すでにリキッド・スネークに完全に意識を乗っ取られている。 そのため本作の字幕等では”リキッド・オセロット(Liquid Ocelot)”と紹介される (劇中の会話ではこの名前は使われない)。 周囲の人間からは”オセロット”ではなく”リキッド”と呼ばれる。本作のラストボスである。
リキッド・オセロットは 米国を支配する闇の組織『愛国者達』の権力を奪い取り、自らが彼らに取って代わると宣言する。 そのために彼は自らの計画『ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』を始動、 愛国者達による戦場管理システムサンズ・オブ・ザ・パトリオット(SOP)を掌握、 愛国者達の支配から解放された配下PMCの軍事力を我がものとし、武装蜂起の準備を進めるのだった。 プレイヤー=オールド・スネークは武装蜂起を阻止すべく、 呪われた蛇の兄弟と化したオセロットと最後の戦いを繰り広げることになる。 ラストバトルを含め、プレイヤーは二度に渡りゲームプレイシーンでリキッド・オセロットと対決する。 詳細は『リキッド・オセロット』の頁を参照。
ACT3『THIRD SUN』にてビッグママ(=EVA)の口から愛国者達の創設の秘密が語られる。 愛国者達はもともと、ザ・ボスの描いた世界を実現する目的で、 1970年にゼロが『スネークイーター作戦』の関係者である ビッグボス、シギント、パラメディック、EVA、 そしてオセロットを招集し結成した組織であった。 2014年現在、愛国者達の意思決定は 『J.D.(ジョン・ドゥ)』と呼ばれるAI(人工知能)がゼロの代理人となり行っていることも判明。 さらに、オセロットの長年に渡る行動の真意もついに明らかとなる。 彼はスネークイーター作戦で出会った 戦士ビッグボスに対し崇拝にも近い尊敬の念を抱くようになり、 生涯に渡りビッグボスの戦いを影からサポートすべく暗躍していたのだった。 オセロットの戦いは、ビッグボスへの献身というたった一つの理由で一貫していた。 その戦いが始まったきっかけは愛国者達の内部分裂であった。 組織の結成から間もない1972年、『恐るべき子供たち計画』の実施を巡って、ゼロとビッグボスは対立した。 この2人の対立がその後何十年にも渡る抗争の発端となるのだが、 その中でオセロットは密かにビッグボス側に付き活動しており、 同じ境遇のEVAとはずっとパートナーのような関係にあった。 特に1999年の『ザンジバーランド騒乱』で 昏睡状態となったビッグボスが愛国者達に囚われてからは、 彼を救い出すことも目的の一つとなった。 MGS1で語られた ドナルド・アンダーソン(=シギント)、 クラーク(=パラメディック)の殺害も、 愛国者達との抗争のために2人が企てた計画の一つであったことが判明。 これにより、MGS2において判明したオセロットの正体もまた仮の姿だと明らかになったが、 あくまで長年、愛国者達のスパイという立場を表面上保ちながら、 影ではゼロと対立しビッグボスを支援していたのだった。
ストーリーラストのデモシーンにおけるビッグボスの話により、 実は”リキッド・オセロット”という人格は オセロットが自己暗示とサイコセラピーによってリキッド・スネークの人格を移植し、 意図的に彼になりすました姿であったことが判明する。 彼は愛国者達のAIシステムを抹消するため、 自らが”死から甦ったリキッド・スネーク”という虚構の存在となり 愛国者達を抹殺すると宣言。 同時にEVAやナオミ・ハンターの協力を得て リキッドを抹殺する任務を背負ったオールド・スネークの行動を誘導し、 一見、愛国者達にとってはスネークをサポートすることが 自らを脅かすリキッドという驚異を取り除くことに繋がると思い込ませたのだった。 当然、裏ではスネークが目的を果たすと 愛国者達のシステムが崩壊するよう緻密な計画が練られており、 スネークの任務が完了すると同時に愛国者達は消滅した。
当然、彼はリキッド・スネークという人物そのものになっていたわけではない。 失われた他人の未来を甦らせることなど不可能であり、 あくまでリキッド・オセロットは限られた役割の中でのみ存在できる人格であった。 しかし、愛国者達を抹殺し、そしてビッグボスを解放しても 彼はオセロットに戻らなかった。 オセロットは、リキッド・オセロットにもう一つの役割を課していたのだった。 それは呪われた蛇の因縁に決着をつけること。 リキッド・オセロットはオールド・スネークに殴り合いの決闘を申し込む。 そして、2人はお互いがボロボロになるまで拳を交え続けた。 死闘の末、最後に立っていたのはスネークであった。 倒れ込んだリキッド・オセロットは、 世界中の兵士が支配から解放されたことで、親父(ビッグボス)の意志アウターヘブンは実現したと清々しく語る。 その姿は、リキッド・スネークの幽霊(ゴースト)が宿っているようでもあった。 そして、すべての役割を全うしたリキッド・オセロットの人格は消失した。 オセロット自身も、 愛国者達がスネークの体内に仕込んだ殺人ウイルスFOXDIEに感染し、 間もなく息を引き取った。
ちなみに、ラストの決闘前のリキッド・オセロットの話にて MPOで明言はされていなかった賢者の遺産の行方について語られ、 やはり示唆されていたとおりスネークイーター作戦で回収された遺産は ゼロの手に渡り、それが愛国者達創設の資金になったことが明かされた。 ただしMPO同様、スネークイーター作戦で回収されなかった”残り半分”の行方については 本作でもまだ言及されていない。
また、スネークとの殴り合いの決闘で上半身の肉体を顕とするが、 MGS2にて移植したと語られていたリキッド・スネークの右腕はすでに切り離されており、 代わりに人工筋肉の義手が取り付けられている。 ラストのビッグボスの話より、 その右腕は戦いで損傷したビッグボスの肉体を再生するために使われたことが示唆された。
舞台は1984年で、当時40歳[注]。 プレイヤーキャラクターであるヴェノム・スネーク率いる 軍事組織『ダイアモンド・ドッグズ』の参謀という立場であり、 シリーズで初めて、全編を通してプレイヤーに協力するサポートキャラクターとして登場。 ゲームシステム上もマザーベーススタッフとして登録されている (『マザーベーススタッフ』の項目を参照)。 本作は、”ビッグボスの右腕”とも言える存在であった時期のオセロットが唯一描かれる作品である。 当時、すでに”シャラシャーシカ(Shalashaska)”の異名を取っており、その由来など詳しい経緯も本作で語られる。 作中では単に”オセロット”と呼ばれるが、 ミッション開始時のテロップにおいては『Revolver "Shalashaska" Ocelot(リボルバー”シャラシャーシカ”オセロット)』と記述される。 組織においては副官であるカズヒラ・ミラーとともにボスであるスネークを支えるが、 基本的に2人の意見が一致する場面は少なく、どちらかというと感情的・保守的な意見が多いミラーに対し、 オセロットは合理的でありながらどこか大胆な意見を発することが多い。
9年の昏睡から復活を果たしたヴェノム・スネークはかつて”ビッグボス”と呼ばれた英雄であり、 オセロットは彼をキプロスの病院にてスカルフェイス率いるXOF部隊の襲撃から救出。 以降、英雄ビッグボスの復活とダイアモンド・ドッグズの規模拡大、 そして、かつてビッグボスの部隊を壊滅させたスカルフェイス討伐に全面的に貢献する。
しかし物語の終盤、実はヴェノム・スネークは”もう一人のビッグボス”、いわば影武者たる存在であり、 オセロットはその誕生に関与していたことが判明する。 Episode46をクリアすることで開放されるカセットテープ『真実の記録』のトラック『オセロットとゼロの盗聴』では ビッグボスがスカルフェイスに襲われた1975年頃のオセロットとゼロの会話を聞くことができる。 その中で、ゼロが昏睡したビッグボスを守るためにヴェノム・スネーク=ファントムを用意し、 本物とファントムの監視をオセロットに依頼していたことが明かされる。 またトラック『ミラーとゼロの盗聴』では、 ゼロがミラーをオセロットと引き合わせた経緯も知ることができる。 ヴェノム・スネークの覚醒に始まるダイアモンド・ドッグズの復讐劇の裏では、 ゼロをバックとしてオセロットが常に暗躍していたのだった。 ちなみにトラック『ダブルシンク』によると、彼は自己暗示を用いることで ヴェノム・スネークを本物のビッグボスだと信じ込み行動していたと語られている。
『真実の記録』におけるオセロットとゼロの会話を聞く限り、 MGS4で過去が語られた通り敵対してはいるが、ものすごく険悪という様子ではない。 ザ・ボスやビッグボスに纏わる過去を共有し、何よりも”ビッグボスを大切に想っている”という点で共通の意識があることが伺える (むしろゼロからすれば仲直りしたがっているようである)。 また敵対していながら、お互いの手腕を熟知している上での奇妙な信頼関係も残っており、 ビッグボスの命を助けるという最重要事項において、一時的な協力関係を結ぶに至っている。 またこの状況においてEVAも同じ関係にあることが語られ、 オセロットにとって彼女がすでに気心が知れた仲であることも伺わせた。 また同じく『真実の記録』にて、1976年時点でゼロがスカルフェイスの襲撃により脳に障害を負い、 それから長い期間を経ずに昏睡状態となったことがオセロットの口から語られている。 先述した関係とも合わせると、MGS4で明かされたオセロットとEVAによるゼロとの抗争は 主に本人との間ではなく、彼の代理人として誕生したAI『J.D.(ジョン・ドゥ)』=愛国者達との抗争であったことが分かる。 ちなみに、彼らがゼロの元に集い結成した組織は当時『サイファー』と呼ばれ、 『愛国者達』という名称は当初、組織の意思決定AI管理プロジェクトの名称として使われていたものであることも 本作で明らかとなっている。
Episode46クリア後のデモシーンでは本物のビッグボス(=ジョン)と再会し、 彼がXOFの矛先から逃れられるよう導いている (ジョンが好きな葉巻を手渡し火をつけてあげる様子も見られる)。 また『真実の記録』でも彼ら2人の会話を聞くことができる。 オセロットはMGS3で出会った頃とは明らかに接し方が変わっており、 常に一方的に敬語で話し、対等ではなく主従の関係にあることを伺わせた。 オセロットはビッグボスに対して 1984年当時の恐るべき子供達(イーライ、デイヴィッド)の近況を報告。 また、ビッグボスが昏睡していた時期に 彼に向けて愛国者達誕生のいきさつと、 PF(プライベートフォース)が将来的に ”戦争経済”とも呼べるビジネスモデルに繋がり、 それがやがて愛国者達の糧となるだろうという見解を音声記録として残しており、 それも『真実の記録』にて聞くことができる。 ファントムを誕生させビッグボスの復活を手助けする任務については、 すでに脳の障害で意識を失ったゼロの最後の依頼・意志だと語った。
ちなみに劇中で、プレイヤー=ヴェノム・スネークに対しては 『ボス』と呼びながらも敬語ではなく終始タメ口である。 ある意味、MGS4で明らかとなった彼とビッグボス(=ジョン)の関係を考えた時に、 今回のオセロットのヴェノム・スネークに対する接し方を見て感じる絶妙な違和感も、本作のダークな雰囲気を構成する要素の1つとして働いているといえる。
また、MPOを最後に言及されていなかった、 スネークイーター作戦では回収されなかった賢者の遺産の”残り半分”の行方について カセットテープ『オセロットのブリーフィング・3』のトラック『オセロットとの出会いと、ある組織の結成』にてオセロットの口から語られている。 オセロットはサイファーの創設後にその行方を追ってすべてを回収し、 その金もゼロに提供していたのだった(回収の経緯などについての詳細は不明)。 これはまだゼロとビッグボスが対立するより前の出来事であり、 オセロットの行動はビッグボスの指示によるものだったとされるが、 この音声記録におけるオセロットの会話の相手はファントムであるため事実との乖離もあるかもしれない。
1944年、第二次世界大戦において連合国軍の戦力として活躍した米軍兵士”ザ・ボス”とソ連軍兵士”ザ・ソロー”の息子として生を受ける。 当時ザ・ボスはザ・ソローを含む連合国内の優秀な兵士を集めた特殊部隊『コブラ部隊』を結成し ”ノルマンディ上陸作戦”に参加しており、オセロットはフランス北西部・ノルマンディの戦場において出産された。
彼は生後間もなく、三大国(米中ソ)を影で操っていた組織『賢者達』によって誘拐され、親から引き離される。 大戦中に米中ソは連合国として協力関係にあったが、大戦の終結に伴い三大国の賢者達が対立、 いわゆる”東西冷戦”が始まると、オセロットは米国の賢者達に従う工作員として活動するようになる。 大戦が終結したのはオセロットが生まれた翌年(1945年)であるため、彼ははじめから”西側諸国”の中に存在する 賢者達の施設で育てられた可能性が高い。 また、幼くして賢者達から諜報員・兵士としての訓練を受けていたと推測されるが、詳細は不明。 そして、少なくとも1960年よりも前に米国の諜報機関”NSA(国家安全保障局)”の局員となり、 暗号解読員として活動するようになる。 その際彼は”ADAM(アダム)”という通り名を使っている (本名がアダムスカであるがそれは伏せられ、ADAMはあくまで暗号名として扱われている様子)。
1960年、彼は同じくNSAの暗号解読員である”EVA(エヴァ)”という人物とともにソ連へ亡命する (このEVAはMGS3で登場する女性諜報員EVAとは別人で、男性)。 これは偽装亡命であり、彼は米国賢者達→KGB→GRUという三重スパイとしてソ連へ潜伏。 ソ連軍兵士として、GRUの大佐”ヴォルギン”の部下となる。 彼は10代にして、スペツナズの中でも更に精鋭の集団『山猫部隊』の隊長となり、 さらに少佐という階級を与えられる。 これについて、MGS3でのEVAとの無線にて、 ヴォルギンは彼が”伝説の英雄の息子”であることから特別扱いをしていたと語られている。 あくまで彼は米国のスパイとして潜り込んでいたが、 同無線では『GRUとヴォルギン大佐に育てられた』とも語られ、 また劇中では山猫部隊の隊員たちから厚い信頼を得ている様子も見受けられ、 この時期にヴォルギンのもとで兵士としての資質を開花させていったことも事実なようである。 ちなみに、MGSV:TPPのカセットテープ『燃える男・3』の トラック『燃える男の正体』によると、 オセロットは当時を振り返り、『肉体が常に帯電しそれを自在に放出する』という異常な体質を持つヴォルギンについて、 近くにいるだけでも感電するんじゃないか心配だったという。
1964年(MGS3)、米国がCIAの特殊部隊『FOX』による 『ヴァーチャスミッション』、『スネークイーター作戦』で ヴォルギンの隠し持つ秘密資金『賢者の遺産』の奪取に乗り出すと、 オセロットは米国の三重スパイとして、FOXのエージェント”ネイキッド・スネーク”、 中国賢者達のスパイ”EVA(エヴァ)”らの行動を影で操る存在として暗躍する。 この頃、すでに”オセロット”の暗号名を名乗っている。 MGS3のラストより、彼に直接指示を出していたのは 米国賢者達残留員の一人である当時のCIA長官である様子。 その際オセロットはあわせて、GRUの管理下で兵器開発を行っていた科学者”グラーニン”が研究していた 二足歩行戦車(後のメタルギア)に関する情報を回収し米国へ提供している。 スネークにより任務が達成され賢者の遺産(この時点では半分)が米国にもたらされたあとも 彼の正体はソ連側には暴かれておらず、以後も長年に渡りソ連軍兵士としてソ連に残り、諜報活動を行う。 また、この年に出会った兵士ネイキッド・スネーク(後のビッグボス)に彼は魅了され、 後にビッグボスの右腕ともいえる存在となるきっかけになっている。
その後、少なくとも1970年より前に、 彼はスネークイーター作戦で抹殺された英雄”ザ・ボス”の意志を引き継ぐという点で 意気投合したCIAのゼロと協力関係を結び、 それまで彼の主(あるじ)であった米国賢者達への反逆を決意をする。
1970年(MPO)、 彼はゼロの協力を受け、当時FOX部隊を統率していた米軍兵士”ジーン”の行動を操ることで 『サンヒエロニモ半島事件』を引き起こさせ、CIA長官と直接対面する機会を得る。 彼はCIA長官を暗殺、彼の所持していた機密資料を入手することで、 かつてスネークイーター作戦でソ連より奪った賢者の遺産の半分を手中に収める。 オセロットはその遺産をゼロに提供している。
同じく1970年、ゼロによって賢者の遺産を資金として創設された非政府諜報機関『サイファー(後の愛国者達)』の創設メンバーとして参加する。 先述のサンヒエロニモの一件にて、オセロットはCIA長官から 賢者達構成員のリストも入手している。 歴史上、賢者達はこの時期を境に姿を消しており(愛国者達に改名したとされる場合もある)、 オセロットらの手によって構成員に対して暗殺、あるいは懐柔などが行われたことで組織が終焉を迎えた可能性が高い。 これはザ・ボスを排除した米国賢者達への報復ともとれる。 また、彼は引き続きソ連に残り、米ソ間での情報の橋渡し役を担う。 サイファー創設後、オセロットはかつてのスネークイーター作戦で回収できなかった、 ソ連内に残されているとされる賢者の遺産の”残り半分”を回収し、 これもゼロに提供している。これは同じく組織の創設メンバーである ビッグボスの命であったとされる。
1972年、サイファー(ゼロ)が『恐るべき子供達計画』を始動させると、 ビッグボスはゼロに反発し、組織を離反する。 その際にサイファー創設メンバーの間で、オセロットはEVAと共にビッグボス側に付き、 ゼロ側に付いたパラメディック(=クラーク)、シギント(=ドナルド・アンダーソン)とは確執が生まれる。
1975年、サイファーの実働部隊であった特殊部隊『XOF』が暴走し ビッグボス率いる国境なき軍隊(MSF)を襲撃する(MGSV:TPPの前日譚『METAL GEAR SOLID V GROUND ZEROES』より)。 これを察知したオセロットは、同じくビッグボスの身を案じるゼロと一時的に協力関係を結ぶ。 ゼロの案に従い、昏睡状態に陥ったビッグボスの身柄を保護し、 同時に”ビッグボスのファントム”を誕生させる計画を始動させる。 以降9年間、オセロットはゼロの祖国であるイギリスのキプロスにある病院に隠された両名を監視する立場を担う。
1979年のソ連軍の侵攻に端を発するアフガニスタン紛争において、オセロットはソ連側勢力として参戦。 実際に前線に赴くことに加え、彼はソ連の強制収容所で『拷問特別顧問』として捕虜達に対する尋問官を担当する。 この役割について彼は先述の、キプロスに隠されたビッグボス、ファントムを守るという 役割を隠すための”表向きの顔”と話している。 また彼はこの時期サイファーに対する諜報活動も行っており、 1976年に組織の構成員である”スカルフェイス”がゼロに反逆し襲撃した事件と、 時期は曖昧だがドナルド・アンダーソンが主導となって ゼロに代わり組織の意思決定を担うAI管理プロジェクト『愛国者達』が始動したことを察知し、 これらについて後に復活を遂げるビッグボスに向けて音声記録を残している。
1984年(MGSV:TPP)、昏睡から復活したビッグボスを サイファーはじめ彼の命を狙う勢力からの暗殺の矛先から逃がすため、彼が地下活動に入るのを手助けする。 同時に、”ヴェノム・スネーク”として覚醒したビッグボスのファントムの参謀として、 彼の率いる軍事集団『ダイアモンド・ドッグズ』による、 スカルフェイス率いるXOF部隊との抗争劇に加担する。 この事件によりスカルフェイスは命を落とす。 またこの一件でオセロットは、ビッグボスのクローンの1人である ”イーライ(後のリキッド・スネーク)”と出会っている。
MGSV:TPPのエンディング後の会話によると、オセロットは 本物のビッグボスによる新たな国家(彼曰く”真のアウターヘブン”)建設が成し遂げられるまで、 ファントムへの支援を続けることを宣言している。 そのため彼は1984年の事件が収束した後、 ファントムが現地指揮を取ることになる武装要塞国家『アウターヘブン』建設(1980年代後半)、 および本物のビッグボスによる傭兵国家『ザンジバーランド』の建設(1990年代後半)を 支援していたと考えられるが、詳細な関わりは不明。 1995年の『アウターヘブン蜂起(『METAL GEAR』)』と 1999年の『ザンジバーランド騒乱(『METAL GEAR 2 SOLID SNAKE』)』が発生した際の オセロットの動きについても作中では言及されていない。 なお、このビッグボスを影で支援する役割について かつてビッグボスの副官であった”カズヒラ・ミラー”に対しても 同じ役割を担うことを提案するが、ミラーはこれを拒否。 『ビッグボスを討つ』とするミラーとやがて対立することになる。
1999年のザンジバーランド騒乱によりビッグボスが、 彼のクローンの1人である”ソリッド・スネーク”により殺害され、 その遺体が愛国者達の手によって蘇生・隠匿されたことを察知すると、 オセロットは愛国者達を終焉させビッグボスを解放することを目的として活動するようになる。 この時期すでにゼロは昏睡状態となっており、 オセロットはゼロの意志を引き継いだ愛国者達 およびサイファーの残党員に対して諜報活動を続けることになる。 これについてMGS2、MGS4によれば 彼はあくまで”愛国者達のスパイ”という立場を保っており、 その真意を悟られないように行動していたと見受けられる。 しかし、1972年のサイファー内部分裂の際にオセロットが組織を離反していたのかどうかも含めて、 彼の組織との関わりについての詳細は作中で語られていない。 なお、MGS4では反愛国者達活動について、 同じくビッグボスを慕うEVAと協力関係にあったことが示されている。
その後、彼はかつてビッグボスが創設した米国の特殊部隊『FOXHOUND』に入隊し、 やがて2005年(MGS1)、『シャドーモセス島事件』において リキッド・スネーク率いる『ビッグボスの息子達』の一員としてテロに加担する。 この事件により、彼はソリッド・スネークと出会い、 またサイボーグ忍者の襲撃によって右腕を失っている。 オセロットがFOXHOUNDに入隊したことは当事件を引き起こすために リキッドに接触することが目的であったとされるため[注]、 入隊時期はリキッドが入隊した2000年以降であると思われる。 この一件によりオセロットは事故と偽って当時DARPAの局長であったドナルド・アンダーソンを殺害し、 この事件の2年前(2003年)には、EVA、 そして”ナオミ・ハンター”と協力することで 当時FOXHOUNDのメディカルスタッフであったクラークも殺害している。 さらに、事件の3日前にはリキッドがマクドネル・ミラー(=カズヒラ・ミラー)を 殺害しているが、これもオセロットによる入れ知恵であった可能性が高い (ミラーはザンジバーランド騒乱の際、ソリッド・スネークによる ビッグボス討伐に協力している)。 また、シャドーモセス島事件発生時点ですでに、当時のアメリカ合衆国大統領でありビッグボスの3人目のクローンである ”ソリダス・スネーク”と裏で協力関係を結んでおり、 彼に同事件で回収したメタルギアREXと新型核弾頭の演習データを提供している。 なお、ソリダスの行動は愛国者達の意に反するものであったとされ、 オセロットは彼が地下活動に潜るのを支援している。
シャドーモセス島事件収束後、 彼によってメタルギアREXと新型核弾頭の演習データが拡散され、 世界中でメタルギアの亜種が開発されることになる。 やがて2007年(MGS2)、 彼は愛国者達の指示により 米海兵隊によって亜種に対抗する対メタルギア兵器『メタルギアRAY』が開発されると、 彼は輸送タンカーを沈めて同兵器を強奪(『タンカー沈没事件』)。 RAYは無人兵器に再設計され、 愛国者達が推進する米海軍による『アーセナルギア』の護衛用として利用される。 この時期すでにモセス事件で死亡したリキッド・スネークの右腕を自らに移植しており、 また自己暗示とサイコセラピーによって自らへのリキッドの人格移植を開始している。 タンカー沈没事件でもリキッド・スネークとして ソリッド・スネークと接触している。
2009年(MGS2)、『ビッグシェル占拠事件』の際、 ソリダス・スネーク率いる『サンズ・オブ・リバティ』の一員としてテロに参加。 表向きソリダスの協力者として振る舞いつつ、愛国者達による 『S3計画』推進のための実働員として暗躍。 しかしさらにその裏で愛国者達を抹殺する計画を進めるため、 自ら作り出した人格(=リキッド・オセロット)に完全に身体を支配させ、 アーセナルギアに搭載されていた 愛国者達のAIの一つ『G.W.』を奪って姿を消す。 その後、彼(リキッド・オセロット)は 世界中の大手民間軍事請負企業(PMC)を束ねる マザーカンパニー『アウターヘブン』を設立し、組織を統括する。
2014年(MGS4)、 G.W.を介して愛国者達のAIシステムに侵入、 戦場管理システム『サンズ・オブ・ザ・パトリオット』を掌握することで 配下PMCの軍事力を自由に操れるようになり、愛国者達への蜂起を実行する (『ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』)。 その裏でEVA(=ビッグママ)、ナオミ・ハンターと協力し、 またリキッド・オセロットと対立する”オールド・スネーク”の行動を操ることで 『J.D.(ジョン・ドゥ)』をはじめとする愛国者達の全AIシステムを抹消することに成功する。 そして、彼はオールド・スネークとの”最後の決着”をつけた後、 最期は”オセロット”の自我を取り戻し、スネークの体内に仕込まれていた 殺人ウイルス『FOXDIE』に感染してその生涯を終える。 享年は69歳か、70歳となる。
MGS1での”ナオミ・ハンター”との無線において オセロットについて以下の経歴が語られているが、この情報は偽装であるとされる[注]。
『ソ連崩壊後は、OMON(オモン/民警特殊任務部隊)を経て、ロシア税務警察の突撃部隊に籍を置く。 その後、KGB第一管理本部を前身とするSVR(ロシア対外情報本部)の特殊作戦部門に所属するが 組織の体制に反発し、やがてスカウトされて米国の特殊部隊FOXHOUNDに入隊する。』
『FOXHOUND』に入隊したこと自体は事実であるが、 これはスカウトではなく『シャドーモセス島事件』を引き起こさせるために 自らの意思で”リキッド・スネーク”の傘下に入ったとされる[注]。
彼は大戦中の伝説の英雄である”ザ・ボス”の実の息子である。 MGS3の劇中において、明言される場面こそないが、 ザ・ボスの口から語られる彼女の過去と、 EVAとの無線での会話におけるオセロットに纏わるエピソードを照らし合わせることで、 オセロットがザ・ボスと、同じく『コブラ部隊』の隊員である”ザ・ソロー”の間に生まれた子供であることが暗示される仕掛けとなっている。 なお、公式の設定資料等においては彼がザ・ボスの息子であることが明言されている[注]。 出産はノルマンディの戦場における措置であったため、母親の身体にはお腹から胸にかけて蛇が這うような帝王切開の痕が残っている。 しかし、オセロットの本名である”アダムスカ(Adamska)”が、実の親から授かった名前であるのかについては作中で言及されていない。
GRU時代の上官”ヴォルギン”は彼が”伝説の英雄の息子”であることから特別扱いをしていたとされるため、 当然その英雄がザ・ボスであることも知っていたと思われる (ザ・ソローも同様に英雄的扱いを受ける存在ではあるが)。 そうなるとその時点でオセロット自身もその境遇を知っていてもおかしくはないのだが、 MGS3の劇中においてそれを知っているような素振りを見せることはない。 むしろ、当時はザ・ボスを抹殺する『スネークイーター作戦』に加担しており、 後に雇い主である米国の『賢者達』を裏切ることになる経歴から、 最初は真実を知らされておらず、後に彼女が母親であると知ったことが賢者達へ反発する原因の1つになったと考えるほうが自然かもしれない。 そうだとすると、自身の出生を知ったのはスネークイーター作戦が完了した1964年から、 『サイファー』が創設された1970年の間だと考えられる。
ちなみに、MGSV:TPPのカセットテープ『真実の記録』のトラック『ダブルシンク』において、 ビッグボスからは『ザ・ボスの息子』という意味合いで”ジュニア”と呼ばれている[注]。 ゲームの劇中でオセロットがザ・ボスの息子であると明言されたのはこれが初である。
10代の頃からの生粋の軍人であるため銃火器全般には精通していると思われるが、 作中ではほとんどのシーンで拳銃(ハンドガン)、特にリボルバー(回転式拳銃)を使用している[注]。 ”拳銃の名手”として知られており、非常に高等な射撃の腕を持っている。 特に”早撃ち”と”跳弾のコントロール”が彼の代名詞とも言える。
MGS1での彼とのボス戦では『私には弾の気持ちが分かる。跳弾を操ることができる』と豪語し、 プレイヤー=ソリッド・スネークを跳弾を使った攻撃により苦しめる。 MGS2のタンカー編においては、 彼を取り囲んだアサルトライフルを持つ兵士数人を リボルバーのファニングショットによる連射で瞬く間に倒している。 MGS3ではまだオートマチック(自動拳銃)を使用している頃の彼が登場するが、 すでに高等な早撃ちと跳弾を使いこなしており、 それを見たネイキッド・スネーク(後のビッグボス)から高く評価されている。 同作でリボルバーに持ち替えて間もなくファニングショットによる早撃ちもマスターしている。
また、リボルバーはリロード(再装填)に時間がかかることが弱点であるのだが、彼は逆にその緊張感を楽しんでいる。 MGS1のボス戦では彼がリロードをするタイミングは いわばプレイヤーにとって”チャンス”なのであるが、 その都度『戦闘中のリロードがたまらない。銃に生命を吹き込んでいるようだ』などと発言している。 また、MGS3でオートマチックからリボルバーに持ち替えた後の プレイヤー=ネイキッド・スネークとのボス戦において、 リボルバーをリロードする時の緊張感について 『マグチェンジ(オートマチックのマガジン交換)ではとうてい味わえない』などと語り、高揚する様子を見せている。 さらに『俺のリロードは革命(レボリューション)だ!』と叫びながら ものすごい速さでのリロードも披露している。
ちなみに、MGSV:TPPでは プレイヤー=ヴェノム・スネークが久しぶりにマザーベースに戻った場合に発生するデモシーンにおいて、 彼には珍しくハンドガンを”ツーハンドホールド(両手持ち)”して 射撃練習を行っている様子を見ることができる。
かつてザ・ボスとビッグボスの手によって編み出された 次世代の近接戦闘術『CQC(シー・キュー・シー)』について高度な技術を持つ。
MGS3では彼とCQCの出会いについて描かれる。 当初ネイキッド・スネーク(後のビッグボス)の繰り出す CQCに為す術もなく完敗するが、 その動作を観察するだけで技術を吸収したようであり、同作のラストでは スネークとCQCで対等に渡り合うまでに習得している。
MGS4で”リキッド・オセロット”として登場した際にも 度々高度なCQCによってオールド・スネークを苦しませた。 同作ラストの対決においては、ザ・ボスの息子であるオセロットと、 ビッグボスの息子であり彼から直接訓練を受けたスネークによる 熾烈なCQC合戦が繰り広げられる。
MGSV:TPPでは、 ダイアモンド・ドッグズのマザーベースに保護された ”イーライ(後のリキッド・スネーク)”に対してCQCを披露している。 当時まだ子供ながら大人の兵士すら圧倒するイーライをいとも簡単にねじ伏せ、実力の違いを見せつけている。
彼は拷問のマニア、スペシャリストとして知られる。 MGS1の『シャドーモセス島事件』では テロリストグループにおいて人質や捕虜への尋問官を担当している。 捕らえられたプレイヤー=ソリッド・スネークを拷問するイベントにおいては 情報を聞き出すよりも拷問自体を楽しんでいる様子が伺える。 スネークよりも先に彼の拷問を受けた ケネス・ベイカーは『あいつは普通じゃない。明らかに拷問を楽しんでおった…』と漏らした。 その一方でオセロットは、拷問に耐え抜くスネークを称賛するような発言もしており、 自らの拷問に対してプライドや美学のようなものを持っていることも伺わせた。 また、彼の技術はGRU(スペツナズ)時代に身につけたものであることも語られた。 スペツナズ時代にはソ連の強制収容所で『拷問特別顧問』として活動していた経歴も本作で明かされている(ナオミ・ハンターとの無線より)。 ちなみにオセロット自身は自らの行為を”拷問”と呼ばれるのを嫌っているようで、”事情聴取”や”スポーツ”と表現している。 仲間のスナイパー・ウルフに対しては『私のショーを見ていくか?』と声をかけていた。
MGS3では若かりし頃のオセロットが 拷問に興味を持つきっかけになったと思われる出来事が描かれている。 当時の彼の上官であるヴォルギンが プレイヤーキャラクターのネイキッド・スネークを拷問するデモシーンにて、 拷問に耐え抜きボロボロになったスネークの姿を見て、 オセロットはその勇姿を讃えつつ、『耐え抜いた奴を見て初めてわかった。…悪くない。究極の表現法だ』と漏らした。
MGSV:TPPではダイアモンド・ドッグズにおいて、 反逆者の容疑がかかったヒューイを捕らえた時にその尋問官を担当している。 本作においても”事情聴取”という言葉が使われる。 彼を必要以上に痛めつけるような場面はほとんどないが、 ヒューイの脚の骨と連結した金属製外骨格を急激に酸化させることのできる ”腐食性アーキア(メタリック・アーキア)”の入った注射器を彼の脚に突き刺し、 ヒューイが力を抜くと中身が注入されるような状態で放置したりと、 サディスティックな性格も垣間見せている。
また同じくMGSV:TPPにて、 カセットテープ『オセロットのブリーフィング・2』のトラック『シャラシャーシカの異名』の会話の中で、 MGS1の時に明かされていた経歴の詳細について語られている。 彼は1970年代~1980年代のアフガン紛争に参加していた頃、ソ連の強制労働収容所で捕虜達の尋問を担当していた。 彼はその収容所について、ソ連の試作設計局(OKB)のひとつに数えられ、 有罪判決を受けた科学者、技術者を収容し、強制的に研究開発に従事させるために作られたものであると説明。 また、その管理監督は”秘密警察(NKVD)のベリア[注]”、 組織図上では『第4特別部』と呼ばれていたものであるとも語った。 オセロットはその施設での自身の活動について『本人の意志に関わらず 拷問で仲間や家族を売らせた』と話し、 その活動の中で『強制収容所の拷問特別顧問』という”名誉”を授かったことを明かした。 しかし、この立場はあくまで自分の本当の目的(当時だと昏睡状態のビッグボスとファントムを守ること)を隠すための偽りの顔だと語っている。 さらに、彼は先述した活動に対して『大義も何もない 祖国のエゴに荷担した』と嘆くような発言をしており、 またMGS1では否定していた”拷問”を自らが手を染めた行為として自嘲的に語っている。 このことから、過去作で描かれた未来における”拷問マニア”という彼のキャラクターは、 彼自身の手で周りの眼を欺くために作り上げた側面も含んでいた可能性が示唆された。
彼のあだ名”シャラシャーシカ(Shalashaska/ロシア語:Шалашаска)”について、初出はMGS1であり、 プレイヤー=ソリッド・スネークが独房に捕らえられた際、 すぐに脱出しないと再度オセロットから拷問を受けなくてはならなくなるが、 2度目の拷問の際のデモシーンにて、かつてアフガンゲリラたちからこのあだ名で呼ばれ、恐れられていたという過去が語られる。 MGS2でも自らこの名前を名乗り、 スペツナズ(GRU)時代の上官セルゲイ・ゴルルコビッチも彼のことをシャラシャーシカと呼んでいる。
MGSV:TPPの カセットテープ『オセロットのブリーフィング・2』のトラック『シャラシャーシカの異名』にて、 このあだ名で呼ばれるようになった経緯と由来が語られている。 オセロットは1970年代~1980年代にソ連によるアフガンでの紛争に参加していた頃、強制収容所にて捕虜達に対する尋問官を担当していた。 その収容所は”シャラシュカ(Sharashka)”という俗称を持っており、 やがてオセロット自身もソ連と敵対するイスラム教徒(ムジャーヒディーン)の戦士達からシャラシュカと呼ばれるようになった。 彼によるとその言葉は、”疑惑の噂がある”、”間に合わせの組織”という意味の俗語でもあるらしい。 さらに、オセロットはソ連側勢力として前線に赴いていたこともあるようで、 戦場でその戦いぶりを見た戦士たちによって、 彼のあだ名にはカフカス(コーカサス)地方にて出自する刀剣の名前である ”シャシュカ(Shashka)”という言葉も加わることになる。 これについてオセロットは、 かつてロシア帝国の”ヒョードル・アルトゥーロヴィチ・ケールレル(ロシア語:Ѳёдоръ Арту́ровичъ Ке́ллеръ)”という軍人が 『ロシア一のシャシュカ』という異名を取っていたという伝説があることも、それを後押ししたのだろうと語った。 やがて、これらの”シャラシュカ”、”シャシュカ”という2つの言葉が合わさり、 アフガンのゲリラ達の間で語られるうちに”シャラシャーシカ(Shalashaska)”というあだ名が定着したのだった。 オセロットはこのあだ名について、 大衆の間で勝手な噂やイメージが先行し根も葉もないキャラクターが形成されていることに対して苦言を呈しつつ、 これは偽りの立場を演じる自分にとっては好都合だと語った。 MGS1、MGS2では このあだ名を誇らしげに使っているように見受けられたが、 このMGSV:TPPでのオセロットの発言を聞く限り、 それらはシリーズを通して明らかになった彼の真意を悟られないようにするために 自ら作り上げた偽りのキャラクターの一つであったのかもしれない。
優秀なスパイとして暗躍するオセロットにとって、 自らの記憶を改ざんする『自己暗示』が十八番(おはこ)となっている。 これは単純な”演技”ではなく、自分の脳に暗示をかけることで 偽りの経歴や記憶を真実であると自覚する、あるいは本来知っているはずの記憶を思い出せないように封じ込める技術である。
MGSV:TPPのカセットテープ『真実の記録』のトラック『ダブルシンク』では 自らの記憶、過去を改ざんしながらも、必要なときにだけは本当の記憶をを思い出せるような きっかけを設定しておける高度な自己暗示『二重思考(ダブルシンク)[注]』を駆使していたことが語られている。 また同テープでオセロットは自己暗示について『いつもの仕事(スパイ)』と話している。 これは、同作の未来を描いたMGS1、MGS2、MGS4の劇中における言動や 『拷問マニア』、『シャラシャーシカ』の項目に記述しているような”偽りのキャラクター”を含め、 オセロットがスパイとして活動している間には様々な記憶を常に使い分けていたという可能性を示唆している (長いシリーズに登場し続けるオセロットの印象に統一性が薄れていたことへのメタフィクション的な回答ともとれる)。 サイコセラピーを併用することで自らの精神に別の人格(リキッド・オセロット)を構築していたことはその最たるものである。
若かりし頃を描いたMGS3での言動については判断が難しいところではあるが、 MGSV:TPPのエンディングおよび『真実の記録』において敬愛するビッグボスと会話する姿、 そしてMGS4のラストにおける死に際にビッグボスの息子であるソリッド・スネークに語りかける姿については、 劇中でプレイヤーが観ることのできる数少ない”腹を割った本当のオセロット”だと言える。
MGS1でソリッド・スネークを拷問する際のデモシーンにおいて、 『恐るべき子供達』について詳しく知っていると思わせる発言をしている。 そしてMGS4において、彼が愛国者達の創設と、 恐るべき子供達計画の実施に深く関与していたことが明かされた。
MGSV:TPPのカセットテープ『真実の記録』のトラック『「恐るべき子供達」』において 彼はビッグボスとの会話で恐るべき子供達について語っている。 ビッグボスが『あれは息子でも まして俺自身でもない』として激しい嫌悪感を示しているのに対し、 オセロットは、ゼロやEVAが恐るべき子供達を クローンあるいはビッグボス自身だと思っていると話し、 また話し始めに、オセロット自身もクローンたちのことを”あなた”、”あなたの息子たち”と呼んでいる。 このことからオセロットは、ゼロとビッグボスの対立において ビッグボス側に付きながらも、クローン達に対する考え方についてはビッグボスと価値観の違いがあることが伺える。
MGSV:TPP、Episode46クリア時のエンドクレジット後のカズヒラ・ミラーとの会話において オセロットはやがて成長した子供達はビッグボスを敵とするだろうことを予見している。 これを受け、ファントムの真実を知ったミラーがいつかビッグボスを討つと宣言し、 また恐るべき子供達を自らの手で育てると話すと、 オセロットは彼がサイファーにつく日が来たら、 自らは”もう一人の息子”につくと返した。 結果として、ミラーはサイファーの庇護を受ける ソリッド・スネークの育成に注力し、 オセロットはMGSV:TPPですでに顔を合わせていた”もう一人の息子”である リキッド・スネークと行動をともにすることになる。
MGS1時点でオセロットはリキッドの部下という立場になっている。 これはあくまで彼の真の目的(愛国者達の終焉とビッグボスの解放)を達成するための表向きの顔であったが、 作中で彼はリキッドの戦士としての資質を高く評価する発言を度々しているため、 恐るべき子供達の中ではリキッドを特別視をしているようにも見える。 あわよくばリキッドがビッグボスを引き継いで 愛国者達への蹶起を成し遂げることも期待していたのかもしれない。 実際、MGS2でソリダス・スネークと協力した際には 個人的な情のようなものはあまり見せず、明らかに反目する場面も描かれているが、 リキッドについてはソリッド・スネークとの決着をただ見届けている。 しかし、ソリダスが左目を失い眼帯をつけた姿を見た際には、 思わず『ビッグボスにうりふたつですね』と漏らしている。
ソリッド・スネークに対しては、彼がどのような想いを抱いていたのかは作中でほとんど描かれていない。 ビッグボスを討伐した張本人であるため、少なからず恨みを抱いていたとも考えられる。 しかし、MGS4のラストでは、すべての戦いを終えて息を引き取る直前に、 ソリッド・スネークを自らが敬愛するビッグボスの”息子”と認め、称賛の言葉を送っている。
『いいセンスだ(You're pretty good.)』は MGSシリーズでお馴染みとなっている台詞であるが、 初登場はMGS1におけるオセロットの発言である。 プレイヤー=ソリッド・スネークとの対決(ボス戦)が終わったあと、 オセロットはスネークに対し『いいセンスだ。やはりボス(=リキッド)と同じコードを持つ男』と発言し称賛する (ただし、プレイヤーがボス戦で5回以上コンティニューしていると罵倒される)。
次に登場するのは、前作よりも前の時代を描いたMGS3である。 プレイヤーキャラクターのネイキッド・スネーク(後のビッグボス)は 彼との初対面時のデモシーンにおける対決でオセロットをCQCによって倒した時、 オセロットの早撃ちの技術について『いいセンスだ』と称賛する。 オセロットは『いいセンス』という言葉を噛みしめるように復唱すると、気を失った。 これにより、MGS1における台詞はビッグボスからの受け売りであったと判明した。
MGS4においては、 リキッド・オセロットがプレイヤー=オールド・スネークとの殴り合いの決闘を終えた後、 オセロットに戻った彼はスネークに対し『さすがあの男(=ビッグボス)の息子。いいセンスだ…』と発言した。 ちなみにこの時、この台詞に合わせて先述するMGS1、MGS3における台詞が シンクロするように流れる演出が用意されている[注]。
MGSV:TPPでは、 マザーベースで訓練するダイアモンド・ドッグズの兵士に対しオセロットがアドバイスを施す場面があり、 そのやり取りの最後においてMGS3でビッグボスから言われた台詞を引用している。 引用の中には、若かりし頃の自らの失敗を指摘された内容も含んでおり、 その様子をヴェノム・スネークに見られたことに気づいたオセロットは少々気まずそうにしていた (この時に自己暗示が解けて彼の正体を思い出しているのかは不明)。
MGSV:TPPではゲームシステム上もマザーベーススタッフとして登録されている。 ミッションへの出撃は不可能。ステータスは以下の通り。
戦闘 | A++ |
研究開発 | E |
拠点開発 | D |
支援 | C |
諜報 | A++ |
医療 | B |
スキル | |
戦術教官 |
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オセロットと言えばリボルバー(回転式拳銃)が代名詞であるが、 特に彼はアメリカのコルト・ファイヤーアームズ(Colt Firearms)社が製造する ”コルト・シングル・アクション・アーミー(Colt Single Action Army/以下SAA)”を愛用。 MGS1、MGS2、MGS3、MPOの劇中でSAAを使用している。 MGS1ではSAAを『世界で最も高貴な銃』と称した。 ちなみに、SAAが現役として活躍したのは1870年代~1910年代頃であり、 20世紀後半から21世紀の時代になっても少量ずつ生産はされているが、あくまでコレクションや競技用としてである。 これに対し、MGS1において軍事アナリストのナスターシャ・ロマネンコは、 2005年現在にSAAを実戦で主力として使いこなすオセロットに対して驚きを見せていた。
MGS3では彼が若かりし頃の姿が描かれるが、 本作での初登場時はまだソ連製のオートマチック(自動拳銃)である”マカロフ(Makarova)”を使用している。 だが同作の劇中でネイキッド・スネーク(後のビッグボス)と出会い、 彼から『オートマチックよりリボルバーに向いている』というアドバイスを受けると リボルバーを使うよう戦闘スタイルを変更した。 これ以降、彼は長年に渡りリボルバーを愛用している。 ちなみにネイキッド・スネークはオセロットが拳銃を使用する姿を見て、 『発砲時に大きく肘を曲げて反動を逃がす』という癖があることを見抜いている。 スネークはこれについて、 反動力を作動に利用するオートマチックでは回転不良の原因となるが リボルバーは機構上その衝撃を受け止める必要がないため、 オセロットのように腕に負担をかけない撃ち方を自然体でできるのであれば 特に反動の大きい大口径リボルバーの良い使い手になるだろうという見解を示した (パラメディックとの無線より)。
MGS4では”リキッド・オセロット”として登場するため、 作中(ACT3『THIRD SUN』のデモシーン)で唯一使用するハンドガンはリボルバーではなく、 ”THOR(トール)”という狩猟用の大口径単発式拳銃である。 これはイタリア製でタンフォリオ(Tanfoglio)というメーカーが製造しているが、 もともとは”ラプター(Raptor)”という名前であり、 アメリカの企業により輸入販売が行われる際にTHORという名称が使用された。 ちなみにこの銃は様々な口径のバリエーションが存在するが、 MGS4では『.45-70弾』というライフル弾が使用され、 銃名は『THOR.45-70』と表記されている。
MGSV:TPPにおいてはリボルバーを使用するが、 SAAではなく”TORNADO-6(トルナード6)”という架空の拳銃である[注]。 この銃は実銃でいうとイタリアのマテバ(MA.TE.BA.)社が製造する”マテバ オートリボルバー(Mateba AutoRevolver)”という回転式拳銃に構造が似ており、 回転式弾倉(シリンダー)の下側にある弾丸を発射する、とても珍しいタイプの銃である。 しかし、シリンダーに弾を込める際の機構は”中折れ式”となっており、この点はマテバと異なる。 ちなみに作中のデモシーンで発砲しているところを見ると、 シングルアクションタイプであるSAAと異なりセミオート連射が可能なことが分かる[注]。 しかし、1発を撃ち終わった直後にハンマー(撃鉄)は自動で起きていないように見えるため、 マテバのような”オートマチック・リボルバー[注]”ではなく、 単にダブルアクションタイプである可能性が高い。
西部劇(マカロニ・ウエスタン[注])を非常に好んでおり、 戦闘スタイルとファッションに強い影響を受けている。 多くの作品でガンベルトやカウボーイブーツ、スカーフなどを身に着けて登場し、 西部劇から飛び出してきたようなキャラクターとして描かれている。 彼が愛用するリボルバー拳銃”コルト・シングル・アクション・アーミー”も西部劇の代名詞の一つである。 また、拳銃を指でくるくる回したりそれをスムーズに射撃に結びつける”ガンプレイ”も非常に得意であり、 劇中で度々見ることができる。
MGS3での初登場時はまだリボルバーを使用していないが、 この時からガンプレイを行っており、また山猫部隊の制服を ただ一人ウエスタン風にアレンジして着こなしていたりと、すでに西部劇の影響を受けていることが伺える。 同作でのガンプレイは特に激しく、くるくる回しながら空中に投げ再びキャッチしたり、 また三丁の拳銃によるジャグリングなども披露している。
MGSV:TPPの カセットテープ『オセロットのブリーフィング・1』のトラック『9年間の世界情勢』にて、 スポーツの世界に冷戦下の政治的対立が持ち込まれている問題が話題になる。 その中でオセロットは、西側諸国が1979年のソ連のアフガン侵攻に抗議する意味で 1980年のソ連・モスクワでのオリンピックへの出場をボイコットしたことを説明した際に 『俺も ヤマシタのジュウドーは見たかったが』と嘆いており、スポーツ観戦に関心があることを伺わせた (当時代表に選出されていた日本の柔道家・山下 泰裕氏がこのボイコットにより出場を逃している)。 MGS3で彼は初めて目の当たりにした近接戦闘術CQCを ”ジュウドー”と呼んでいたこともあるため、もともと日本や柔道にも関心があるのかもしれない。
オセロットがMGS1で失った右腕の代わりに リキッド・スネークの右腕を移植したことについて、 MGS2においてソリダス・スネークの口から その手術がフランスの都市”リヨン”で活動する再移植の国際チームによるものであったことが語られると、 オセロットは『フランス人など信用ならん』と発言し、フランス人に対する嫌悪感を垣間見せた。
MGSV:TPPのカセットテープ『真実の記録』のトラック『「恐るべき子供達」』においては、 オセロットは『恐るべき子供達』のフランス語表記”Les Enfants Terribles”を あえて『レス・エンファントス・テレブレス』と英語読みする。 それを聞いたビッグボスは『フランス嫌いは相変わらずか』と発言し、 オセロットは『いえ エカテリーナの時代が苦手なだけです。宮廷にはいい印象がない』と返した。 エカテリーナとは、18世紀にロシア帝国を治めた女帝”エカテリーナ2世(ロシア語:Екатерина II)”を指すと思われる。 17世紀から18世紀にかけて、まだ新興国であったロシア帝国の王朝は積極的に文化の”ヨーロッパ化”を推進、 特に当時ヨーロッパで一番の大国であったフランスの文化を取り入れることで国の近代化を図った。 それにより、ロシアでは貴族の間の公用語としてフランス語が用いられるほど、宮廷はフランス文化に染まっていた。 オセロットはエカテリーナ2世の治めた時代のロシアの政治に抵抗感を持っており、 フランス嫌いは当時のロシアとフランス文化が常に隣り合わせにあったことが理由であることが明かされた。
ちなみに、初登場のMGS1においても、 オセロットは”Les Enfants Terribles”を『レス・エンファントス・テレブレス』と読んでおり、 先述のMGSV:TPPにおけるエピソードはこれとリンクする仕掛けにもなっている[注]。 また、MGS1ではリキッド・スネークも同様の読み方をしていることから、 リキッドはオセロットの口から『恐るべき子供達計画』の真相を聞かされたと解釈することもできる。
ゲーム中に使用するカードのとして、 MGS1より『リボルバーオセロット』、 MGS3より『オセロット』が登場。
また、歴代シリーズのボスキャラクターとバトルができる『アリーナモード』にて、 MGS1のリボルバー・オセロットと対戦することができる。 MGS1の時の”ローポリゴン”なグラフィックでの登場となり、 音声はMGS1の戸谷公次氏の音声が流用されている。 様々なカードによってオセロットの戦闘スタイルが再現されている。
MGS3の完全版『METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE(2005年発売)』に 収録されたメタルギアシリーズ初のオンライン対戦モードにて、 MGS3の”オセロット”がプレイヤーキャラクターとして参戦。 モブ兵士の操作が基本となるため、彼は”ユニークキャラクター”と呼ばれる位置づけになっており、 他の兵士よりもCQCが強力、ベレー帽の効果でヘッドショットを一度だけ無効にできる、 跳弾を操れる”シングル・アクション・アーミー”が使用可能といった特権を持つ。 自チームが『山猫部隊』の時に最も成績優秀なプレイヤーが使用可能となる。
本サービスは2006年12月25日をもって終了している。
MPO本編でオセロットを仲間にしているとプレイヤー同士の対戦モードでも使用可能 (MGS3と同様の外見をしている)。 初代MGOとは異なり特別な要素は持たない。
オンラインを介して対戦を行う『インフラストラクチャーモード』は2012年3月30日をもってサービス終了している。 2019年現在はプレイヤー同士が直接集まって対戦する『アドホックモード』のみとなる。
本作はMPOをベースにキャラクターの追加などが行われ 対戦モードに特化したタイトルとなっており、前作同様にオセロットを使用可能。
オンラインを介して対戦を行う『インフラストラクチャーモード』は2012年3月30日をもってサービス終了している。 2019年現在はプレイヤー同士が直接集まって対戦する『アドホックモード』のみとなる。
MGS4に収録されたオンライン対戦モード(通称”MGO2”)にて、 同作から”リキッド・オセロット”がユニークキャラクターとして参戦。 一撃で敵を気絶させる右ストレート、ヘッドバッドが使用できる、 バックステップをするとMGS4本編のACT4『Twin Suns』にて スネークを挑発したときのアクションが再現できる、 『ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』が発動できるなど様々な特徴を持つ。
本サービスは2012年6月13日をもって終了している。
MGSV:TPPに収録されたオンライン対戦モード(通称”MGO3”)にて、 同作からオセロットがユニークキャラクターとして参戦。 劇中でも使用していたリボルバー拳銃”TORNADO-6(トルナード6)”を二丁拳銃で使用することができ、 マーキングした相手を追尾する”跳弾”を操ることができる。
2019年現在もサービスは提供されている。
メタルギアソリッドとのコラボにより、本作には ソリッド・スネークの戦闘データをコピーしたピポサル”ピポ・スネーク(CV:大塚明夫)”を操り 本格的なステルスアクションが楽しめる『MESAL GEAR SOLID SNAKE ESCAPE(メサルギアソリッド スネークエスケープ)』なるミニゲームが収録されている。 その中でオセロット本人ではないが、ラストボスとしてリボルバー・オセロットそっくりなピポサルが登場する (服装を見る限りMGS2の姿を再現しているように見える)。 そのラストバトルも原作がリスペクトされており、破壊された最新兵器『メサルギア』の上で殴り合いを繰り広げるのだが、 ある意味のちに発売するMGS4のラストバトルにも通じるものがある。
本作にプレイヤーキャラクターとして参戦しているスネークを使用した際、 ステージ『シャドーモセス島』で『スマッシュアピール』を行うとMGS1のような無線画面で 対戦相手のキャラクターに関する会話を聴くことができるのだが、 『ピカチュウ』に関してメイ・リンと会話する中で、 スネークはピカチュウの電撃に関して 『よほどのことがなければ、オセロットの拷問よりはマシだろう』と話している。
追加コンテンツを購入することにより、 プレイヤーキャラクターの一人である”ドロン”というキャラクターを MGSV:TPPのオセロットのコスチュームに着替えさせることができる。
本作には登場するファイター(プレイヤーキャラクター)に関連するキャラクターのイラストを収集し、 それをファイターを強化するためのアイテムとして使用できる『スピリッツ』というシステムがあるのだが、 そのスピリッツのひとつとして”リボルバー・オセロット”が登場(ファイターとしては”スネーク”が参戦している。)。 オセロットのスピリッツは『アタッカー』タイプで、ファイターの飛び道具の攻撃力をアップさせる。 最初はMGS3の姿だが、能力をアップさせる”超化”を行うと MGSV:TPPの姿に変化する。 ちなみにスピリッツについて、公式では『身体を失い、思念体となったキャラクター』と説明されている。
また、スマブラXにおけるピカチュウの無線も再録されている。
彼の年齢が明確化されたのはMGS3が初となる。 初登場のMGS1時点で50代という設定があったが(公式サイト(2019-06-01 現在)より)、 MGS3本編にて1944年生まれとされたことでMGS1当時は60代となり、矛盾が生じている。 本Webサイトでは設定変更として扱う。 また、MGS3時点の年齢について、数え年だと20歳だが、 ネイキッド・スネークは彼への印象を『どう見ても10代の子供』と語っており、 仮にこれが正しいとすると当時まだ19歳、彼の誕生日はスネークイーター作戦の決行日(8月30日)よりも後ということになる。
なお、本ページの『劇中での活躍』の項目における年齢は数え年で記載している。
MGS2のデモシーンではモーションキャプチャ手法が用いられているが、 同作のエンドクレジットではモーションキャプチャを務めたアクターの名前とキャラクターの対応が明記されていない。 これについて、同作のモーションアクターとして参加している”吉田研一”氏と交流したユーザー(@HEITAIs)が、 MGS2にクレジットされている”福沢博文”氏が リボルバー・オセロットを担当していたことを同氏から教わった旨をSNSに投稿している(該当の投稿)。
なお、福沢氏は『メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス(2004年発売)』においても モーションアクターとしてクレジットされているため 同作でもリボルバー・オセロットを担当していた可能性が高いが、真偽の程は不明である。
『メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス(2004年発売)』 およびMGS3でオセロットのガンプレイの モーションアクターとしてクレジットされている吉田研一氏は、 ”トルネード吉田”名義でミリタリー系雑誌におけるライターとして活動しており、 『月刊Gun Professionals(ホビージャパン)』のYouTubeチャンネルに 同氏がMGS3における演技を再現した動画が投稿されている (『トルネード吉田 MGS3 オセロットのガンプレイを再現する』)。
またMGS2においても吉田氏がモーションアクターとしてクレジットされているのだが、役が明記されていない。 これについて、先述の動画の説明欄において MGS2でもオセロットのガンプレイ役を務めていた旨が記載されている。
MGS4では”銀河万丈”氏が”リキッド・オセロット”の声優を務めるが、 ラストのボス戦後にオセロットが息を引き取る際の演出で、 MGS1における”戸谷公次”氏による音声と、 MGS3における”山崎たくみ”氏による音声も使用されており、 エンドクレジットにおいてもリキッド・オセロットとは別に、 ”リボルバー・オセロット”、”オセロット”という役名でそれぞれクレジットされている。 なお、戸谷氏はMGS4の開発初期であった2006年の2月に亡くなっている。
MGS4の”リキッド・オセロット”について、 日本語版ソフトでは過去作で”リキッド・スネーク”役であった ”銀河万丈”氏が声優を務めているが、 英語版ソフトではリボルバー・オセロット役であった”パトリック・ジマーマン”氏が演じている。
MGS3の劇中では彼が”ザ・ボス”の息子であることは暗示されるに留まっているが、 新紀元社より出版されている同作の『シナリオ・ブック』ではザ・ボスとオセロットについて『母親と息子』と明記されている。 また、『メタルギアソリッド4 データベース(2008年配信)』では ザ・ボスによる戦場での出産が、MGS3で暗示された通りオセロットを産み落としたエピソードであったことも含め、 2人の親子関係を肯定する文章が記載されている。
MGSV:TPPで 彼がビッグボス(=ジョン)から”ジュニア”と呼ばれる場面があるが、 これは日本語版ソフトのみであり、英語版ソフトでは”Adam(アダム)”と呼ばれている。
MGS1で語られる経歴について 『メタルギアソリッド4 データベース(2008年配信)』にて その情報が偽装であると明記されている。 これについてはシリーズを重ねた上で生じた矛盾を吸収するための設定変更である可能性も高い。
彼は主に拳銃(ハンドガン)を使用するが、 MGSV:TPPのオンライン要素として 特定の条件が揃うと観られるデモシーン『核廃絶エンド』において、 ヘリの中でスナイパーライフルを装備するオセロットが見られる(発砲シーンはなし)。
MGSV:TPPにて、 彼が参加したソ連の強制収容所の管理監督を”秘密警察(NKVD)のベリア”と発言しているが、 これは史実に基づき、かつてNKVDの長官を務めていたソ連の政治家”ラブレンチ・ベリア(ロシア語:Лавре́нтий Бе́рия)”を指していると思われる。 カタカナ表記では”ベリヤ”とされることも多い。 ベリアはオセロットが活躍した時代よりも前、1953年に死去しているため、 オセロットの発言は、話題とした収容所がスターリン時代に作られたものであることを示唆する発言と捉えられる。
劇中で使用するリボルバー(回転式拳銃)について、 MGSV:TPPでは彼は”シングル・アクション・アーミー(以下SAA)”ではなく 架空の銃”TORNADO-6(トルナード6)”を使用する。 前後の時系列を描いた過去作では彼は好んでSAAを使用しているため違和感を覚えるが、 これは現実の2010年代前半頃から各銃器メーカーにおいて、ビデオゲームで銃のデザインを使用することに対して ライセンス料を支払うべきだという動きが強まっていることが原因であると思われる。 近年(2019年現在)、銃器メーカーとのトラブルを避けるために架空の銃を登場させるビデオゲームが増え、 メタルギアシリーズにおいては『メタルギアソリッド ピースウォーカー(2010年発売)』の一部登場銃の名称が架空のものになり、 MGSV:TPPにおいてはすべての銃が一からオリジナルにデザインされた銃となった。
MGSV:TPPに登場する架空銃”TORNADO-6(トルナード6)”について、 本編のデモシーンでオセロットが使用する際にはセミオート連射しているが、 プレイヤーがトルナード6を開発しゲーム中で使用した際には 1発撃つごとに手動でハンマーを起こしており、シングルアクションで使用していることが分かる。 オンライン要素であるMGOやFOBでも同様であり。 またオンライン要素でオセロットをプレイヤーキャラクターとして操作した際には 二丁拳銃となるが、それもシングルアクションである。
MGSV:TPPで彼が使用する架空銃”TORNADO-6(トルナード6)”の モデルになったと思われる”マテバ オートリボルバー”は ”オートマチック・リボルバー”という珍しい機構を持つ。 ハンマー(撃鉄)を手動で起こさずセミオート連射が可能な点はダブルアクションと同様なのだが、 異なる点は発砲時のエネルギーでハンマーを自動的に起こすという点である。 ダブルアクションは、ハンマーを起こしそして倒すという2つのアクションを トリガー(引き金)を引く力によって行うため他の機構に比べてトリガーが”重く”なるのだが、 オートマチック・リボルバーは発砲すると自動でハンマーが起きるため、 2発目以降を発射する時はトリガーを引く時にハンマーを起こす力が不要となり、 指への負担が軽減され、また銃本体のブレを抑えられるなどのメリットを持つ。
彼の人物紹介(MGS1の公式サイト(2019-06-06 現在)など)において ”マカロニ・ウエスタン”という言葉が使用されるが、 これは特に1960年代~1970年代に創作されたイタリア製西部劇を指す言葉である。 映画では『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』の通称『ドル箱三部作』などが有名。
もともとは”スパゲッティ・ウエスタン(Spaghetti Western)”などと呼ばれたものであり、 ”マカロニ・ウエスタン”という呼び名は日本人によって付けられたものである。 ”マカロニ”はパスタを日本独自にアレンジした食べ物であることから、 海外発祥のものを日本風に呼ぶという意味合いを持っている。
オセロットがMGS1において 『恐るべき子供達』のフランス語表記”Les Enfants Terribles”を英語読みする理由が MGSV:TPPで明かされたが、 MGS1の英語版ソフトではもとからフランス語に近い発音で読まれていた。 そのため、これはあくまで日本語版ソフトで『レス・エンファントス・テレブレス』という読み方を使用していたことに対するメタフィクション的な回答である可能性が高い。 事実、MGS1のシナリオが再度描かれた 『メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス(2004年発売)』の日本語字幕や、 映像ソフト『メタルギアソリッド2 バンドデシネ(2008年発売)』の音声では フランス語の発音に近い『アンファンテリブル』という読み方に改められている(”Les”の音は省略されている)。 ちなみに、MGSV:TPPの英語版ソフトでは ”トロイ・ベイカー”氏の扮するオセロットが英語読みをする演技を聴くことができる。