ソリッド・スネーク(Solid Snake)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、アメリカ出身の軍人。 幾度となく核搭載二足歩行戦車『メタルギア』の脅威から世界を救った伝説の英雄。 優れた戦闘能力に加え、どんなに過酷な状況下でも決して諦めず突破口を見出す強靭な精神力と判断力を備えている。 それゆえ彼は『不可能を可能にする男』と呼ばれた。 本名は”デイヴィッド[注]”。
彼は1970年代、『恐るべき子供達』と呼ばれる計画によって20世紀最強の兵士”ビッグボス”の体細胞クローンとして誕生した。 この出生には様々な人間、組織の陰謀が関与しており、彼は生涯、その因縁に纏わる戦いに身を投じることとなる。
名前 | ソリッド・スネーク (Solid Snake) |
本名 | デイヴィッド[注] (David)(フルネームは不明) |
別名 |
|
性別 | 男性 |
国籍 | アメリカ合衆国 (U.S.A)[注] |
生年 | 1972年[注] |
身長 | |
体重 | |
IQ | 180[注] |
所属組織 | |
主な登場作品 | |
声優 | 大塚明夫 |
声優 (英語版) | デイヴィッド・ヘイター |
モーションキャプチャ |
イロコィ・プリスキン(Iroquois Pliskin)は、 『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001年発売)』における ”ソリッド・スネーク”のキャラクター像であり、 同作の”プラント編”で描かれる2009年の『ビッグシェル占拠事件』で彼が名乗った”偽名”。 スネークは、海上除染施設『ビッグシェル』で目的を同じくし行動を共にした、 米陸軍の特殊部隊『FOXHOUND』のエージェント”雷電”に対し、 『米海軍の特殊部隊「SEALs」チーム10 (SEAL10)の隊員、イロコィ・プリスキン中尉』という 偽りの身分を語った。 当時現地にはSEAL10によるテロ鎮圧作戦チームが潜入していたが、 スネークと雷電が出会って間もなく 本物の隊員たちはテロリストと交戦し全滅している。
4年前の『シャドーモセス島事件』での活躍により ”シャドーモセスの英雄”として世間一般でも有名人となっていたスネークは、 2009年当時すでにどこの公式軍にも所属しておらず、 先の事件で出会った科学者”ハル・エメリッヒ”と共に組織した 反メタルギア財団『フィランソロピー』の一員として活動していた。 ビッグシェルにおいては、現地で新型のメタルギアが開発されているという情報を受け、 独自に潜入・諜報活動を展開していたのであった。
なお、”イロコィ”はマンハッタン島の先住民族が使用する言語『アルゴンクイン語』の言葉であり、”毒蛇”を意味する[注]。 そして”プリスキン”は、 ”ジョン・カーペンター”氏が監督を務めた近未来アクション映画『ニューヨーク1997(1981年公開)』および『エスケープ・フロム・L.A.(1996年公開)』において カート・ラッセル氏が演じた主人公”スネーク・プリスキン”が元ネタとなっている。 ソリッド・スネークは”中尉”と身分を偽るが、スネーク・プリスキンも元米軍中尉である。 ただし、イロコィ・プリスキンのアルファベット表記は『Pliskin』であるのに対して、 スネーク・プリスキンは『Plissken』と つづりが異なっている。
オールド・スネーク(Old Snake)は、 『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(2008年発売/以下、MGS4)』における ”ソリッド・スネーク”のキャラクター像。 同作で描かれる2014年の『ガンズ・オブ・ザ・パトリオット事件』当時、 彼は原因不明の急激な老化現象により、40代にしてすでに老人のような風貌となっていることから、 ”ハル・エメリッヒ”や”メリル・シルバーバーグ”、 ”ドレビン”からその名前で呼ばれる。 MGS4では、劇中のテロップやプロモーション等の人物紹介においても ”オールド・スネーク”の名前が使用される。
やがてMGS4のACT2『Solid Sun』にて、スネークの急激な老化は病気などの”異常”ではなく、 彼がかつて『恐るべき子供達計画』によって 20世紀最強の兵士”ビッグボス”の体細胞クローンとして生み出される過程で、 その生命の目的が”戦争利用”であることから、遺伝子操作によって 意図的に短い寿命が設定されていたという残酷な事実が判明する。 なお、同作の数年前の世界を描いた『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001年発売)』においても、 ビッグボスのクローンであるが故の宿命として 当時すでに急激な老化が始まっていることが語られていた。
ちなみにオールド・スネークという名前には、 ソリッド・スネークの『ソリッド (SOLID)』から 『存在 (IS)』を取り除くと『オールド (OLD)』になるという、アナグラム的なダブルミーニングが含まれている[注]。
ソリッド・スネークの身体つきについて、野島一人氏による小説『メタルギア ソリッド サブスタンスI -シャドー・モセス-』において 以下のように表現されている。
彼の身長・体重や、劇中のグラフィックなどを見る限り オリジナルのビッグボスに比べてやや細身な体型であるという印象を受けるが、 機能的な筋肉のみを備えて無駄のない、野性的な肉体の持ち主であることが伺える。
また、MGS4における身長・体重を見る限り、 実年齢の42歳以上に肉体の老化が進んでいる影響で、若い頃よりやや背丈が縮み筋肉も落ちているようである (カナダやアラスカの自然の中でのサバイバル生活をやめたせいもあるのかもしれない)。 それでも、ナオミから診察を受けるデモシーンを観ると贅肉などはなく引き締まった身体をしており、 兵士としての鍛錬は怠っていないようである。
劇中におけるソリッド・スネークの髪は、 MGS4における年老いた姿(”オールド・スネーク”)を除き 暗い髪色(茶髪、栗毛)で描かれている。 だが、MGS2の公式設定資料集[注]に収録されている、 ”新川洋司”氏による”イロコィ・プリスキン (MGS2プラント編におけるソリッド・スネークのキャラクター像)”の設定画には 髪が明るい色で描かれているものがあり、そこには 『リキッドスネークの様な金髪』と注釈が書かれている。 さらに、MGS2の旧公式サイトに掲載されていた新川氏へのインタビュー記事[注]において、 『元々スネークが金髪だったのかもしれないという噂が…前作のスネークって茶色にぬってあるけど、あれは多分潜入前に金髪を黒にしただけ。』、 『(”多分”と前置きした上で)スネークが染めていた。プリスキンが地毛。』という同氏の回答が確認できる。
しかし、実際のゲームの劇中グラフィックでは プリスキンの髪色はスネークとほとんど変わらない。 前作(MGS1)で潜入前に染めていたという話については、 同作の『ブリーフィング』モードに登場する スネークのイラスト(モノクロ)では髪の色が明るく見えるため これが金髪を想定していたとも考えられるが、 MGS1のリメイク作品『メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス(2004年発売)』の 『ブリーフィング』モードでは暗い髪色となっている。 補足として、MGS1では劇中のセリフから、 スネークがブリーフィングを受けている時点から シャドーモセス島のヘリポートに到着するまでに 約1時間しか経過していないことが分かるため、髪を染める時間があったのかも疑問である。 先述のインタビューで”噂”や”多分”という表現が使われていることからも、 少なくともMGS2が発売した2001年当時は 開発陣において設定が明確化されていなかった可能性が高く、 その後シリーズが進む中でその設定がどう扱われるようになったのかは想像の域を出ない。
当Webサイトにおいては今後確定情報が出ない限り、 解説がややこしくなってしまう都合から、本項目の外では 『ソリッド・スネークの地毛が金髪である』ということを前提とした解説は 基本的に行わないこととしている(2022-04-25現在)。
ソリッド・スネークがミッションの際に頭に巻いている ”バンダナ”について、 同じくバンダナがトレードマークとなっている ”ネイキッド・スネーク”と異なり、それを身につけるようになった経緯については劇中で触れられていない。 だがこれについて、ユーザーによるMGS2のゲームディスクの解析により、 ソリッド・スネークのバンダナが ”ビッグボス(=ネイキッド・スネーク)”から譲り受けたものであることを暗示するボツ音声 (スネークと”オタコン”の会話)が発見されている[注]。 後に『メタルギアソリッド ピースウォーカー(2010年発売)』で ビッグボスが1970年代にバンダナを手放していたことが明かされるが、 『メタルギアソリッドV ファントムペイン(2015年発売/以下、MGSV:TPP)』において プレイヤー(=ヴェノム・スネーク)が装備アイテムとして使用できる バンダナの説明欄に それがビッグボスが湖に投げ捨てたものを 回収・修繕したものであることが記載され、 さらに同作では1995年の『アウターヘブン蜂起』で ソリッド・スネークが戦ったビッグボスが”ファントム(ヴェノム・スネーク)”であったことが 明かされるため、彼は同事件での戦いの際にファントムから そのバンダナを受け取っていた可能性が考えられる。 先述のボツ音声の設定が活きているのかは不明であり、 またMGSV:TPPの装備アイテムはゲーム的な仕掛けであるため あくまで”説”の域は出ないが、 アウターヘブン蜂起が描かれるMG1の ソリッド・スネークについてはバンダナを巻いていることを明確化する公式情報は存在しないのに対し、 その4年後を描いたMG2ではバンダナを巻いたキャラクターデザインが提示されているため、 その点も辻褄は合う。
ソリッド・スネークがMGS4で描かれる 2014年の『ガンズ・オブ・ザ・パトリオット事件』の後、 いつまで生きたのかについては明かされていない。 ただし、正史シリーズで2022年現在、 唯一MGS4よりも後の世界を描いている作品 『メタルギアライジング リベンジェンス(2013年発売)』の無線において、 プレイヤーキャラクターの”雷電(らいでん)”が 仲間の”ケヴィン”に対して かつて伝説の英雄ソリッド・スネークと直に会ったことがある事を自慢する会話があるのだが、 会話の流れから『もう会うことができない人』として扱われていることが分かり、 明言こそされないが、同作の舞台である2018年までの間に この世を去っていることが暗示されている。
なお、”伊藤計劃”氏によるMGS4の ノベライズ作品においては、 同じくいつまで生きたのかについては明言されていないものの、 ”オタコン”、”サニー”と共に 穏やかな日々を過ごしたというスネークの余生と、 やがて安らかにこの世を去ったという 彼の最期の様子について語られている(文庫版, 第2版, 341p, 344p)。
注意:このページは作成が完了していません(2022-10-11 現在)。 不足している情報について、今後更新予定です。 ここより以下の内容は2015年までに更新したもので、暫定的に掲載しています (『参考・脚注』の項目は除く)。 出典が明らかでない情報が含まれている場合がありますので、了承の上でご覧ください。
彼は『恐るべき子供達』と呼ばれる計画によって誕生した20世紀最強の兵士ビッグボスのクローンであり、 彼がその人生で身を投じ続けた戦いは、いわばビッグボスという自らの起源との戦いであった。 自らの師として目の前に現れたビッグボスはやがて自分に銃を向け、彼との戦いでその生命を奪った。 ビッグボスは戦いの最中、自らが父であることを告白し、ソリッド・スネークは父殺しのトラウマを背負うことになる。 さらに、ビッグボスは死してもなお、様々な姿にカタチを変えてスネークの人生に影を落とし続けた。 同じくビッグボスのクローンである リキッド・スネーク、ソリダス・スネーク をはじめとするビッグボスの思想を受け継いだ者達。 ビッグボスの遺伝子を起源とする軍事力、科学システム。 そして、かつてビッグボスがその力とした二足歩行戦車メタルギア。 ソリッド・スネークは何度も戦場から身を引こうとしたが、これらの力がそれを許してはくれなかった。
そんな彼を晩年突き動かしたのは”贖罪(しょくざい)の想い”である。 彼はシャドーモセス島事件での戦いで 親友グレイ・フォックスの姿を通し、 自分が今まで人から与えられた任務で戦火の拡大をしてしまったことに対する責任から目を背けていたことに気付く。 未来を作るべき若い世代を、自分たちの旧い因縁の戦いに巻き込んでしまったこと。 自らが犠牲になってでもその因縁に終止符を打つと決意を固めたスネークは、最後の時まで二度と逃げ出すことはなかった。
しかし、スネーク自身がそれに気づきはしなかったが、 若い力たちがスネークの戦いに身を投じたのは、彼の強さに裏付けされた優しさに心を救われたからだった。 親友のオタコンはそれを理解できたからこそ、最後の戦いまで彼に付き添った。 スネークの人生で人から優しくされることはとても少なかったが、彼は誰よりも他人への優しさを理解していたのだ。 だからこそ彼は戦いの果てに、乞うことすら許されないと信じた親友の妹ナオミ・ハンターからの許し、 求めることすら諦めた戦場の外での自由、そしてその存在すら知らなかった父と母からの愛情を、 不器用ながらも得ることができたのである。
MG2での設定は、ユーザーズマニュアル(MSX2版同梱品)および 公式サイト(2019-05-26 現在)に『160』と記載。 MGS1での設定は、公式サイト(2019-05-26 現在)に『180』と記載。
後者の方が値が20高くなっているが、 IQの大幅な変動は現実的に考えづらいため設定変更の可能性が高い。当Webサイトではそのように扱う。
彼の年齢について、MGS1が発売するまでは一切言及されていなかった。 またMGS1においても1970年代生まれで30代(公式サイト(2019-05-26 現在)より)という設定に留まっており、 明確化されたのはMGS3のエンディングで表示される年表が初めてである。
スタントチーム『AAC STUNTS』の公式サイト(2019-05-26現在)より (MGS2、MGS:TTSのエンドクレジットではモーションキャプチャを務めたアクターとキャラクターの対応が明記されていない)。
”イロコィ(Iroquois)”はマンハッタン島の先住民族が使用する言語『アルゴンクイン語』の言葉であるが、 先住民族らにより構成される部族国家集団に『イロコィ連邦』というものが存在する。 イロコィ連邦は北アメリカ大陸東部で、アメリカ合衆国とカナダにまたがって”保留地”を領有している。 ちなみに、”マンハッタン(Manhattan)”も元はアルゴンクイン語の言葉であり、”丘の島”を意味する。
”メタルギアソリッド”シリーズの公式設定資料集は 同内容が収録されたものが何度か再発売されている。 本ページでは 『メタルギア 25th アニバーサリー メタルギアソリッド コレクション』、 および『メタルギアソリッド HDエディション』の ”プレミアムパッケージ”に収録されているバージョンを情報の出典元としている。
MGS2の旧公式サイトはすでに閉鎖されているが、 同インタビュー記事は Webアーカイブ(WaybackMachine)で 閲覧することができる(2022-04-25現在)。