2000年代のはじめ(ゼロ年代)に大手兵器開発会社「アームズ・テック」が 軍縮による経営不振から脱するための切り札として、国防総省(ペンタゴン)との癒着により 極秘裏に資金提供を受けて開発したメタルギア(核搭載二足歩行戦車)。 二足歩行から得られる安定性でどんなに険しい地形からでも核弾頭を発射することが可能である。 開発の責任者は当時アームズ・テックの社員であった、優秀な技術者 ハル・エメリッヒ(オタコン)。
REXは核発射を主とした兵器ではあるが、 通常の銃火器では傷もつけられないほど強靭な複合装甲に加え、 機銃、誘導ミサイル、レーザー砲が装備されており、友軍の支援がなくとも単独で作戦行動を行うのに 十分すぎる火力を有している。 さらにその巨体にも関わらず強力なモーターによって素早い走行や滑走、10メートルほどの跳躍も可能であり、 武器を使用しなくても戦闘能力が非常に高い。
友軍の支援なしにあらゆる地形から核弾頭を発射する、というコンセプトは従来のメタルギアと変わらないが、 REXの最大の特徴は「レーダーに映らない核弾頭を射出できる」点である。 REXは右肩に装備されたレールガンから燃料を一切燃焼させずに 大陸間を横断できるほどの威力で核弾頭を射出することができる。 これはミサイルを使わずに、強力な電磁場から得られるパワーで核爆弾を敵国に「投げ込む」ようなものであるため 噴射炎などを敵国のレーダーに探知されることがない。 さらに当時アームズ・テック社が世界屈指の技術を持っていた 「ステルス技術」を核弾頭に実装したため、REXは確実に敵国に悟られない『ステルス核弾頭』を発射できる兵器となった。 通常核ミサイルは敵国のレーダーに探知されて迎撃や報復の余地が与えられるため、お互いに核発射ができない『核抑止』が成り立つが、 メタルギアREXはこの『核抑止』を完全に無効化した。この恐るべき性能ゆえ、REXは『悪魔の兵器』と呼ばれた。
REXの弱点は左肩に装備されたレドーム(レーダーの集合体)である。操縦者は肉眼で外界を確認せずにこのレドームを 介して外の情報を得る。つまり他よりも装甲の薄いこのレドームを破壊されると搭乗者はコックピットを開放し、 肉眼で操作しなくてはならない。その時には当然内部の電子系統と操縦者が外に晒されるため、 動きを止める隙を与える。 これについてソリッド・スネークは オタコンに対しなぜそんな弱点を残したまま開発したのかと質問したが、 オタコン曰く、人間と同じようにひとつだけ弱みを持たせたかったかららしい。
2005年のシャドーモセス島事件において、 ソリッド・スネークはリキッド・スネーク の操るメタルギアREXと戦いを繰り広げた。 スネークは開発者であるオタコンの助言と グレイ・フォックスの助けにより、 死闘の末REXの機能を静止させた。
しかし2014年、リキッド・オセロットの陰謀を阻止するために シャドーモセス島を訪れたソリッド・スネークとオタコンにより、 メタルギアREXは再び起動することになる。 開発者であるオタコンはREXの破壊された電子系統の役割をまだ正常な電子系統に担わせることで再びREXを歩かせたのだった。 そしてオタコンの助言を受けながらスネークはREXを操縦し、 リキッドの操るメタルギアRAYと対決した。 その際メタルギアREXは一度機能を停止したとは思えないほどの機動性を見せ、 REXよりも新型であり、なおかつ対メタルギア兵器として作られたはずのRAYを撃破したのだった。 RAYとの死闘を終えたREXはついにその機能を完全に停止させ、眠りについた。