パス・オルテガ・アンドラーデ(Paz Ortega Andrade)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、 コスタリカに住む10代の学生。人間社会における”平和”の在り方について学んでいる。 1974年、軍隊を持たない祖国に謎の武装集団が現れると、 自らの師であるガルベス教授とともに伝説の兵士ビッグボスに接触、 彼が率いる『国境なき軍隊』に武装集団の追放を依頼する。 純粋に祖国の平和を願う彼女は、”平和の使者”と呼ばれた。
しかし、それは偽りの姿であり、正体は米国の非政府諜報機関『サイファー』が ビッグボスに差し向けたスパイであった。 正体を明かしたパスは”パシフィカ・オーシャン”と名乗る。 ビッグボスとサイファーによる抗争に介入した彼女は、 やがて悲痛な運命を辿ることになる。
日本語版の声優は水樹奈々が務める。
名前 | パス・オルテガ・アンドラーデ(Paz Ortega Andrade) |
別名 |
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性別 | 女性 |
年齢 | 20代(1974年)[注] |
出身地 | 中央アメリカ[注] |
所属組織 | |
主な登場作品 | |
声優 | 水樹奈々 |
声優(英語版) | タラ・ストロング(Tara Strong) |
フェイシャルキャプチャ | タラ・ストロング(Tara Strong/MGSV:GZ、MGSV:TPP) |
モーションキャプチャ |
舞台は1974年。 物語の序盤、コスタリカ国連平和大学の教授だと語るラモン・ガルベス・メナが 当時伝説の戦士ビッグボスが率いていた私兵軍隊『国境なき軍隊(MSF)』に接触した際、 彼に同行し共にビッグボス、カズヒラ・ミラーと対面する。 ガルベスからは、パスはコスタリカに住む少女で自身の教え子であり、16歳の学生であると紹介される。 彼女は私生児(バスタード/bastard)[注]であり、 幼くして天涯孤独の身であることから、人一倍戦争を憎んでいるという。 彼女の名前”パス(Paz)”は、コスタリカの公用語であるスペイン語で”平和”を意味する[注]。 作中では度々、”平和の使者”という肩書が使われる。
実はガルベスはKGBの一員であるという裏の顔を持ち、中央アメリカ諸国をソ連の手中に収める計画を推進する上で、 その障害となりうる米国・CIAによるコスタリカへの軍事展開の詳細についてMSFに調査を依頼する。 パスはこの彼の素性については知らず、祖国コスタリカでの武装集団の軍事展開に反発するガルベスに賛同するという立場にあった。 彼女が同行したのは、ガルベスがビッグボスを説得するための材料とするという目的もあったが、 もう一つ理由があった。 パスは数日前に行方不明の友人を探してその武装集団の資材搬入港に踏み込んでしまい、彼らに捕らえられ乱暴を受けていた。 パスが襲われたのは、その時に彼女が”聴いてはいけないもの”を聴いてしまったためだという。 ガルベスは、パスの友人が現地で偶然録音した音が記録してあるとされるカセットテープをビッグボスらに差し出す。 そこには30代と思われる女性(ストレンジラブ)の声の他に、 かつてビッグボスが殺害したはずの恩師であり伝説の戦士”ザ・ボス”の声が記録されていた。 これによりビッグボスの心は大きく揺れ動き、彼らの依頼を受ける決心をすることになる。 その際ビッグボスは、依頼を受けるのは平和を願う少女パスのためであると私情を否定した。
本作ではプレイヤーキャラクターであるビッグボス(=スネーク)が率いる 国境なき軍隊が中米へ軍事介入し、 CIAの『平和歩行計画(ピースウォーカー計画)』とそれを利用するKGBの陰謀に巻き込まれていく様子が描かれる。 パスは第一章~第三章にかけて、 CIAが軍事展開するコスタリカへ単身潜入するプレイヤーを無線連絡で支援するサポートキャラクターとして活躍する。 彼女はコスタリカの都市シウダード・コロンにある学校の寄宿舎に身をおいており、 校舎のガルベスの部屋に設置された無線装置から連絡を行う。 また、ミッション開始前にはブリーフィング(カセットテープ)でスネークとパスの会話を聞くことができる。 祖国に関する様々な知識を持っており、 彼女はコスタリカの地理、気候、動植物、歴史、文化、法律などについて教えてくれる。 ゲーム攻略に直接関係する情報は少ないのだが、 プレイヤーがコスタリカを舞台とするゲームステージに没入するために重要な役割を担っている。 何より、彼女は本作のヒロインであり、ゲームプレイの緊張感を和ませる癒やし要素でもある。 彼女は心から祖国の平和を願う純粋な少女というだけでなく、 同時に平和の在り方について真摯に考える思慮深さや、力強い意志も垣間見せる。
第三章の終盤、CIAによりパスは再び捕らえられてしまう。 CIAの中米支局長ホット・コールドマンは、 自身が開発した核兵器『ピースウォーカー』を引き連れ、パス共々隣国のニカラグアへと去る。 第四章にて、スネークは核発射の阻止とパスの救出のため、 ニカラグア湖・湖畔の南東に位置する米軍ミサイル基地へと潜入する。 スネークらは当初、CIAが平和歩行計画を妨害する KGBの動きをパスから聞き出すために連れ去ったと予測していたが、実はCIAは裏でKGBと協力関係を結んでいたことが判明。 更に状況は転がり、基地の司令室に姿を現したKGBのガルベス(=ザドルノフ)はCIAへの裏切りを宣言。 彼はもとから『平和歩行計画』について把握しており、中央アメリカでの反米感情増幅のため利用していたのだった。 しかし、やがてザドルノフ率いるソ連の兵士たちは、 現地でスネークと協力関係を築いていたアマンダ率いるニカラグアの反政府ゲリラによって制圧され、事態は収束。 パスは、追って基地に到着したMSFによって保護される。 その後、コールドマンの死に際の行動によって キューバへの核攻撃を敢行しようとしたピースウォーカーと、 それを阻止しようとするスネークの闘いをMSFの軍用ヘリから見守った。 やがてピースウォーカーが自らをニカラグア湖へと沈め 核戦争の危機から世界が救われたことを見届けると、一時MSFのマザーベースへと導かれる。
正体が明らかとなったザドルノフはMSFに捕らえられ、 もともと身寄りのないパスは、ザドルノフ経由でKGBから出ていた”奨学金”も断たれたことから 学校の寄宿舎に続けて住むことができなくなってしまう。 また、自身の恩師(ガルベス)の正体を知ったことで傷心している様子でもあった。 そこで第四章クリア後、ミラーの提案でしばらくの間 MSFのマザーベースで生活することになる。 本人も乗り気で、何かしら組織の役に立ちたいと話す。 ちなみにそれに伴って、ゲームシステム上もマザーベーススタッフとして追加され、 また彼女と海辺でデートする特別ミッションが遊べるようになる (『マザーベーススタッフ』、『パスとデート』の項目を参照)。
しかし、平和の使者”パス・オルテガ・アンドラーデ”は、彼女の偽りの姿であった。 第五章のシナリオを進めると、章の終盤においてプレイヤーはその真実と向き合うことになる。 パスはMSFが開発していたAI兵器『メタルギアZEKE』を 自らの手で有人型に改造しており、それに乗り込んでマザーベースの甲板にてビッグボスと対峙。 第五章ではザドルノフが度々逃げ出し彼を連れ戻すミッションが発生するのだが、 これもZEKEを改造する時間を稼ぐための陽動としてパスが引き起こしていたものであった。 パスは自らの主(あるじ)として『サイファー(CIPHER)』という存在の名前を挙げ、 自らを”パシフィカ・オーシャン(Pacifica Ocean)”と名乗る。 ”パス・オルテガ・アンドラーデ”という名前、立場はサイファーの計画のために与えられた偽りのものであり、 また彼女は裏でKGBやCIAとも繋がっており、三重スパイ(トリプルクロス)として暗躍する人物であった。 彼女曰く”サイファー”は、やがて冷戦が終結し明確な敵がいなくなる世の中を 電子ネットワークによって覆い尽くし、人々の無意識を統治する存在であるという。 パスは、サイファーによるこの”国境なき統治世界”が完成するまでの間、 その抑止力として国境なき軍隊はその管理下に置かれるべきだと話す。 そう語る彼女の言動・仕草は、”平和の使者”と呼ばれたパスの姿とは遠くかけ離れたものであった。 ちなみに、彼女の諜報スキルがAなのもこれの伏線だと思われる。
”Cipher(サイファー)”には ”零(ゼロ)”という意味も含まれることから、 それがかつてビッグボスの上官であったCIAのゼロ少佐を指す言葉か、 あるいは前作『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』で ゼロを中心に創設されたと明かされた闇の組織『愛国者達』の前身であることが示唆された。 ビッグボス自身もこの時点で既にゼロによる組織結成への参加と、 彼との決別を経た後であったため、これがゼロによる差し金、交渉であるという考えに及んでいたと思われる。 その上でビッグボスは、パスの要求を退ける。
交渉が決裂すると、パスはメタルギアZEKEによる合衆国東海岸への核攻撃の敢行を宣言。 これは国家に帰属しない武装集団であるMSFが核を見境なく撃とうとする危険な存在であると世間に知らしめ、 新たなカルト集団を誕生させないための国際情勢、いわば抑止力を誕生させることが目的であると語った。 これについてパスは『私のシナリオ』と発言しているため、ゼロの代弁だけではない個人的な考えも含んでいた可能性がある。 また、彼女はビッグボスに突きつけたこの陰謀を『本来のピースウォーカー計画』としており、 今回の事件でKGBやCIAとの対立によりMSFが成長したことも、 その軍事力を配下に置くためのサイファー(=ゼロ)の策略であった可能性が暗示された。 やがて、核攻撃を阻止するためにプレイヤー=ビッグボスは パスの駆るZEKEとボス戦を繰り広げることになる。 ZEKEを破壊するとパスは海へと転落し、消息不明となる。
第五章をクリアすると、ブリーフィングファイルに『パスの日記』が追加され、 彼女がMSFのマザーベースに潜入していた時期の出来事についての音声記録を聞くことができる。 記録の中ではMSFの人々の生き方について否定し度々毒づいているのだが、 マザーベースでの日々を重ねるうちに彼女の心境に変化が表れていることが分かる。 彼女は”パス”という人間を演じる上で”平和”という言葉の意味について机上での知識を持ってはいたが、 家族のような信頼関係を築いているマザーベースの人々の共同生活の様子を観察、自らもその渦中に身を置く中で 自分の経験として生まれて初めて、平和がどんな状態であるのかを実感しているようであった。 仲間たちに誘われて参加した釣りやサッカーにおいては、気づけば真剣に熱中していた様子も語られている。 生活をともにしていたビッグボスやミラー、 アマンダ、セシール、 ストレンジラブ、ヒューイたちとも上辺だけとは言え深く交流しており、 またマザーベースでの生活について、『私の人生で最も平和な時だったのかもしれない』とも発言している。 しかしその反面、本当の自分を打ち明けられないことから強く孤独感を感じていたようである。 また、雇い主のサイファーについて、逆らうことは死よりも恐ろしいと語る。 孤児であった自分に居場所を与えてくれた恩義も感じているようだが、 自分の人生について『ろくでもない人生』と自嘲気味に語っていることから、 心の底からサイファーや自分の生き方について肯定はしていないようであった。 これらを踏まえると、後のビッグボスとの決闘においては 自らの役割を貫くため本心は隠し仮面を被っていただろうことが推測される。
また、同じく日記の中で、MSFにおいて『平和の日』と称し お祭りのような催しが行われることになったことも語られた。 ミラーの提案で、平和の日において”平和”にちなんだ名前の3人(ミラー、ザドルノフ、パス)で 『平和トリオ』なるバンドを組み演奏を披露することになる。パスはそのボーカルを務めることになった。 曲はミラーの作詞作曲した『恋の抑止力(Love Deterrence)』。 半ば強引に決められたことのようであるが、パス自身もあながち悪い気分ではなかったらしく 真剣に歌の練習もしており、平和の日を心待ちにしていたようであった。
しかし、平和の日が訪れることはなかった。 開催まで残り3日となったある日、 マザーベースにおけるサイファーとのもう一人の内通者により メタルギアZEKEの改造完了が漏れたことが原因で、 雇い主は彼女に計画の実行日を繰り上げるよう急かしてくる。 パスは平和の日より後に計画を伸ばすため、事故を装いながら自らの手でZEKEの破壊を試みるのだが、 その様子を同じくマザーベースで生活をともにしていた少年兵士チコに目撃されてしまう。 マザーベースで親交を深めていた影響か、怯えてその場を去る彼を殺害することもできなかった。 打つ手がなくなったパスは平和の日を諦め、ビッグボスとの決戦に挑むこととなった。 最後となるこの日記には、平和の日を迎えられなかった悔しさから彼女が涙を流し、嗚咽を漏らしている様子が記録されている。 ちなみに、後に分かることだがチコは誰にも言うつもりはなかった。 また、共に生活する中でチコはパスに密かな恋心を抱いており、 パスはそれに気づいていたが、自身の立場上応えることはしなかった。
舞台は1975年。 国境なき軍隊(MSF)の調査により、 パスはマザーベースでの戦いで海に転落したあとも生き残っていたことが判明する。 しかし、彼女はかつての雇い主サイファーから二重スパイの嫌疑をかけられ、 彼らに囚われ尋問を受けているという。 彼女が捕まっているのは、キューバの中にアメリカ軍が保有する収容基地、通称”ブラックサイト[注]”。 国内法も国際法も適用されないその場所での尋問は過酷を極めていると思われた。 さらに、パスに想いを寄せていた少年兵チコが 無謀にも単独でその施設へと乗り込み、同じく捕らえられてしまったという。
この時MSFはIAEAの”核査察”を控えており、 チコの口から自分たちが核兵器を保有している事実が漏れることが懸念された。 これを受けて、プレイヤーキャラクターであるMSFの統括者ビッグボス(=スネーク)は チコと、あわせてサイファーへの手がかりを入手するためパスを救出するミッションに挑むこととなる。 やがて基地に単身潜入したスネークが再会したパスは変わり果てた姿となっていた。 髪の毛は短く刈り上げられており、顔は痩せこけ、全身に激しい拷問の痕が見られた。 また、憔悴しているためか、あるいは薬物の影響か、彼女はずっと気を失っていた。 チコの救出にも成功したスネークは、 2人をヘリに乗せマザーベースへと帰還する。
しかしヘリでの道中、チコがパスのお腹に、 縫合されたばかりでまだ塞がっていない”V”字型の傷があることに気づく。 体内に爆弾が仕込まれたトラップ(人間爆弾)だと悟ったスネークは 同行した衛生兵(メディック)に摘出を命令する。 開腹しメディックの手がお腹に潜り込むと、パスは気を失いながらも激痛に悲鳴を上げ、激しく暴れた。 スネークらはパスの身体を必死に押さえ込み、 やがて無事、爆弾は摘出される[注]。 爆弾はスネークによって海へと投げ捨てられた。
やがてヘリはMSFのマザーベースへと到着するが、 基地は何者かの襲撃によって炎上し、崩壊を始めていた。 スネークらは副官であるカズヒラ・ミラーと数名の兵士をヘリに乗せると、 抵抗も虚しく海へと沈みゆくマザーベースを後にした。 これをサイファーの仕業だと悟ったミラーは横たわるパスに激昂。 すると、彼女は突然目を覚ますが混乱した様子であった。 体内の爆弾についてスネークは『摘出した』と伝えるが、 パスは『もう一つある』とつぶやくと、ヘリから飛び降りる。 やがて彼女の身体は空中で爆発、その爆風によってスネークらの乗るヘリは海へ墜落した。
本作で聴くことのできるカセットテープ『チコの記録(1~7)』にて、 パスが収容所に収容されている際の様子を音声記録からうかがい知ることができる。 彼女はサイファーの構成員であるスカルフェイスから尋問を受けており、 音声記録を聞く限りでもその様子は非常にむごたらしいものである。 その中では、繰り返し性的な暴行も受けていたことが示唆されている。 『チコの記録7』においては、体内に爆弾が仕込まれる様子が記録されており、 爆弾の場所を確保するため”要らない臓器”は取り除かれたと語られ、 また”もうひとつの爆弾”は”絶対に見つからない場所”として、彼女の子宮に仕込まれていたことが暗示された。
スカルフェイスはサイファーの統括者である ゼロの意志に従わず、完全に独断で行動していた。 彼はMSFのマザーベースを襲撃し、ビッグボスをも殺害する計画を企てており、 パスへの尋問は彼女がマザーベースでの生活から得たMSFの内情を聞き出すことが目的であった。 マザーベースでの生活を経てパスの心にビッグボスらに対するどのような私情が芽生えていたのかは計り知れないが、 過酷な拷問にも関わらず彼女は口を割らず抵抗し続けた。 彼女をだしに使われることで情報を暴露させられそうなチコのことも必死に制止している。 また、スカルフェイスの巧みな話術によって ゼロとビッグボスの命を天秤にかけるような選択を迫られた際にも、 彼女はビッグボスの命を選択し、 ゼロの居所についてスカルフェイスに暴露している。 何より、彼女が死に際に自らの身を海へと投げたことも、 ビッグボスの命を救う以外に理由は見つからない。
同じく音声記録にて、当初はチコに対して冷たい態度を取っていたが、 それはそれはチコがパスを守ろうとする気持ちを スカルフェイスに利用されるのを危惧してのことだった。 『チコの記録7』のラストにおいては チコが寝ている間にパスが彼に向けて遺した、本心からの最期のメッセージが記録されている。 彼女は『チコの記録5』まで口を割っていないが、 『チコの記録6』を聴く限り、 恐らくだが、スカルフェイスからチコを人質として利用されることで MSFの内情についてついに暴露している。 チコが数日間、檻に一緒にいてくれたことで孤独が紛れたとも話し、 助けに来てくれたことに対する感謝の気持ちを明かしている。 また、チコを守るために自身が取った行動について、 彼女は人生で初めてサイファー以外のために尽力した人助けだと語った。
また、本作にはカセットテープ『マザーベース調査記録:パスによるBIGBOSSの諜報』が収録されており、 これにはMGSPWの『パスの日記』で語られたマザーベースに暮らすようになるより以前、 ザドルノフとともに初めてビッグボスに接触した時からの 任務記録が録音されている(『パスの日記』も本作に再収録されている)。 これはゼロに向けて進捗を報告するためのものであると思われるが、 内容は同作のシナリオをパスの視点から要約したようなもので、 ビッグボスやカズヒラ・ミラーの人物像、 核兵器を持つに至ったMSFの内情などについて語られている。 また、トラック『通信記録』1~2において、 『メタルギアZEKE』を強奪してビッグボスと対峙することは 当初からの計画ではなく、雇い主による方針変更であったことが示唆された。
舞台は1984年。 9年の昏睡から復活を遂げたビッグボスは、復讐の鬼”ヴェノム・スネーク”となり、 新たな武装集団『ダイアモンド・ドッグズ』を指揮、 かつて自分たちの軍隊を滅ぼしたスカルフェイスと激しい抗争を繰り広げる。
本作で、SIDE OPS『惨劇の生存者01』をクリアした上で ダイアモンド・ドッグズのマザーベースに存在する ”医療プラットフォーム”のとある病室を訪れると、 死んだと思われていたパスと再会するイベントが発生する。 彼女はMGSPWの頃のように髪の毛が綺麗に伸び、 またお腹のV字型の傷以外、かつての拷問の痕跡も見られなかった。 そこに仲間であるオセロット、カズヒラ・ミラーが現れると、 彼らは9年前、『爆弾は二つとも摘出した』と説明し、回想シーンが流れ始める。
その回想での出来事はMGSV:GZで描かれたものと異なり、 彼女の身体に仕込まれた”もうひとつの爆弾”は摘出され、 ヘリの墜落はスカルフェイス率いる『XOF』部隊の 攻撃によるものだったとされた。 パスが爆弾により死亡したことは、 昏睡の影響からか、スネークの記憶の食い違いにより生まれた幻であった。 しかし、彼女は、かつて『国境なき軍隊(MSF)』と初めて接触したときと同じく まるで1974年に生きる10代の女子学生のように振る舞う。 ミラー、オセロットによると 彼女は9年前の事件のショックで、自分を守るために記憶を封じる”解離性健忘”や 人格すら変わってしまう”解離性同一性障害”に近しい障害を患っており、 かつては偽りの人格であった平和の使者、”パス・オルテガ・アンドラーデ”と矛盾する記憶を亡くしているとされた。
引き続き『惨劇の生存者』シリーズをクリアしていくことでかつてのMSFに纏わる写真を入手できる。 その写真をパスのところへ持っていくと、彼女は思い出したようにマザーベースで生活していた頃を振り返る。 ミッションで入手できる写真は以下の10枚。
彼女の話はMGSPWの『パスの日記』で語られたものに沿う部分もあるが ところどころ現実と食い違っており、また彼女の記憶の中では、 結局迎えることができなかった『平和の日』のイベントも無事に迎えることができたことになっている。 脳が現実との矛盾を吸収できなくなるためか、毎度彼女は話し終えると頭痛を訴えて寝込んでしまうのだった。 イベントを進めるに連れて、その記憶の混乱はエスカレートしていく。 また、イベントを進める中で、カセットテープ『続・パスの日記』シリーズが順に入手できる。 その中では、”平和の使者”たる彼女が、まるで1974年当時にマザーベースでの生活を楽しんでいた際の日記のような音声が記録されている。
10枚すべての写真を渡し終えた後に病室を訪れると、パスが落とした本を拾ってあげるイベントが発生する。 その後、病室を出ると廊下の壁に最後の写真『モルフォ蝶』が貼られており、入手できる。 それを持って病室に戻ると、再びイベントが発生。 パスは苦しみながらお腹の傷を自ら引き裂き、かつて摘出したものと同じような爆弾を取り出す[注]。 するとその爆弾が爆発したかのような演出とともに、画面はブラックアウト。 スネークはいつの間にか気を失っており、 目を覚ますと彼は、医療プラットフォームの建設中と思われる鉄柵の上に横たわっていた。 壁には平和のマークと”PEACE!!”の文字。 はためく一匹のモルフォ蝶をスネークが左腕の義手で掴むと、その蝶は消失した。
パスは、9年前の事件を生き延びてなどいなかった。 彼女はやはり死亡しており、病室で起きていた出来事こそ、ヴェノム・スネークの見た幻(ファントム)だったのである。 スネークが横たわっていたのは病室があったはずの場所であり、実際には病室も存在していなかった。 カセットテープ『続・パスの日記・5』において真相が語られる。 記録におけるパスは、例えかりそめの”平和”でもかつてのMSFでの生活は幸せであったと話すが、 その気持ちはもはや、彼女にそう思っていてほしいと、スネーク=プレイヤーが望んでいるだけの幻であると語った。 このテープの在り方について言及するのも野暮であるが、もちろん生前のパス自身によって記録されたものではない。 しかしそれでもテープのパスはその人格の”存在”を主張しており、 自らの正体をプレイヤーの失われた心の一部、”幻肢”だと表現した。 そして、彼女はプレイヤーの心の中で、永遠に”平和の使者”であり続けると語った。 ちなみに、本作の序盤でヴェノム・スネークの身体には 9年前の事件によって人の歯や骨が多量に埋め込まれていると語られるが、これはパスのものであると思われ、 肉体的にも精神的にも、彼女の幻影はヴェノム・スネークの中で生き続けることとなった。
本作のラストで明らかとなるヴェノム・スネークの正体を考えると、 彼はまさにプレイヤーの分身とも言える存在であり、 先述のような演出は、パスが、MGSPW、MGSV:GZをプレイした プレイヤー自身の心に、その喪失感と共に生まれた幻影として描かれるための仕掛けになっている。 実際、テープの中で彼女が語りかける相手を”スネーク”と呼ぶことはない。
また、本作でEpisode46をクリアすることで開放されるカセットテープ『真実の記録』では 生前のパスの会話が記録された音声を聴くことができる。 トラック『パスとゼロの盗聴』では、 MGSPWにおけるMSFへの潜入に挑むよりも前、 サイファーの統括者であるゼロから そのエージェントとして任命される際の会話を聴くことができる。 彼女は彼を”サイファー”と呼び、敬意を示している様子である。 またゼロ曰く、 彼女は”パス・オルテガ・アンドラーデ”を演じるために準備を怠っておらず、 ほのかに日焼けした肌など、中米で生まれ育った過去を感じさせる風貌を身にまとっていたとされる。 また、トラック『パスの証言:ゼロの居場所』では MGSV:GZで彼女がスカルフェイスに暴露していたとされる ゼロの居所に関する話の全貌を聴くことができる。
1950年前後[注]に 中央アメリカのとある国[注]で生誕。 MGSPWの『パスの日記』”その3”によると 何らかの経緯で、物心がつく前に親から引き離され、アメリカ合衆国内で育てられたという。 また、同じく『パスの日記』”その7”にて、 孤児であった彼女は、米国の非政府諜報機関『サイファー』によって保護され 住む場所と食料を与えられたと語られている。 サイファーは1970年に発足したため、 この出来事の時点でパスは既に10代後半~20代前半であると思われる。 先の事実と合わせると、幼い頃に米国に移住してからも長く孤児であり、満足な生活を送れていなかったことになる。 こういった経歴について詳細は語られないが、 MGSV:TPPのカセットテープ『真実の記録』のトラック『パスとゼロの盗聴』における ゼロの話を聴く限り、 彼女は過酷な訓練に身を投じ、飢えに耐えながら十分な睡眠も取れず、”ドブネズミのような生活”を送っていたとされる (ただしこれがサイファーの管理下に置かれてからのことかどうかは明言されていない)。
やがて彼女は、米国・ニューヨークのマンハッタン区ヘルズキッチンのとあるアパートにて、 サイファーの統括者であるゼロと直接対面、 彼からビッグボス率いる『国境なき軍隊(MSF)』への諜報任務のエージェントに任命される。 『パスとゼロの盗聴』によると、この役割は他にも複数名いた候補生との”競争”によって勝ち取ったものであることが示唆され、 またその選抜に当たって、彼女は偽りの人格を構築、演じるための準備期間を経たとされる。 ちなみに、彼女が諜報員・戦闘員として訓練された期間は、長く見積もっても1970年~1974年の4年間となる。
1974年(MGSPW)、彼女はMSFの内情の監視、規模拡大の推進、そしてやがてその軍事力をゼロの管理下に置く計画の実働員として、 コスタリカの平和を願う10代の少女”パス・オルテガ・アンドラーデ”を演じ、同年11月4日、ビッグボスに接触。 この時期、彼女は三重スパイ(トリプルクロス)として暗躍しており、 ソ連・KGBのザドルノフと協力関係を結び、 またCIAとも内通することで彼らの『平和歩行計画』の内容を把握、利用していたとされる。 しかし、やがてビッグボスに自らの正体を打ち明け対立すると、 彼女は戦いに敗れて海に転落、消息を絶つ。
カリブ海洋上を漂流していた彼女はベリーズの漁師に救助されるが、 間もなく、サイファーの構成員でありながら 独断で行動するスカルフェイスと彼の率いる特殊部隊『XOF』に身柄を拘束され、 キューバ内の米軍基地[注]にて尋問を受ける。 やがて、1975年の3月(MGSV:GZ)、基地へと単身潜入したビッグボスに救助される。 しかし、パスは体内に爆弾を仕込まれ、ビッグボスを殺害するためのトラップとして利用されていた。 彼女はビッグボスらの命を救うため MSFのヘリから海へと自らの身体を投じ、空中で爆発による死を遂げた。 命日は事件の発生した3月16日となる。
MGSPWにおいて 彼女は偽りの人格”パス・オルテガ・アンドラーデ”を演じていた。 作中で語られたその人物像は以下の通りである。
『メタルギアソリッド3 スネークイーター(2004年発売)』において、 伝説の兵士ザ・ボスは『スパイが自分を偽り続けると侵食され、自分を見失う』といった旨の発言をしている。 MGSPWの『パスの日記』から伺える彼女の心境の変化を考えると、 国境なき軍隊の仲間たちからの影響だけでなく、 彼女自身、平和の使者”パス・オルテガ・アンドラーデ”から少なからず影響を受けていたのかもしれない。
MGSPWにて 国境なき軍隊の『平和の日』のイベントで パスが歌うはずだった曲『恋の抑止力』は 実際にも彼女のキャラクターソングとして制作されており、 同作での彼女が操る『メタルギアZEKE』とのボス戦では この楽曲が挿入歌として使用されている。ボーカルは日本語版声優の水樹奈々氏。同楽曲のPV(プロモーションビデオ)も存在する[注]。 パスはこの曲について、MGSPWの『パスの日記』”その10”で 『感情を素直に表現できない女の子の、切ないラブソング』と評している。
実際にミラーたちが作った曲の歌詞は恐らく英語であると思われるが、 英語版の楽曲は制作されていない。 同作の英語版ソフトでもZEKE戦では 水樹奈々氏による『恋の抑止力』が流れる演出になっている。 英語圏ではこの曲のタイトルの訳としては主に”Love Deterrence”が用いられる。 しかし、英語版ソフトにおける台詞では”Love Deterrent”とされている。
ちなみに、どこまで実際の出来事に沿っているのかは分からないが、 MGSV:TPPのカセットテープ『続・パスの日記』においては ミラーが作ったオリジナルのメロディは、ギターのコードと全然合っておらず、 ほとんどガルベス(=ザドルノフ)が 作り直したと語られ、また歌詞に関してはパスが自分で書いたとされている。
MGSPWの内容からは”パシフィカ・オーシャン(Pacifica Ocean)”を 彼女の本名と解釈することもできるが、MGSV:TPPのカセットテープ『真実の記録』 のトラック『パスとゼロの盗聴』において、 突然彼女を”パシフィカ・オーシャン”と呼ぶゼロに対しパスは困惑している。 これに対してゼロが『もう始めているんだね』と返していることから、 彼女が”パス・オルテガ・アンドラーデ”という人格を自己暗示等によって演じていることによる反応とも推測できる。 しかし、MGSPWの『パスの日記』や MGSV:GZの『マザーベース調査記録:パスによるBIGBOSSの諜報』を聴く限り、 彼女は終始自身の本性について自覚していた様子であったため、 ”パシフィカ・オーシャン”もゼロにより与えられた 暗号名(コードネーム)であるという可能性は否定できない。
喫煙者である。 普段はどんな煙草を吸っているのかは不明だが、 MGSPWにおいては10代の学生という身分が偽りであると悟られないようにするため、 人前では吸っていることがバレにくい”嗅ぎタバコ”を使用し、喫煙者であることを隠していた。 同作の第五章でビッグボスに正体を明かした際には、 長い間、嗅ぎタバコをコソコソ使用していたことに嫌気が差していた様子を見せていた。
ちなみにMGSPWの第五章のデモシーンでは口から小さな袋のようなものを吐き出しており、 これはタバコ葉入りの小さな袋を上唇と歯茎の間に挟んで使用するタイプの嗅ぎタバコであると思われる。 また、同作の序盤でガルベス(=ザドルノフ)と共に 国境なき軍隊に接触した際のデモシーンにおいて 彼女は鼻に手を当てて深く呼吸するような動作をしている。 これもこっそり嗅ぎタバコを使用しているシーンであると思われるが、 その仕草から、粉末状のタバコ葉を直接鼻から吸引するタイプも使用していた可能性がある。
MGSPWの『パスの日記』において、 彼女が国境なき軍隊(MSF)のマザーベースで生活している間に 子猫と交流していた様子が語られている。 その猫はMSFの兵士たちにより保護されていたようだが、 彼らに名前を付けるように促され、パスは”ニューク(Nuke)”と名付けた。 当初はあくまで女子学生を演じる上で兵士たちに合わせていただけのようであったが、 記録を聴くと時折ニュークを観察、交流していたようであり、もともと動物は嫌いじゃないのかもしれない。 風邪で倒れたときには、周りに偽りの自分しか見せられず孤独感を感じている様子が伺えるが、 ニュークと触れ合うことでそのつらさを紛らわせていたようである。 何も語らずそばに居てくれるニュークは、ある意味一番の理解者であったのかもしれない。
MGSPWで第四章までクリアすると パスがマザーベーススタッフとして追加され、使用できるようになる。 肩書は『女子高生』。 ミッションへの出撃は不可。ステータスは以下の通り。
LIFE | 3000 |
MNTL | 7000 |
GMP+ | 4500 |
実戦 | - |
研究 | D |
糧食 | A |
医療 | B |
諜報 | A |
射撃 | - |
リロード | - |
投擲 | - |
設置 | - |
歩き | - |
走り | - |
格闘 | - |
防御 | - |
スキル | |
家庭料理 |
【マザーベース効果】
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また、パスのステータス画面から『モデルビューア』モードでパスの3Dモデルを鑑賞できる。 さらに、EXTRA OPS:067『パスとデート』でSランクを取ると その3Dモデルが水着姿になる(もう一度Sランク以外を取ると元に戻る)。
MGSPWで第四章までクリアすると、 パスとコスタリカの海岸でデートできるEXTRA OPS:067『パスとデート』が解放される。 無線コマンドによる台詞を使用すると彼女から様々なリアクションがあり、それにより好感度が上下する。 好感度を下げすぎるとパスが怒って帰ってしまいゲームオーバーとなる。 パスの前でラブダンボールを装備すると彼女も中に入ってきてクリアとなるのだが、その際の好感度によってクリアのランクが決まる。 CQCコマンドで胸にタッチすると殴られる、 ユニフォーム『ネイキッド』『海パン』でミッションに挑むと引かれて逃げられる、などといった様々なネタ要素が盛り込まれている。 カメラを装備し構えると彼女がポーズを取ってくれる仕掛けもあり、写真撮影が楽しめる。 また、Sランクでクリアすると次に同ミッションに挑んだ時パスが水着姿となる (もう一度Sランク以外を取ると元に戻る)。
本作には登場するファイター(プレイヤーキャラクター)に関連するキャラクターのイラストを収集し、 それをファイターを強化するためのアイテムとして使用できる『スピリッツ』というシステムがあるのだが、 そのスピリッツのひとつとしてMGSPWより”パス・オルテガ・アンドラーデ”が登場。 パスのスピリッツは『サポーター』タイプで、その効果は『ボムへい持ち込み』である。 要するに爆弾をステージに持ち込める効果なのだが、 これはMGSV:GZにて彼女の身に降り掛かった悲劇を暗示するブラックユーモアなのではないかと ファンの間で話題となった。 ちなみにスピリッツについて、公式では『身体を失い、思念体となったキャラクター』と説明されている。 また、メタルギアシリーズからはファイターとして”スネーク”が参戦している。
MGSPWのカセットテープ『パスの日記』の”その2”にて 『10代でも学生でもない』と発言していることから少なくとも20歳以上(その他の場面でも繰り返し示唆している)。 また、同じく『パスの日記』の”その5”において 当時30代のストレンジラブを『10歳以上も年上の女性』としていることから パスは当時20代であると推測される。
MGSPWで彼女は偽りの人格を演じていたため コスタリカ出身であることが真実なのかは定かでないが、 同作のカセットテープ『パスの日記』の”その3”にて アマンダとともに、”ガジョピント”という料理の作り方を セシールにレクチャーする場面において、 ガジョピントを『中米一帯でよく知られている料理』とした上で 物心がついてから合衆国で育てられたため母のガジョピントを思い出せないと語っているため、 少なくとも中央アメリカのいずれかの国の出身であることが推測される。
MGSPWで彼女の名前”パス(Paz)”が”平和”を意味するという話題になった時、 ”ラ・パス”という表現が使われる。 この”ラ(La)”はスペイン語の冠詞であるが、同作の英語版においては この表現は使われず、単に”Paz”とだけ表記、発音される (日本語版でもデモシーンの吹き出しで確認できる)。
スペイン語ではその名詞が人間の女性、男性を表す場合に限らず、 すべての名詞について”女性名詞”、”男性名詞”という呼び方の分類が存在する。 ”Paz”という名詞は女性名詞であることから、女性代名詞の一つである”La”が使用される。 ちなみに、”La Paz”はボリビアの都市の名前としても使用されている。
私生児(バスタード/bastard)は一般的に、 正式に夫婦関係を結んでいない男女の間に誕生し 父親が誰なのか分からないような子供のことを指す。 日本語では他に”非嫡出子”などとも表現される。 ちなみに英語圏では、”bastard”は他者を軽蔑する俗語としても使われている。
MGSV:GZの舞台となる米軍基地”ブラックサイト”について、 現実にもキューバ東南部の”グアンタナモ湾”にアメリカ海軍が 通称『グアンタナモ米軍基地』と呼ばれる施設を保有している。 土地の扱いについては、キューバから米国に対する租借(そしゃく/貸し与える)という形が取られている。 2002年、基地内に収容キャンプが設けられ、米国を標的としたテロ行為の被疑者を収容していることから ”対テロの象徴”ともされる。
米国は収容者について、”戦争捕虜”ではなく”犯罪者”であることからジュネーヴ条約の適用外であり、 なおかつ基地が米国領土外であることからアメリカ合衆国憲法に基づく人権の保証の対象外だとした。 現地ではこれを理由とした非人道的な尋問等が行われていたと言われており、 国内・国外から非難を浴びた。 2009年に米政府は同収容所の閉鎖を宣言したが、 釈放者がテロに復帰している可能性がある等といった問題から難航し、 2019年現在も完遂に至っていない。
MGSV:GZにおける米軍基地についても、 カセットテープ『任務地 キューバ米軍基地について』で詳しく語られている。 メタルギアの世界では、1970年代には既に先述のようないわゆる”ブラックサイト化”が進行しているとされ、 そこにはサイファーの権力が及んでいることが示唆されている。