セルゲイ・ゴルルコビッチ(Сергей Гурлукович)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、 ソ連時代のロシア出身の軍人。元GRUの大佐。GRUの本部長、スペツナズの最高司令官を歴任した。 GRU時代にはリボルバー・オセロットの上官でもあった。 後に公式軍を離れて自らの私兵部隊を組織し、傭兵として世界を転戦した。 彼は大戦中のような強大なロシアを再建したいという野望を抱いており、 その切り札として、核搭載二足歩行戦車メタルギアを手中に収めようとしていた。
後に私兵部隊を引き継ぐ”オルガ・ゴルルコビッチ”は彼の実の娘であり、 彼女の娘である”サニー”は孫娘にあたる。
名前 | セルゲイ・ゴルルコビッチ (Сергей Гурлукович/英:Sergei Gurlukovich) |
性別 | 男性 |
出身地 | ロシア チェリャビンスク州 スネジンスク(ソ連時代:チェリャビンスク70) |
所属組織 |
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主な登場作品 | |
声優 | 阪脩 |
声優(英語版) | アール・ボーエン |
モーションキャプチャ | 不明[注] |
舞台は2005年。本人の登場はないが、 FOXHOUND隊員”リボルバー・オセロット”のGRU(スペツナズ)時代の上官として ”セルゲイ・ゴルルコビッチ大佐”の名前が挙がる。 オセロットによると、彼はかつてGRUの本部長とスペツナズの最高司令官を歴任した実力者であるとされる。 本作で描かれる『シャドーモセス島事件』において、 リキッド・スネーク率いるテロリスト集団『ビッグボスの息子達』はゴルルコビッチと裏で取引を行っていた。 ゴルルコビッチはテロリストらが手にした核兵器『メタルギアREX』と新型核弾頭を彼らから購入し、 ロシアがかつてのような軍事的優位を取り戻すための切り札にしようとしていた。 彼は前金としてテロリストらに多くのロシア製の重火器を提供しており、 本作でプレイヤー=ソリッド・スネークが対決することになる軍用ヘリ『ハインドD』もその一つであった。 また、テロリストらには千人を超えるとされるゴルルコビッチの私兵部隊と合流し戦力の増強する目的もあったとされる。 ゴルルコビッチはメタルギアの性能に確信を持つため、 その試射を確認した後に合流したいという意向を示しており、用心深さを見せた。 ちなみにリキッドは、弱体化した通常戦力を核兵器で補おうとするゴルルコビッチについて 『戦士ではなく政治屋』であると非難していた。
実はリキッドは、ロシア再建のためにメタルギアを使わせるつもりなどなかった。 彼は自らの野望(アウターヘブン実現)のために、ゴルルコビッチから軍資金と軍事力を一方的に手に入れる腹づもりだったのだ。 彼はオセロットとの会話の中でゴルルコビッチとの”約束”を破る意志を見せているが、 メタルギアの運用について具体的にどのような交渉が行われていたのかは不明。 だがいずれにせよ、結局彼らが合流することもなく、米・国防総省が送り込んだエージェントであるソリッド・スネークにより 事態は鎮圧され、ゴルルコビッチの計画も潰えることとなった。
序章である『タンカー編』に登場。舞台は2007年、後に『タンカー沈没事件』と呼ばれる事件が描かれる。 MGS1でも語られたように、かねてからロシア再建の野望を共有していた戦友”リボルバー・オセロット”と行動を共にしており、 その切り札として米海兵隊により開発された対メタルギア用兵器『メタルギアRAY』を強奪すべく ハドソン湾を航行中の偽装タンカーへ潜入する。 自らの私兵部隊を操りタンカーを占拠したゴルルコビッチは、 メタルギア輸送を指揮していた海兵隊司令官”スコット・ドルフ”に対し自らの心中を打ち明ける。 彼がかつて育ったロシアの核閉鎖都市『スネジンスク(ソ連時代:チェリャビンスク70)』は ソ連崩壊後にその都市機能が米国資本として買収され、このことからゴルルコビッチは強い反米感情を抱いていた。 また、メタルギアのような兵器は自分たちロシア人が生み出した技術の流用であるとも語り、 メタルギアRAYによってかつての強いロシアを取り戻すという意志を示した。
しかし、実際にはオセロットはロシアの再建など目指しておらず、 ゴルルコビッチとの協力関係はソ連時代から表向きだけであったことを告白する。 彼の裏切りを悟ったゴルルコビッチはオセロットに銃を向けるが、 先にオセロットの放った銃弾がゴルルコビッチの身体を貫いた。 やがてオセロットはメタルギアRAYへと搭乗し姿を消す。 ゴルルコビッチはタンカーの沈没とともに海へ沈み、野望半ばにその生涯を終えた。 命日は事件が発生した8月8日となる。
ちなみに本作ではタンカー編から彼の娘である”オルガ・ゴルルコビッチ”も登場しており、 父セルゲイは終始、お腹に赤ん坊(=サニー)を抱えるオルガの身を案じる様子を見せ、 死に際にも彼は娘の名前を呟いていた。 オルガも私兵部隊に属する兵士であり、セルゲイは彼女が部隊を離れて生活することを望んでいたが、 本編である『プラント編』においては父に代わって部隊を統率するリーダーとして登場している。 だが彼女は『親父は死んだ。世の中も変わった』として、自らが家族と称する部隊の隊員たちを 父の遺志”ロシア再建”から解放する意志を見せた。