OUTER HEAVEN。 かつて20世紀史上最強の兵士ビッグボスが どこの国家にも属さずフリーの兵士として活動をする中で提唱した兵士たちにとっての楽園。 「戦士が唯一、生の充足を得られる世界」。天国の外側。 ビッグボスは兵士たちが何者にも管理されず 絶え間ない戦争の中で生き続けられる世界の実現を望んだ。 その意志に共鳴し、また彼の軍人としての圧倒的なカリスマに惹きつけられ、多くの兵士がその傘下に入った。
他にもいくつかの形でアウターヘブンという名称は使用されるが、このビッグボスの思想が すべての根源になっている。
1980年代後半にビッグボスが 南アフリカ奥地にて設立した傭兵派遣会社。 先述したビッグボスの思想としての「アウターヘブン」を実現するための 拠点とするべく、組織の名前としてもこの名前が使用された。 傭兵派遣会社アウターヘブンには世界各地から優秀な兵士たちが集まった。 1970年代~1980年代にかけてビッグボスが指揮した私兵軍隊 『国境なき軍隊(MSF)』や『ダイアモンド・ドッグズ』は アウターヘブンの前身である。
1995年、ビッグボスは核搭載二足歩行兵器「メタルギア」を開発して アウターヘブンを武装要塞国家に変貌させ、世界を敵に回したテロを起こす。 これが後に言う「アウターヘブン蜂起」である。 このテロ事件に対してCIA(愛国者達)は策略を練り、 ビッグボスのクローンであるソリッド・スネークがアウターヘブンに 差し向けられるよう手回しをする。(詳しくはアウターヘブン蜂起を参照)。 結果、ソリッド・スネークの手によってテロは鎮圧され、同時にこれが傭兵派遣会社「アウターヘブン」の終焉となった。
4年後の1999年にもビッグボスはメタルギアを使ったテロを起こす(ザンジバーランド騒乱)。 この時の武装要塞国家の設立も、ある意味ではアウターヘブンの再建であると言える。
1999年のザンジバーランド騒乱でビッグボスが死亡してからも アウターヘブンという彼の思想は生き続けた。その遺志を引き継ぐ者が現れたためである。 それがビッグボスのクローンであるリキッド・スネークとソリダス・スネークである。
リキッドは2005年に起こしたテロ(シャドーモセス島事件)の際、 シャドーモセス島に建設されていたアームズ・テック社の基地を乗っ取り、メタルギアREXと数えきれないほどの 核弾頭を抱え込み、そこに武装要塞国家「アウターヘブン」を築こうとした。 リキッドは自分がビッグボスを再現しただけの存在であることを呪っていたため、 ビッグボスでさえ成し遂げられなかった思想の実現を成し遂げることで自分の遺伝子を乗り越えようとした。
ソリダスは2009年に起こしたテロ(ビッグシェル占拠事件)の際、 愛国者達の支配を断ち切った解放区の創造を計画し、それを「アウターヘブン」と呼んだ。 これも愛国者達の支配から逃れるためにテロを起こしたビッグボスの行動を引き継いでいると言える。
そして2014年。ビッグボスの遺志、兵士たちの楽園「アウターヘブン」はついに現実のものとなる。 リキッドの意志を受け継いだリキッド・オセロットの 計画により愛国者達の管理体制が世界から消滅し、兵士たちは何者にも管理されない戦場に解き放たれた (詳しくはガンズ・オブ・ザ・パトリオットを参照)。
リキッド・オセロットが2010年代初頭に統括した、 大手PMC5社を束ねるマザーカンパニーの名前としても「アウターヘブン」が用いられた。 これには、ガンズ・オブ・ザ・パトリオットに至るためのステップであるという意味が含まれている。