2007年にアメリカ海兵隊の手によって開発された対メタルギア用メタルギア(二足歩行戦車)。 2005年のシャドーモセス島事件以降、 世界中でメタルギアの亜種が誕生するようになったため、 毒を持って毒を制す、という考え方からこのメタルギアRAYが開発された。 そのためRAYには核弾頭発射機構が備わっていない。ただし通常兵器としてミサイル、水圧カッター、機銃が装備されており、 またメタルギアREXと同じく複合装甲が採用されているため、戦闘能力が非常に高い。
メタルギアRAYの最大の特徴は、海兵隊の所属ゆえ「水陸両用」に設計されているという点である。 水中を泳ぐことができる二足歩行戦車メタルギアは確認されているものではこのRAYのみであり、 他のメタルギアと違ってとても流線的なスタイルをしている。 泳ぐ速度は非常に早く、海面から飛び出す際には数十メートルも跳躍することができる。 さらには脚部を含む駆動系がモーターではなく人工筋肉技術を使ったアクチュエータを利用しており、 しなやかな駆動が可能になっている。 またその脚力も非常に強力なため平地から上空への跳躍も数十メートルに達する。 これらのことから、RAYは歴代トップクラスの機動性を持ったメタルギアだと言える。
2007年に偽装タンカーによって海兵隊がメタルギアRAYを輸送していたところ、 船を乗っ取ったリボルバー・オセロットによってRAYは強奪される (マンハッタン沖タンカー沈没事件)。 そもそもメタルギアの亜種が世界中で誕生する原因を作ったのがオセロットであり、 彼が従っていた愛国者達が優秀なメタルギアを何者かの手で開発させるための策略だった。 そのためオセロットはRAYを強奪する際、「返してもらう」と発言した。
この2007年の事件のあと、メタルギアRAYは愛国者達の手によって「無人兵器」として再設計され、量産体制が整えられた。 この無人型はAI(人工知能)による高度な状況判断と自立制御が行われるため、有人型でバランスを取るためにつけられていた 背面の尻尾のような部分は短く設計されている。これにより有人型よりもさらに機動性が上がった。 先述した策略により愛国者達が"選別"したメタルギアがこのRAYであり、 以降の歴史においては多くの公式軍や民間軍事請負企業では「メタルギアの亜種」というよりも「メタルギアRAYの亜種」が 大量生産されて次々に普及していくことになる。
量産型メタルギアRAYが初めて使用されたのは、2007年~2009年に愛国者達が開発を行った 大型のメタルギア兵器「アーセナルギア」の護衛用兵器としてだった。 皮肉にも対メタルギア兵器として設計されたRAYはメタルギア護衛用に利用されたのだった。 また、2014年にリキッド・オセロットが創造した巨大戦艦「アウターヘイブン」 の護衛用としても特別仕様の量産型RAYが利用された。
2014年に、有人型のメタルギアRAYに乗り込んだリキッド・オセロットは ソリッド・スネークの操縦するメタルギアREXに戦いを挑んだが、 勝利したのは旧型であるはずのREXだった。