Javascriptに対応した環境でのみ閲覧が可能です。 スカルフェイス - 人物事典 - メタルギアコンベンション
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カルフェイス

最終更新日:2019-11-06
スカルフェイス
1984(MGSV:TPP)

スカルフェイス(Skull Face)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、ヨーロッパ・北トランシルヴァニア出身の軍人、諜報部員。 米国の非政府諜報機関『サイファー』の実働部隊『XOF』の指揮官を務める。 本名は不明。 長年、CIAに在籍したゼロの副官(XO[])として活動した。 かつて戦争で焼かれた顔はすでに人相を失っており、その外見は髑髏(ドクロ)を連想させる。

幼少期の経験から『自らの言語を押し付けて他人を支配する者』に対して強い憎しみと報復心を抱いている。 そのため彼は密かにゼロから独立して理想の世界を描く野望を抱き、 サイファー内部で様々な技術開発を推進、それらを自らの力とした。 ゼロビッグボスの対立に始まるサイファーの内部分裂において、 彼はその”影”を担う存在として描かれている。 日本語版の声優は土師孝也が務める。


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ロフィール

名前 スカルフェイス(Skull Face)
別名
  1. XO(エックス・オー)[]
  2. ビラガアナ(Bilagáana)
性別 男性
生年 1940年頃[]
出身地 北トランシルヴァニア[]
母語 ハンガリー語(セーケイ方言)
所属組織
  1. SAS
  2. サイファー
    1. XOF
主な登場作品
  1. METAL GEAR SOLID V GROUND ZEROES
  2. METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN
声優 土師孝也
声優(英語版) ジェームズ・ホラン(James Horan)
フェイシャルキャプチャ ジェームズ・ホラン(James Horan)
モーションキャプチャ ブレイク・クロフォード(Blake Crawford)

中での活躍

舞台は1975年。 前年に、伝説の兵士ビッグボス率いる組織『国境なき軍隊MSF)』に潜入した スパイ”パシフィカ・オーシャン(=パス・オルテガ・アンドラーデ)”は 雇い主である米国の非政府諜報機関『サイファー』に反逆の容疑をかけられ、 キューバの中に存在する米軍基地[]にて尋問を受けていた。 その尋問官を担当する人物として、同組織の構成員である”スカルフェイス(Skull Face)”が登場する。 彼はその通り名が示すように、顔の肉が焼け、まるで髑髏のような外見をしており、テロップでは”顔のない亡者”と紹介される。 また、彼は『XOF(エックス・オー・エフ)』なる謎の部隊を率いる。 その部隊章には、かつてビッグボスが所属した特殊部隊『FOX』の部隊章を鏡で反転したようなマークが描かれている。

本作のプレイヤーキャラクターであるスネーク(=ビッグボス)が彼と直接対面することはない。 今回ビッグボスが従事する米軍基地への潜入ミッションの裏では、 ビッグボスの殺害とMSFの壊滅を目論むスカルフェイスの陰謀が働いており、 シナリオのラストにおいてMSFのマザーベースは崩壊、ビッグボス自身もヘリの墜落により消息を絶つことになる。

カセットテープ『チコの記録(1~7)』には 米軍基地の収容所でパスが尋問を受ける様子が記録されており、 その様子からスカルフェイスの残虐性をうかがい知ることができる。 彼はパスから、 彼女がMSFのマザーベースに潜入することで得た組織の内情について聞き出そうとするのだが、 パスが口を割らないことから、音声を聴く限りでも尋問は過酷を極め、性的な暴行も行っていたことが示唆されている。 またスカルフェイスは、ビッグボスに先んじて単身パスの救助に乗り込んだ 少年兵士チコを捕らえ、彼をパスから情報を聞き出すための脅迫の材料として利用している。 音声の中には、パスへの尋問や性的暴行に チコを無理やり加担させることを暗示するようなものも含まれる。 さらに、ビッグボスを殺害するためのトラップとしてパスを”人間爆弾”に仕立て上げている。 『チコの記録7』ではその様子が確認でき、 爆弾の場所を確保するため彼女の”要らない臓器”を取り除いたとされる。 また、”絶対に見つからない場所”に”もうひとつの爆弾”を仕込んでおり、 音声からそれはパスの子宮であることが暗示されている。

チコの記録6』にて、 サイファーの統括者が、かつてのFOXの指揮官であるゼロであることが示されている。 その上でスカルフェイスは、パスからゼロの居場所について情報を聞き出し、 彼に対して殺意を抱いていることを明かしている。 スカルフェイスはサイファーの統括者でありながら、 ゼロに反旗を翻し独断で行動していたのだった。

パスチコへの尋問を聞く限り、 彼は人の心の弱みに付け込むことが上手く、 情報を暴露することがまるでその人自身にとって有益なものであると思い込ませるような話術を持っていることが分かる。 チコはスカルフェイスの誘導尋問により、 自分の命を守るため、パスの命を差し出す決断をしてしまっている。 また、パスビッグボスを守りたいという意志を持っていることを知ると、 スカルフェイスはゼロビッグボスの命を天秤にかけるような選択を迫り、 彼女からゼロの居場所を聞き出している。

カセットテープ『調査員の記録』ではスカルフェイスの過去について語られている。 彼の故郷にはアブラナの畑と工場があり、幼い頃の彼は毎日友人とその場所を訪れていた。 だがある日、工場が空爆を受ける。 彼と仲間たちは脱出を試みたが、逃げようとする人の群れで出口は塞がり、 多くの人々が燃え盛る炎に身体を焼かれたのだった。 スカルフェイスもまた、人間が燃えた煙を大量に吸い込み、煮えたぎる菜種油で全身を焼かれた。 瀕死の重体となった彼を見て、病院の看護婦は毎日廊下で『殺してあげた方がいい』と話したという。 また、その看護婦の言葉は、彼が思い出せる最後の”母語”であることも語られた。 彼は、工場を中心とする幼い頃の生活圏を当時の自分にとっての”たった一つの世界”と表現しており、 その世界で命を落とした人々にとって、ただ一人生き残った自分は最後の希望であると話した。 また、自分は国も言葉も顔も喪ったが、髑髏(ドクロ)だけはまだ喪ってはいないとし、 ”報復”のためだけにこの世に留まっていると語った。

舞台は1984年。 前作に引き続き、特殊部隊『XOF』を率いる指揮官として登場。 9年前にスカルフェイスの手によりカリブ海で消息を絶った兵士ビッグボスは、かろうじて昏睡状態で生き延びていた。 プレイヤーは復讐の鬼として復活した”ヴェノム・スネーク(=ビッグボス)”となって 新たな武装集団『ダイアモンド・ドッグズ』を指揮、かつての仲間を葬ったスカルフェイスとの抗争に身を投じる。 本作においてXOFが、かつて『FOX』と同じく ゼロによって密かに創設された特殊部隊であり 『サイファー』の実働部隊として機能していたことが判明する。 その指揮官を任されていたスカルフェイスは自身の計画のために部隊を私物化し、 ゼロから独立した勢力として動いていたのだった。 本作のトレイラー等では”素顔を消し去った亡者”と紹介される。

スカルフェイスはXOFの兵士たち以外にも、 『寄生虫補完(パラサイト・セラピー)』という技術により超人的な能力を得た兵士達による 『スカルズ』という部隊や、 正体不明の特殊能力を操る”第三の子供”、”燃える男”といった異形たちを戦力として保有していた。 プレイヤー=ヴェノム・スネークは、自身が昏睡から目覚めた英国・キプロスの病院が襲撃されることに始まり、 幾度となくその勢力による暗殺の矛先を向けられ、戦いを繰り広げることになる。

スネークの率いるダイアモンド・ドッグズは次第に規模を拡大。 強大な軍事力を手に入れるのに伴い、サイファーへの諜報活動を展開していく。 その中で、スカルフェイスがその力とする様々な技術、兵器の存在が明らかとなってくる。 核搭載直立二足歩行兵器『メタルギア・サヘラントロプス』、 金属を代謝する微生物『メタリックアーキア』、 そして特定の言語を話す人間を選択的に殺害する生物兵器『声帯虫』。 やがてスネークらは、スカルフェイスがゼロから独立し 推し進めている計画の全貌にたどり着く。 彼は他の言語を最も侵略した言語である”英語”をこの世から抹消し、 ソ連製のメタルギア・サヘラントロプスを世界に標榜することで冷戦を復興、 核を世界に飽和させ、あらゆる民族の間で”核抑止”を成立させることで すべての言語圏が侵略を受けることなく”ありのまま”で存在し続ける世界の実現を目指していたのだった (詳細は『思想・計画』の項目を参照)。

スカルフェイスの計画の最終段階となった、 アフガンでのサヘラントロプス起動と、声帯虫の英語株の拡散。 それが間もなく実行されるという局面において、 プレイヤー=ヴェノム・スネークはスカルフェイスと対峙する。 スカルフェイスは自らの計画をスネークに打ち明けると、再び燃える男を彼に差し向ける。 しかしその時、両者とも想定していなかったイレギュラーな存在により事態は急変する。 それはダイアモンド・ドッグズのヘリにより現地へ同行した少年兵”イーライ”であった。

謎の異形である燃える男は、他人の強い”報復心”を媒介し外界に超常現象をもたらす 超能力者”第三の子供”の能力で動いていた。 また、サヘラントロプスの”直立二足歩行”技術も実際には完成しておらず、 大地を歩行するのは同じく第三の子供の力によるものだった。 燃える男サヘラントロプスのコントロールは イーライの報復心によって奪われた。 祖国も、家族も、顔も、言語も戦争で奪われたスカルフェイスの報復心を、 自分の力ではどうにもならない”出生”に呪われた運命を持つイーライの報復心が凌駕していたのだった。 これは、自らの境遇を克服する努力をせず、”報復”という人生しか選ぶことができなかった スカルフェイスへのアンチテーゼとも取れる。

やがてイーライの報復心により操作されたサヘラントロプススネークと戦いを繰り広げるが、 その中でスカルフェイスはサヘラントロプスの攻撃を受け、瀕死の重体となる。 戦いを終えたスネークは パートナーであるカズヒラ・ミラーとともに、横たわるスカルフェイスのもとへ赴く。 かろうじて息をするスカルフェイスは2人に『殺してくれ』と懇願するが、 2人は彼の急所を外し、数発弾丸を撃ち込む。そして苦しむスカルフェイスに対して ミラーは銃弾を一発残し『自分で髑髏になれ』と囁いた。 これにより、2人のスカルフェイスへの報復は遂げられた。 しかし結局、スネークらに同行していたエメリッヒが ”仇討ち”と称して最後の銃弾を撃ち込み、スカルフェイスはついに事切れた。

サヘラントロプススネークにより動きを封じられ、 やがてダイアモンド・ドッグズのマザーベースに回収される。 カセットテープ『スカルフェイスの目的・1』のトラック『サヘラントロプスへの世界の反応』によると その兵器の存在は各国の諜報機関に決定的な情報として広まることはなかったとされる。 これにより、スカルフェイスが目論んだ”冷戦の復興”は封じられた。 また、スカルフェイスが所持していた声帯虫の英語株はアンプル3つ分であったが、 1つはスネークにより焼却され、 1つは第三の子供からイーライの手に渡り アフリカのとある島で散布され増殖するが、 ダイアモンド・ドッグズの空爆により殲滅された (本作のスペシャルエディションに付属する特典映像『蝿の王国』より)。 そして最後の1つは、スカルフェイスがスネーク暗殺のために差し向けた 女性兵士”クワイエット”の喉に寄生していたが、 彼女はダイアモンド・ドッグズのマザーベースに保護されたあとも 最後までそこで英語を話すことなく、やがてスネークの命を助けるために その掟を破るが、彼らの前から永遠に姿を消した(作中で死亡したとは明言されていない)。

カセットテープ『スカルフェイスの目的・1』のトラック『スカルフェイスの始末』によると 彼の肉体は寄生虫補完(パラサイト・セラピー)により生きながらえていたため、 彼が生涯を終えても、肉体を構成する細胞は寄生虫の働きにより代謝を続けていたとされる。 そのため、ダイアモンド・ドッグズによりその肉体は寄生虫ごと焼却され、 コードトーカー曰く”生と死の境界が曖昧になった”スカルフェイスという存在は、ついにこの世から消えた。

本作でEpisode46をクリアすることで開放されるカセットテープ『真実の記録』のトラック『パスの証言:ゼロの居場所』では MGSV:GZでスカルフェイスがパスから ゼロの居所に関する情報を聞き出した際の会話の全貌を聴くことができる。 また、トラック『スカルフェイスとゼロの盗聴』では、 彼が”報復すべき相手”だとしたゼロを 何らかの生物兵器によって襲撃した際の音声を聴くことができる。

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経歴

1940年頃、ヨーロッパの地域”北トランシルヴァニア”にて生を受ける[]。 1940年に同地域はハンガリーの領土となる。 また同年にハンガリーは枢軸国の一員となり、やがて第二次世界大戦下において連合国軍との戦争に参加する[]。 戦時中、スカルフェイスの故郷である村に存在した、菜種油を生産する”工場”では、 ハンガリー軍のために密かに故障した銃器を修理して戦場に送り返す作業が行われていた。 しかしある日、ハンガリー内でソ連と内通していたスパイによりその工場の存在が告発され、工場は空襲を受けた。 この時スカルフェイスも友人と工場を訪れており、彼は幼くして燃え盛る炎により全身に重度の火傷を負ったのだった。 MGSV:TPPのカセットテープ『スカルフェイスの目的・1』のトラック『スカルフェイスの始末』によると、 彼は普通なら死に至るほどの重体であったが、繰り返し『寄生虫補完(パラサイト・セラピー)』を施すことによって 生きながらえたとされる。 ちなみに、同テープで彼が初めてパラサイト・セラピーを使ったのは、 ハンガリーがソ連軍に占領される(=第二次世界大戦における敗戦)よりも以前だと語られているが、 彼が幼くしてどのようにその技術、あるいはそれを操れる人物に出会ったのか、その経緯については明かされていない。 彼が”髑髏顔(スカルフェイス)”となった最大の要因は恐らく先述の”工場”での出来事だと思われるが、 MGSV:GZのカセットテープ『諜報員の記録』では その後の人生でも幾度となく他国による拷問に顔を焼かれたと話している。

第二次世界大戦時から冷戦の時代にかけて 彼の故郷では戦争によって支配者が移り変わり[]、 その度にスカルフェイスは支配者から自分たちの言葉を押し付けられ、もともと話していた言葉を奪われた。 先述の”工場”のような出来事によって、彼は戦争で家族も顔も失ったが、 それに加えて、最後のアイデンティティであった”母語”という土台も失ったのであった。

1956年、ソ連による支配に反発するハンガリー国民の蜂起(後に言う”ハンガリー動乱”)が起こると、 スカルフェイスはスパイ活動に加担。 MGSV:TPPのカセットテープ『スカルフェイスの目的・5』のトラック『スカルフェイスの出自とXOF』によると、 動乱の最中、かつて大戦中にハンガリーを拠点として活動していた諜報員、軍関係者、兵士が数ヶ月のうちに原因不明の死を遂げた、 通称”ソヴィエトのスパイ狩り”が発生したが、これを実行したのがスカルフェイスだとされる。 殺害された者たちはまさに、彼が幼い頃に経験した悲痛な出来事の元凶となった人々であり、 これによりスカルフェイスの”故郷への報復”は遂げられた。 ちなみに同テープでは、暗殺には何らかの寄生虫、生物兵器を使用していたことが暗示されている (時系列的にまだこの頃声帯虫とは出会っていないため、別の手段である)。

その後、彼は西側へ亡命し、イギリス陸軍特殊部隊”SAS”に所属する。 そこで、かつてSASの創設に関わった人物”ゼロ”と出会い、 経緯は不明だが、彼の右腕、副官(XO[])という立場になる。 やがて1964年、ゼロは米国・CIAにおいて特殊部隊『FOX』を創設するが、 その裏で、密かに同部隊のバックアップを担う非正規な特殊部隊『XOF』を結成。スカルフェイスはその指揮官に任命される。 これについてはCIAや、FOX創設に協力したザ・ボスにも知らされていなかったとされる (恐らくスカルフェイスの存在も同様)。 これ以降スカルフェイスは、ゼロ、 そしてFOXのエージェントであったネイキッド・スネークビッグボス)の”影”を担う存在となっていく。

FOXの『スネークイーター作戦』により 莫大な秘密資金”賢者の遺産”が米国にもたらされると、 やがてゼロオセロットらと共謀してそれを手中に収め、 これが諜報機関『サイファー』の創設に繋がるのだが、 スカルフェイスはそれに先立ちゼロから彼の計画を聞かされていたという。 かねてからスカルフェイスは自らの言葉を植え付けて他人を支配するものに憎しみを抱いていたが、 ゼロの計画を知ったスカルフェイスは、彼こそがそれを体現する存在だと気づき、 密かにゼロに対して反旗を翻す計画を掻き抱く(詳細は『思想・計画』の項目を参照)。

1970年にサイファーが創設されると、 XOF部隊はその実働部隊という役割を持つようになる。 そのため指揮官のスカルフェイスも、サイファーの表向きな創設メンバーとは別に 組織の活動の裏で暗躍するようになる。

1975年、彼はXOF部隊を独断で動かし、 ビッグボスの率いる軍事組織『国境なき軍隊』のマザーベースを襲撃。 この責任により、彼は南アフリカにあるサイファーの拠点に左遷される。 それにより以前よりも力を失ったが、代わりにそれまで以上にサイファー本体の監視の目を逃れて行動するようになったとされる。 そこでサイファーがアフリカで推進していた『民族浄化虫計画』により 『声帯虫』の存在を知り、英語をこの世から消し去る”民族解放虫”の構想を始める。

1976年、彼は寄生虫を使った生物兵器によりゼロを襲撃。 ゼロは死に至らないがやがて昏睡状態となる。 サイファー内部の動向については不明な部分も多いが、 ゼロを欠いた組織の中でもスカルフェイスは引き続き、 XOFを自らの力として活動を続ける。

そして1984年、彼は9年の歳月で準備を行った計画(詳細は『思想・計画』の項目を参照)を実行に移そうと試みるが、 昏睡から復活したヴェノム・スネークビッグボス)率いる『ダイアモンド・ドッグズ』により計画は阻まれ、 自身も抗争の中で命を落とした。

思想・計画

彼は幼い頃に戦争で”母語”を奪われた経験から、 言葉を押し付けることで他人を支配しようとする者たちに対する報復心を抱くようになる。 これについてMGSV:TPPの劇中では、 言語こそが、人間の性格や、善悪の基準といった価値観を形成する基盤になるものであり、 他の言語に侵食されるということは自分という人格を失うことに等しいという考えを語っている。 その際、彼は『人は国に住むのではない。国語に住むのだ。「国語」こそが我々の「祖国」だ』という ルーマニアの作家であるエミール・シオラン氏の言葉を引用している。

スカルフェイスは西側へ亡命し祖国を去った後に、やがてサイファーを創設する ゼロと出会い彼の腹心となるが、 彼から『人々の無意識を統制し、世界をひとつの意志によって統治する』という計画を聞かされた時、 内心、密かにゼロに対する反逆を企てる。 人間の”意志”や”思想”は、何かしらの”言語”によって組み立てられるものである。 そして、人々の関心を誘導するのもやはり何らかの言語である。 ゼロは、”アメリカ覇権主義”に則り、 世界で最も他の言語を侵略した言語である”英語”によって人々をコントロールしようとしていた (これは後の『S3計画』に繋がる)。 スカルフェイスは、英語、そしてゼロこそが、 彼が報復の対象とする『他人を言葉で支配するもの』そのものであると確信したのだった。

スカルフェイスはサイファーの構成員として活動しながら、 密かに自身の計画のために組織の力を利用していく。 彼が自身の”報復”を実現させるために推進した計画は、大きく3つのステップに分けられる。

1つ目は、”コードトーカー”と呼ばれるナバホ族出身の科学者が発見した 金属を代謝する微生物『メタリックアーキア』を利用することで、 様々な組織に容易に売ることができる核兵器システムを構築することであった。 メタリックアーキアには、 ”ウラン235”を選択的に代謝し濃縮ウランを精製する 『ウラン濃縮アーキア』と呼ばれる種が存在し、 これを用いると、通常は監視の目をくぐり抜けられるレベルのごく僅かなウランを含む鉱石から、 兵器グレードの高濃縮ウランを手に入れることができる。 スカルフェイスはこのウラン濃縮アーキアと手順書(マニュアル)をセットにすることで、 いわば”核兵器手作りキット”を世界に拡散することを企てていたのだった。 必要に応じて、ウラン入りの鉱石の供給も行う予定であったとされる。 さらに、スカルフェイスは自らがその核の標的となった時を想定し、 ともに販売する”臨海発生装置(起爆装置)”を完全にブラックボックス化し、そこに”安全装置”を忍ばせた。 それは、使用者が機能をONにしようとすると衛星経由でスカルフェイスに信号が届き、 それを許容するかどうかを彼が判断できるような仕組みであった。 許容できない場合には、金属を急速に酸化させる別のメタリックアーキア腐食性アーキア)によって起爆装置が即座に無効化される。 使用者が起爆装置を分解しようとした際にも、同じく腐食性アーキアにより使用不可となる仕掛けになっていた。 コードトーカーによると、スカルフェイスは ダイアモンド・ドッグズと抗争した1984年にアフリカでこの安全装置による”爆発をさせない”核実験を実施しており、 爆発の実験は5年前に南インド洋で実施済みだとされた。 また、通常大国が核兵器を使用する際の運搬手段としては大陸間弾道ミサイル(ICBM)等が想定されるが、 小国や武装集団などへの普及も視野に入れるこのスカルフェイス製の核爆弾の運搬手段としては、 あらゆる地形を走破する小型な二足歩行機(ウォーカーギア)が想定されていることもコードトーカーの口から語られた。 そのため、この核兵器システム全体について、スカルフェイスは広義に”メタルギア”と呼称している。 ただし、ウォーカーギアに何らかの核弾頭発射機構が設けられるのか、 あるいは敵地まで運搬したウォーカーギアに自爆させるのかなど、詳細な使用方法については触れられていない。

2つ目は、ソ連と共謀し、大型の核搭載歩行兵器(メタルギア)である『サヘラントロプス』を開発することであった。 これは先述の”核兵器手作りキット”を世界中に売りさばくための、いわゆる”プロモーション”が目的である。 サヘラントロプスを『ソ連が極秘裏に開発した新型核兵器』として その実戦配備がアフガンにて成功したことを世界に標榜することで、各国による核開発競争の再燃を煽り、 終わりかけた冷戦を復興させようとしていたのだった。 そうして世界中で核のニーズが高まったことに乗じて、 容易に手に入れられる彼手製の核兵器を様々な国や武装集団に供給していく計画だった。

そして3つ目として、彼の計画の最大の鍵となったのが、特定の言語を話す人間を選択的に殺害する生物兵器『声帯虫』であった。 これはもともとサイファー本体がアフリカで推進していた『民族浄化虫計画』にて研究されていたものであったが、 サイファーにとっては太古の時代に絶滅した寄生虫である声帯虫を復元するにあたって必要となった 遺伝子技術こそが重要であり、生物兵器の計画は破棄されていたのだった。 しかし、スカルフェイスはその計画を独断で引き継ぎ、自身の計画のために声帯虫を利用するようになる。 スカルフェイスが欲したのは、サイファーが研究したマイナーな言語を消し去る”民族浄化虫”ではなく、 彼が報復の対象とする”英語”に反応する声帯虫のバリエーション、通称”英語株”であった。 彼は英語をこの世から駆逐し、『英語により世界はひとつになる』という思想”アメリカ覇権主義”を解体しようとしていた。

先述した”核兵器手作りキット”により世界を核で飽和させる計画は、 英語という共通言語を失った世界で、あらゆる民族、つまりあらゆる言語圏の間で核抑止を成立させることが目的であった。 すべての民族が核を保持し対等となることで、互いの領地を奪い合い言語を侵略することもできなくなる。 そのためスカルフェイスは、声帯虫について 『有史以来の為政者が夢見てきた兵器』だと評し、その英語株を”民族解放虫”と呼んだ。 そして、それらすべての引き金となるサヘラントロプスの ”脚”が大地に第一歩を踏み打つことについて、『言葉を蹂躙された全ての民族の独立を知らせる鐘』と表現した。

彼は自身の計画について『世界を報復でひとつにする』という言葉を使っており、 ゼロビッグボスと同じく、 スカルフェイスもまた、英雄ザ・ボスの望んだ世界へのアプローチを目指していた。 MGSV:TPPのカセットテープ『真実の記録』のトラック『スカルフェイスとゼロの盗聴』においては、 ゼロに対して、彼によるザ・ボスの意志の解釈について間違っていると告げた上で 『私がザ・ボスに代わる』と発言している。 スカルフェイスがゼロの影を担う存在として活動する中で ザ・ボスに対して何かしらの私情を持っていたのかは不明であるが、 彼は同作で『世界はありのままでいい』と話しており、 『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS(2008年発売)』で ビッグボスがついにたどり着いた 『世界を変えようとするのではなく、ありのままの世界を残すために最善を尽くす』というザ・ボスの本当の意志に近しい考えをすでに持っていたことが分かる。

二足歩行兵器開発と後世への影響

彼がソ連と共謀して開発した二足歩行兵器『メタルギア・サヘラントロプス』は 世界にその存在が知れ渡る前にダイアモンド・ドッグズのマザーベースに回収された。 カセットテープ『スカルフェイスの目的・1』のトラック『サヘラントロプスへの世界の反応』によると サヘラントロプスに纏わる騒乱は『歴史からも人々の記憶からも永遠に消えた』とされる。 しかし、当然サイファーにはその存在が伝わっており、 同テープではサイファーが本件で収集した断片的なデータをもとに やがて独自の二足歩行兵器(メタルギア)を開発するだろうという可能性に言及している。 実際にはサヘラントロプスは”第三の子供”の能力があって初めて動作する未完成な兵器であったが、 いずれにせよ本件が、二足歩行兵器開発においてソ連に遅れを取っていると、 アメリカ(=サイファー本体=愛国者達)に悟らせるきっかけになった。 これは後に、かつてグラーニンが描いた理想形である『メタルギアREX』が、 サイファーの構成員であるドナルド・アンダーソンシギント)が 局長を務める国防総省の研究開発機関”DARPA”の管理下において完成を見る未来に繋がる (『METAL GEAR SOLID(1998年発売)』)。

さらに、全地形を走破できる小型の二足歩行機(ウォーカーギア)によりその脚で核弾頭の運搬を行わせるシステムについては、 後に『アウターヘブン蜂起』において登場する二足歩行兵器『TX-55(メタルギア)』に通じるものがある。 TX-55もスカルフェイスのシステムにコンセプトが近く、 核発射機構としては大陸間を横断できる長距離ミサイルではなく中距離ミサイルを装備、メタルギア史の中でも比較的小型な兵器である。 そのため、スカルフェイスが広義に”メタルギア”と呼称した彼のシステムは、 先述のREXとは別に、サイファーの管理の外で ビッグボスがその力とした”マッドナーメタルギア”のルーツになったとも言える (『METAL GEAR(1987年発売)』、『METAL GEAR 2 SOLID SNAKE(1990年発売)』)。

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考・脚注

”XO”について


MGSV:TPPにてスカルフェイスはゼロから ”XO(エックス・オー)”と呼ばれる。字幕では”副官”という言葉に”XO”の読み仮名が振られている。 軍隊においては、副官を意味する”eXecutive Officer”の略称として”XO”が用いられる。

生年と出身地について


MGSV:TPPのカセットテープ『スカルフェイスの目的』の”4”および”5”において、 彼がヨーロッパの北トランシルヴァニア出身であることが明かされている。 『スカルフェイスの目的・5』においては彼の出身について、 ”ルーマニアからハンガリーに割譲された北トランシルヴァニア”とされ、 続けて『彼が幼い頃にハンガリーがドイツと協調して枢軸国に加わった』と語られる。 先述の”割譲”が認められたのは1940年の8月であり、 第二次世界大戦においてハンガリーが枢軸国に加わったのは、同年の11月である。 そのため、”ハンガリー出身”を前提とするならば彼の誕生は1940年の8月~11月ということになる。 しかし、”幼い頃”の捉え方によっては、まだ北トランシルヴァニアがルーマニア領だった1940年の早い時期、 さらにはそれよりも前に生誕している可能性もある。

ブラックサイト


MGSV:GZの舞台となる米軍基地”ブラックサイト”について、 現実にもキューバ東南部の”グアンタナモ湾”にアメリカ海軍が 通称『グアンタナモ米軍基地』と呼ばれる施設を保有している。 土地の扱いについては、キューバから米国に対する租借(そしゃく/貸し与える)という形が取られている。 2002年、基地内に収容キャンプが設けられ、米国を標的としたテロ行為の被疑者を収容していることから ”対テロの象徴”ともされる。

米国は収容者について、”戦争捕虜”ではなく”犯罪者”であることからジュネーヴ条約の適用外であり、 なおかつ基地が米国領土外であることからアメリカ合衆国憲法に基づく人権の保証の対象外だとした。 現地ではこれを理由とした非人道的な尋問等が行われていたと言われており、 国内・国外から非難を浴びた。 2009年に米政府は同収容所の閉鎖を宣言したが、 釈放者がテロに復帰している可能性がある等といった問題から難航し、 2019年現在も完遂に至っていない。

MGSV:GZにおける米軍基地についても、 カセットテープ『任務地 キューバ米軍基地について』で詳しく語られている。 メタルギアの世界では、1970年代には既に先述のようないわゆる”ブラックサイト化”が進行しているとされ、 そこにはサイファーの権力が及んでいることが示唆されている。

大戦から冷戦までのハンガリー


MGSV:TPPのカセットテープ『スカルフェイスの目的・5』のトラック『スカルフェイスの出自とXOF』では 彼の祖国であるハンガリーが何度も他国の”言葉”に支配されたと語られている。 これはハンガリーを支配する国が幾度となく移り変わった歴史的背景を示唆している。

ハンガリーは1940年に枢軸国に加わるが、 同国が劣勢にも関わらず第二次世界大戦終結まで連合国軍と戦うことになったのは、 同じく枢軸国であるナチス・ドイツによる圧力が原因である。 大戦の末期、ナチス・ドイツの支援を受けたハンガリー内の反ユダヤを謳う政党が 国を統治し、国軍を動かした(いわゆる”傀儡政権”)。 この時期、ハンガリー内で大勢のユダヤ人が迫害された。

大戦でドイツが敗れると共に、ハンガリーもソ連の支配下に置かれる。 やがてハンガリー国民の民意に反し、ソ連の強い影響下のもとハンガリーには社会主義国家が成立、 冷戦の時代にはソ連の衛星国としていわゆる”東側諸国”に属した。 1956年にはソ連の支配に反発する民衆により動乱が巻き起こっている。

ちなみに、スカルフェイスの生誕時期を考えると直接的な関係はないと思われるが、 トランシルヴァニアは第二次大戦より前の時代から、 ハンガリーとその隣国であるルーマニアの争いにより国境が揺れ動いていた地域でもある。 MGSV:TPPにおいて彼の故郷”北トランシルヴァニア”は 戦争によって移り変わる支配者により民衆が翻弄された土地の象徴として語られている。

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