サイコ・マンティス(Psycho Mantis)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、 ソ連時代のロシア出身の超能力者。 念動力や読心能力といった能力を活かし、KGBの諜報部員やFBI職員として活躍。 2000年代には特殊部隊『FOXHOUND』に所属した。 他人の思念に支配されやすく、精神防護手段として常にガスマスクを装着している。 幼少期に超能力研究の被験体となった際には”第三の子供”と呼ばれた[注]。 本名は不明。
彼の特殊能力は死後も強力な思念体としてこの世に残っており、 ”スクリーミング・マンティス”という兵士を介して再び戦場で発現することになる。
名前 | サイコ・マンティス (Psycho Mantis) |
別名 |
|
性別 | 男性 |
国籍 | ロシア (Russia)[注] |
年齢 | 30代(2005年/MGS1)[注] |
身長 | 190cm(2005年/MGS1)[注] |
所属組織 |
|
主な登場作品 | |
声優 | |
声優 (英語版) | ダグ・ストーン(MGSV:TPPを除く) |
モーションキャプチャ | クレイトン・マーティン(MGSV:TPP) |
舞台は2005年で、当時30代[注]。 米陸軍のハイテク特殊部隊『FOXHOUND』のメンバーとして初登場。 部隊での暗号名は”サイコ・マンティス(Psycho Mantis)”。 その名は、彼がサイキック(=超能力者)であることに由来する。 常に”ガスマスク”を装着している。 本作で描かれる『シャドーモセス島事件』において マンティスはFOXHOUNDの実戦部隊リーダーリキッド・スネークに従い シャドーモセス島でのテロに参加しており、 プレイヤーキャラクターであるソリッド・スネークと敵対する、”ボスキャラクター”の一人である。 リキッドのことを『ボス』と呼ぶ。
シナリオの序盤、プレイヤー=スネークが、テロリストによって独房に監禁されていた 女性兵士”メリル・シルバーバーグ”と接触した際、 画面には突如、テロリストと思われる3人の男が会話をする映像が映し出される。 さらに、スネークの眼前には宙に浮かんだ亡霊のような男の姿が浮かび上がり、やがて消失した。 謎の幻覚に困惑するスネークであったが、 FOXHOUNDのメディカルスタッフである”ナオミ・ハンター”によると その宙に浮かぶ男こそサイコ・マンティスであり、 スネークが観た映像は、超能力者であるマンティスの”精神干渉ノイズ”によるもので、 彼の記憶がスネークの脳に流れ込んできたものだと語られた。 また、スネークがテロリストらの人質となっている 米・国防省の研究機関DARPA(ダーパ)の局長”ドナルド・アンダーソン”と 兵器会社アームズ・テックの社長”ケネス・ベイカー”に接触すると、 彼らの話によりマンティスが人の心を読む”読心(リーディング)能力”を持っていることが判明する。 マンティスは両名が1つずつ知っているとされる米国製核弾頭の起爆コードを手に入れるために、 彼らに対して読心を試みていたのだった。
やがてプレイヤーがメリルと合流し、通信塔のある北を目指して所長室を訪れた際、 メリルは突然『頭が痛い』と訴えて苦しんだ後、 それまでとは別人のような口調で話し、何者かに憑依されているような様子を見せる。 さらに2人が所長室へ入るとメリルは 自らのハンドガン(デザートイーグル)の銃口をスネークに向けるのだった。 彼女の背後には、再びあの宙に浮かぶ男、サイコ・マンティスの姿が浮かび上がっていた。 ナオミはマンティスがメリルの身体を操っているだと話す。 プレイヤーはこちらに銃口を向けるメリルを、打撃やスタングレネードによって気絶させなければならない。 やがてメリルが気絶するとデモシーンが発生し、ついにスネークはサイコ・マンティスと対峙する。 ちなみに同じくナオミによると、 劇中ではマンティスが関係する場面で度々不気味なBGMが流れるのだが それが彼の”洗脳ミュージック”であり、それによりメリルを操っていたことが明かされている (後にメリルの口から、その音楽で操られるようにあらかじめ暗示をかけられていたことも語られている)。
マンティスと対峙したスネークはマンティスの身体が不可視化しているのが『ステルス迷彩』によるものであると見抜き、 『手品のタネはいつも幼稚なものだ』と挑発する。 するとマンティスは自らの力を誇示するかのように、超能力を披露し始める。 ここでは、ゲームをプレイするプレイヤー自身に対して語りかけるような演出になっている。 まず彼は『貴様の性格を当ててやろう』と話し、 プレイヤーのそれまでのゲームの成績をもとに、プレイヤーの人間性について言及してくる。 台詞に影響する成績は以下の3つ。
次に彼は『貴様の趣味を言ってやろう』と話し、 プレイヤーが使用しているPlayStationの『メモリーカード』の中に存在する、本作以外のゲームのセーブデータをもとに ゲームの趣味を言い当ててくる(当然、本作の発売(1998年9月)以前のゲームである必要がある)。 台詞は以下の通り。
また、それまでにプレイヤーが行ったセーブの回数についても言及してくる。 さらにマンティスはゲームのコントローラーを平らな床の上に置くようプレイヤーに指示。 『そのコントローラーを俺が念力で動かしてみせる』と発言すると、コントローラーの振動機能を使って実際に動かすという、 画面の外にまで遊びを広げるパフォーマンスを披露してくれる (コントローラーが振動機能に対応した”DUALSHOCK”である必要がある)。 やがてマンティスは『デモンストレーションはこのくらいにしておこう』と話し、彼とのボス戦が開始する。
マンティスは手から何かエネルギー波のようなものを放ち、 また念力によって部屋にある椅子や銅像、額縁などを浮遊・操作して攻撃してくる。 ボス戦においても彼はステルス迷彩で身体を透明にするが、 NVG(暗視ゴーグル)を使用すれば姿を捉えることができる (よく見るとそのままでも確認でき、攻撃の際には透明化が解除される)。 プレイヤーが普通に攻撃しようとすると、 マンティスにはスネークの思考が読まれており、あらゆる攻撃が避けられてしまう。 これは実は、ゲーム機(PlayStation)のコントローラーの接続先を 端子1から端子2へ移動することで読心を回避することができるというユニークな仕掛けになっている[注] (何度も司令官の”ロイ・キャンベル”に無線連絡していると教えてもらえる)。 すると『貴様の心が読めない』と動揺し、攻撃全般が当たるようになる。 戦闘の中盤、マンティスは再びメリルを操るが、これもボス戦前と同様に気絶させることで対処できる。 また、戦闘中にマンティスが『ブラックアウト』と叫ぶと画面が真っ暗になって右上に『ヒデオ』と表示され、 まるでテレビの入力設定が切り替わってしまったかのように錯覚させるネタ要素が盛り込まれている (『ヒデオ』は小島秀夫監督の下の名前と、テレビの『ビデオ』表示をかけている)。 マンティスのライフポイントを0にするとクリアとなる。
床に伏し息も絶え絶えなマンティスは、スネークに対して 幼い頃に実の父親を殺害した過去を打ち明ける。 彼はこの出来事について『あの時、俺の未来が消えた。過去も亡くした』と語っており、 親殺しのトラウマが普通の人間とは異なるマンティスの生涯の始まりであったことが暗示された (『親殺しのトラウマ』の項目も参照のこと)。 この時、彼はスネークの心の中にも同じトラウマがあることを見出している (本作の中盤で語られる、ビッグボスを殺した過去への伏線)。 また、スネークが”予知能力”を持たないマンティスに対して そんなものよりも未来を変える勇気のほうが重要だと告げると、 マンティスはメリルの心を読み、 彼女の中でスネークの存在が大きなものになりつつあることを告げ、彼らの未来を示唆した。 そして彼は『貴様に賭けてみたくなった』と話し、最期にスネークに協力する意志を見せる。 彼はメタルギアの地下整備基地へと続く隠し扉の存在を示し、 最後の念力によってその扉を開放するのだった。 マンティスはリキッドの唱える理想には同調しておらず、 テロへの参画について『殺戮に至る正当な理由が欲しかった』と語っている。 マンティスはそんな自分ですら『まだまともだ』と思えるほどの恐ろしいものをスネークの中に見出しており、彼を”本当の悪魔”だと称す。 これはスネークが殺人に手を染める運命を背負って人為的に生み出された人間であることを指していると思われ、 これが先述のスネークに賭けてみたくなった理由に繋がることが暗示された。 そしてマンティスは人生で初めて自らの能力を他人のために使ったと話し、 『妙だ。懐かしい感覚がする』と言い遺すと、ついに息を引き取った。
ちなみに最期の告白の際、スネークはマンティスのガスマスクをはずし、素顔がプレイヤーに明かされている。 彼の顔は肉が削げ落ちて頭髪がなく、何らかの手術によって額や口に多くの縫合された跡が見られた。 また彼は息を引き取る直前、『最期くらいは自分でいたい』と話し、 スネークに再びマスクをかぶせてほしいと頼んでいる。 彼のガスマスクは、他人の思念が自分に流れ込んでくるのを防ぐために身につけていたのだった。 また彼の死後、リキッド・スネークとリボルバー・オセロットの会話により テロに参加している『次世代特殊部隊』の隊員たちは マンティスの洗脳によって意志が統率されていたことが明かされている。
また、先に書いたとおり彼は人質であるドナルド・アンダーソンと ケネス・ベイカーに対して読心を試みているが、 実は2人に施された”精神手術”という技術により阻まれ失敗していた。 さらにオセロットの拷問によりアンダーソンが死亡してしまったため、起爆コードを入手できなくなる。 そこでテロリストらはソリッド・スネークにすでに自分たちが起爆コードを入手したと錯覚させて 行動を操っていたことがシナリオの終盤で明かされる。 シナリオの序盤でプレイヤー=スネークが観たマンティスの精神干渉ノイズの映像を見返すと 彼はリキッドに対して『ボス、俺に良い考えがある』と話しており、 リキッドの”マスター・ミラー”への変装や デコイ・オクトパスによるアンダーソンへの変装が マンティスのアイデアであったことがわかる。
舞台は2014年。すでに故人だが、 プレイヤーキャラクターであるオールド・スネークが対峙する、 本作のボスキャラクターの一人である”スクリーミング・マンティス”という女性兵士に憑依する思念体・亡霊のような姿でサイコ・マンティスが登場する (今回は高精細なグラフィックとなっているが、容姿はMGS1の時とほぼ同じ)。 ACT5『Old Sun』でプレイヤーがスクリーミング・マンティスとのボス戦に挑む場面において姿を現すと、 スネークは『お前は サイコ・マンティス…!』と驚きを顕にした。 スクリーミング・マンティスはスネークに対して『久しぶりだな』と語りかけており、 その意志はサイコ・マンティスにより操られているように見える。 ちなみに、ACT1『Liquid Sun』でスクリーミング・マンティスが初めて登場するデモシーンにおいて、 主観モードでカメラを上に振るとサイコ・マンティスの姿を確認することができる。
ACT2『Solid Sun』における武器洗浄人の”ドレビン”の話の中で スクリーミング・マンティスはかつて米軍に在籍したロシア出身の超能力者の後継者であると語られており、 それがサイコ・マンティスであることが暗示されている(生前の2人に関わりがあったのかは不明)。 また、スクリーミング・マンティスが所属する部隊『ビューティー&ビースト(BB部隊)』の 他の3人の隊員たちは彼女の力によってマインドコントロールを受け、操られていることも語られた。 さらにACT5において、同じくドレビンにより、 かつて戦場での過酷な経験でPTSDを患ったスクリーミング・マンティスの心にサイコ・マンティスの意識が埋め込まれ、 彼女は同化したサイコ・マンティスの思念に煽られることでBB部隊を統率していたことも明かされた。
スクリーミング・マンティスの両脇には1つずつマリオネット人形が寄り添うように浮遊しているのだが、 右手側の人形はサイコ・マンティスの姿をしている(左手側は”ザ・ソロー”の人形)。 彼女は劇中で生きている人間と死体を自在に操る能力を見せるのだが(ナノマシン技術によるもの)、 生きている人間を操る際にそのサイコ・マンティスの人形を使用しており、 ボス戦ではこれを奪って逆にスクリーミング・マンティスを操ることが攻略法となっている (アイテム名は『マンティス人形』。使用すると『ブラックアウト』という音声が聞こえる)。 またボス戦において、スネークの仲間である女性兵士”メリル・シルバーバーグ”の身体が操られる、 スクリーミング・マンティスが『ブラックアウト!』と叫ぶと画面が真っ暗になって右上に『ヒデオ2』と表示されるといった、 MGS1のサイコ・マンティス戦のオマージュとなる演出が盛り込まれている。 さらに、ロイ・キャンベルに無線するとMGS1時と同じ攻略法をアドバイスされるが間違っている、 コントローラー設定を2Pにすると移動できなくなりオタコンに指摘されるなどのネタ要素もある。
スクリーミング・マンティスとのボス戦を終えると、 彼女のアーマー(抜け殻)だけが再構築され、その背後に再びサイコ・マンティスが姿を現す。 すると彼はMGS1のようにプレイヤーに向けて超能力を披露し始める。 かつてと同じようにメモリーカードのセーブデータを読もうとするのだが、 本作のハード(PlayStation3)では既にメモリーカードが不要となっているため読むことができずうなだれる。 次にマンティスは、これもかつてと同じく床の上にコントローラーを置かせて振動により動かす念力を披露する。 この時、コントローラーが振動に対応したものでないと残念そうな反応をする。 パフォーマンスが終わると、マンティスは悶え苦しみ、彼の霊体は空中に消える。 この時、天の声(小島秀夫監督)による『クタラギさーん!』という音声が響く演出がある[注]。
舞台は1984年で、少年時代の姿で登場[注]。 すでにガスマスクを着用し、素顔は明かさないが赤い髪の毛が生えていることが分かる。 全編を通して声を発さない。常に浮遊しているため、作中では”宙に浮く子供”などと呼ばれる。
プレイヤーキャラクターであるヴェノム・スネーク(ビッグボス)が率いる『ダイアモンド・ドッグズ』と サイファーの諜報員スカルフェイスの抗争劇において、 幾度となくスネークらの前に姿を現し、その際に周囲で現実とは思えないような怪現象が数多く発生する。 ゲームの終盤であるEpisode38『異形の調査報告』をクリアすると入手できるカセットテープ『インフォーマントの報告書』によると、 その少年はソ連内で超心理学研究を目的とした臨床実験の被験体となっていた人物で、 ”第三の子供(トリーチェゴ・レビョンカ[注])”と呼ばれていたことが明かされる。 彼の脳は、他人の脳から微弱な電気信号として発せられる”怒り”や”恨み”といった負の感情を”受信”し、それを超心理現象に変換して外界へ影響を及ぼす力を持っていた (詳しくは『超能力』の項目を参照)。 作中ではこの現象について、『他人の報復心(怒り、恨み)に”寄生”する』と表現されており、その報復心の持ち主を”宿主”と呼んでいる。 しかし、少年はその感情の流入を自分で完全に制御することができず、意図せず他人の思念に支配されてしまうのだった。 そのため、本作では彼の能力は主にプレイヤーにとっての驚異として立ちふさがるが、 あくまで少年自身の自我(エゴ)ではなく、他の人間たちの報復心に隷属させられていた。
彼が初めてプレイヤーの前に姿を現すのは、序章においてヴェノム・スネークが覚醒したキプロスの病院である。 病院は”燃える男”と呼ばれる怪物により襲撃される。 その怪物も第三の子供と同じくソ連の被験体となっていた男で、 かつてビッグボスの手により野望を阻まれ、すでに意識不明となっていた”ヴォルギン”の成れの果てであった。 彼のビッグボスへの報復心に少年が寄生し、その結果としてヴォルギンの肉体が炎を操る特異な力を身につけたのだった。 この病院にはスカルフェイスの率いるXOF部隊や ビッグボス殺害のための暗殺者(=クワイエット)も送り込まれているのだが、 スカルフェイスは第三の子供、燃える男の動向を追うことでこの場所を突き止めていた。 そして、彼は病院での事件の一部始終を観察し、2人の被験体に利用価値を見出したとされる。 以降、2人はスカルフェイスに利用され、ビッグボス(=ヴェノム・スネーク)の前に立ちはだかることとなる。
スカルフェイスの報復心に寄生した第三の子供の能力とプレイヤーが対峙するのは4度である。
1回目は、Episode6『蜜蜂はどこで眠る』にてハミド隊の砦を訪れた際、 科学者”エメリッヒ”曰く”未完成”であるはずの歩行兵器『サヘラントロプス』が現れるが、 これは少年の能力を使ってスカルフェイスが操っていた。
2回目は、Episode12『裏切りの容疑者』でエメリッヒを回収して帰投する場面。 こちらも同じくスカルフェイスの意志で動くサヘラントロプスがプレイヤーを襲い、 同兵器が未完成と言われる所以である、実現していないはずの”直立二足歩行”を披露する。
3回目は、Episode20『声の工場』にて、中部アフリカの悪魔の住処(ンゾ・ヤ・バディアブル)に訪れた際、 プレイヤーは少年の能力で動く燃える男と対峙し、ボス戦となる。 戦闘中、第三の子供は透明になっているが、燃える男を”水”の力で静止すると姿を現す。 そのときに燃える男をフルトン回収しようとすると少年が気球を割ってしまうが、 彼を銃撃し続けるとやがて弾が当たり、フルトン回収によりクリアすることができる(結果、逃げられるが)。 ちなみに、補給物資を少年の頭に落とすことでも達成可能である。
4回目は、Episode30『民族浄化』にて、 プレイヤー=スネークがスカルフェイスに同行して セラク発電所の奥にある洞窟に訪れると、 スカルフェイスは再び少年の力で燃える男を操り、スネークに差し向ける。 しかし、燃える男は突如動きを止め、スカルフェイスの意に反して自ら サヘラントロプスの乗った台座の下敷きとなる。 実はこの時、すでに第三の子供の寄生先(宿主)は別の人物へと移っていたのだった。 新たな宿主の意志により今度はサヘラントロプスが暴走を始め、 スネークに襲いかかる。 その戦いの中、スカルフェイスはサヘラントロプスの攻撃により 瀕死の重体となり、やがて命を落とすことになる。
第三の子供の能力が新たに寄生したのは、ダイアモンド・ドッグズのヘリに乗って現地を訪れていた 少年兵”イーライ”の報復心だった。 彼は人為的に造られた”他人のコピー”であるという呪われた生まれを持っており、 世界中の大人たち、とりわけオリジナルであるビッグボス(=ヴェノム・スネーク)に対して 激しい憎悪を抱いていた。その想いの強さはスカルフェイスの報復心を凌駕していた。 またそれだけでなく、スネークの参謀である”オセロット”は カセットテープ『インフォーマントの報告書』にて、 スネークが悪魔の住処(ンゾ・ヤ・バディアブル)に訪れたときに 普段は自我が封印されているはずの第三の子供が瀕死の少年”シャバニ”に興味を示していたことから、 子供同士にしかない強い共感の心もイーライと共鳴した理由だったのではないかと推測している。
Episode31『サヘラントロプス』では イーライの意志により操られたサヘラントロプスとボス戦を繰り広げることになる。 サヘラントロプスにダメージを与えライフポイントが残り少なくなると、 リフレックスモードが発動し、サヘラントロプスがレールガン発射体制(いわゆるREXモード)で こちらへ飛び込んでくる演出が入る。 その時、眼前にに第三の子供が姿を現すので、彼に攻撃を当てるとサヘラントロプスの動きが止まり 攻撃チャンスを得ることができる。 クリアするとデモシーンとなり、その中でスネークが スカルフェイスの持っていた特定の言語を話す人間を殺害する生物兵器”声帯虫”の”英語株”を焼却するのだが、 第三の子供がアンプルを1つ密かに回収している。 そしてその後迎える第1章のエンディングにおいて、少年はアンプルをイーライに託している。 イーライが再びダイアモンド・ドッグズのマザーベースに保護された後も、 第三の子供は姿を現さないが密かにイーライに寄り添っていた。 カセットテープ『インフォーマントの報告書』におけるオセロットの話によると、 第三の子供は継続してイーライの怒りに寄生し続けており、イーライとは”寄生”ではなくむしろ”共生”できるようになったと語られている。 先述のアンプルの件も明らかに彼の意思表示であり、 第三の子供がそれまでのような道具ではなく、自らの自我(エゴ)で行動しその能力を使うようになったことが暗示された。
また、同じく『インフォーマントの報告書』にて、燃える男の意志で病院に現れる以前のエピソードが明かされている。 同年(1984年)のある日、被験者であった少年は飛行機に載せられモスクワに向かう道中にあったが、 その最中に何者かの強烈な精神エネルギー(強い報復心)の影響を受けた。 それ以降、彼の能力は先述したような所業をなせるほどの非常に強力なものとして開花したのだった。 彼の乗っていた旅客機は全焼。 本作のエンディングにおける年表では、その旅客機がウクライナ山間に墜落したと記載されている。 オセロットによると、旅客機が管制塔に異変を知らせた最初の位置は ウクライナのキエフから300キロ北東の位置であり、これはヴェノム・スネークが 眠っていたキプロスの病院の真北だった。 さらに、異変のあった時間はスネークが覚醒した時間と一致する。 第三の子供は、覚醒したヴェノム・スネークの報復心と共鳴することによって能力を覚醒させたのだった。 オセロットは、少年はスネークの怒りに強く”共感”したのだろうと語っている。 少年は特異な能力を持って生まれたがために、自由意志を奪われ、戦争の道具として利用され続けてきた。 そんな彼はスネークの報復心を目の当たりにすることで、それまでやり場のなかった怒りの矛先を見つけたのだった。 彼の見た報復心(ヴィジョン)がヴェノム・スネーク自身のものなのか、 あるいはその意識に潜むもう一人のものなのかは定かではないが、 いずれにせよそれは、自分の力ではどうしようもない境遇、世界の仕組みに対する報復心であった。 先述したイーライと”共生”するようになったことについても、同じような想いがあったと思われる。 ちなみに、本作を開始したときの一番冒頭で、 飛行機を操縦していると思われる男性の声と、大勢の悲鳴、飛行機が墜落した衝撃音などが流れるが、 これは第三の子供が能力によって旅客機を墜落させた際の音声だと思われる。 演出の最後には少年のガスマスク越しの呼吸音のようなものが聞こえる。
第2章を進めると、イーライが密かにマザーベースの少年兵たちを扇動し、大人たちに対する武装蜂起を企てる。 彼は陽動として何人かの少年たちを基地から脱走させており、その少年たちを回収するSIDE OPSが発生するのだが、 すべての少年を回収し終え、なおかつEpisode41『終わりなき代理戦争』クリアまでミッションを進めると、 イーライが第三の子供とともにサヘラントロプスを操り、 他の少年兵たちとマザーベースから脱走するイベントが発生する。 この時、サヘラントロプスは鳥のように浮遊し、水平線の彼方へと去っていった。 また、イーライはマザーベースで外界から遮断された場所に監禁されていたはずなのだが プレイヤー=スネークがすべての少年を回収し終えたことを察知しており、 これについてカセットテープ『少年達の脱走・6』において 第三の子供の能力(テレパシー)によって外の情報を受け取っていたことが暗示されている。 これ以降、本作で彼が姿を現すことはない。
ちなみに、作中で彼が何者かの報復心に寄生した際、宿主によって少年の外見に変化が見られる。 燃える男に寄生した際には服の袖が燃えており、 スカルフェイスの場合にはガスマスクが彼の”アイマスク”に似た形状に変化、 そしてイーライと”共生”するようになると左肩に彼と同じ赤い布(ベレー帽?)を身につけるようになった。 さらに、この点に着目すると、”旅客機”での事件とは別に劇中でもヴェノム・スネークの報復心に寄生したシーンがあったことが分かる。 序章でスネーク(エイハブ)とイシュメールが 脱出のために使用した車が横転し気を失った場面、 スネークが意識を取り戻すとそこにはXOFの軍用ヘリが迫っていた。 すると目の前に第三の子供が姿を現す。彼の頭にはスネークのようなツノが生えていることが分かる。 そして空から燃える巨大な”クジラ”のようなものが出現し、ヘリを飲み込んだのだった。 これはスネークの報復心が少年の力で具現化したものだった。 また、病院のホールにおけるシーンでスネークの背後に少年が現れた際にも 彼の頭にはツノが生えているが、特に何か能力が発動している様子は見受けられない。
本作のエンディングにおける年表で、 マザーベースを去ったイーライが同年(1984年)に アフリカにて『蝿の王国』なる集団を築いていたことが明かされている。 これについて、本作の”スペシャルエディション”に特典として付属しているBlu-rayディスクにて ゲームに収録予定だったと思われる幻のEpisode51『蝿の王国』に関する制作過程の映像が観ることができ、 そこで第三の子供の関与を確認することができる。 イーライはアフリカのとある島に声帯虫の英語株を散布し、 大人が近づけない子供だけの武装集団を築いていた(声帯が未発達の子供には感染しない)。 そこにはスネークだけでなく サヘラントロプスを回収しようとするXOF部隊も乗り込んでいるのだが、 第三の子供は変わらずイーライに寄り添っており、能力によって彼を守っている。 再び少年の力を借りてサヘラントロプスが猛威をふるうが、 スネーク率いるダイアモンド・ドッグズとの戦いの結果、鎮圧される。 スネークらはイーライを保護しようとするのだが、 すでに成長し”声変わり”が始まっていた彼の喉には英語株が寄生・発症しており、 もう助けることができないと判断したダイアモンド・ドッグズは彼を残し、 声帯虫に汚染された島の空爆に乗り出す。 その時、スネークは自決用と思われる、弾が一発だけ入ったハンドガンをイーライに託している。 自らの頭に銃口を突きつけるイーライだったが、 突如、彼の前に第三の子供が現れると、感染後の除去が不可能とされていた声帯虫を彼の喉から難なく取り出して見せたのだった。 そして島が焼かれる直前、少年はイーライを連れて空へと浮遊し脱出。 その後も引き続きイーライと行動を共にしていることが示唆された。
ソ連時代のロシアにて生誕。 2005年時点(MGS1)で30代[注]であるため生誕は1965年~1975年となるが、 1984年時点(MGSV:TPP)で子供の容姿であるため、1970年代生まれである可能性が高い。 ちなみに、野島一人氏の小説『メタルギア ソリッド ファントムペイン(角川文庫出版/2015年)』では 1984年時点で少なくとも10歳以上とされている(初版, 8P)。
マンティスは幼少期に実の親を殺害しているが、その経緯については設定の揺れ動きがあるため別項『親殺しの経緯』にて記載する。
彼は幼くして特異な能力を見いだされ、 ソ連内において軍事的応用を目的とした超心理学研究の被験体となった。 その際、研究者たちからは”第三の子供(トリーチェゴ・レビョンカ[注])”と呼ばれていた。 ゲームでは彼を利用した組織が明示されていないが、先述の野島氏によるノベライズでは”KGB”であるとされている(初版, 11P)。
1984年(MGSV:TPP)、 彼は研究対象として、チェコスロバキア~モスクワ近郊の研究所~レニングラード(現:サンクトペテルブルグ)の研究センター ~シベリア・ノヴォシビルスクの学術都市(アカデムゴロドク)とその身柄が移送される予定であった。 だが、旅客機によってモスクワに向かう道中、事件が起こる。 突如、機体は内側から炎に包まれて全焼、ウクライナ山間へと墜落した。 公には生存者は確認できなかったとされているが、マンティスだけは無傷で生き残っていた。 これは、機体に異変が発生した時刻にその南方に位置する英国・キプロスの病院で覚醒した”ヴェノム・スネーク”の報復心に感化されたことで、 マンティスの能力が非常に強力なものとして開花し、その力によって機体は焼き尽くされていたのだった。 事件における死亡者数は94名、行方不明者数は32名とされる[注]。 その後、マンティスは極秘裏にモスクワ近郊の施設へと収容される。 すると、同施設で被験体となっていた意識不明の元軍人”ヴォルギン”の報復心に支配され、 彼を怪物”燃える男”へと変貌させる(能力については『超能力』の項目を参照)。 そして、燃える男のビッグボス(ヴェノム・スネーク)への報復心に導かれるまま、彼の収容されたキプロスの病院を襲撃。 その後、サイファーの工作員”スカルフェイス”に燃える男共々利用され、 彼とヴェノム・スネーク率いる『ダイアモンド・ドッグズ』との抗争に介入した。 その抗争の中で少年兵”イーライ(後のリキッド・スネーク)”と出会っており、 同年にイーライがアフリカで『蝿の王国』と呼ばれる武装集団を築いた際に参加している。 それがダイアモンド・ドッグズによって鎮圧された後も イーライと行動をともにしていたようだが、詳細は不明。
その後、時期は不明だがマンティスはソ連・KGBに所属し、 強力な念動力(サイコキネシス)と読心能力という特殊技能を活かした諜報部員として活躍。 1991年にソ連が崩壊すると職を追われ、アメリカへと渡る。 米国ではFBIに籍を置き、サイコメトラーとしていくつかの事件の捜査を担当する。 だが2000年、捜査において連続殺人者の精神に没入・同化したことが原因で自ら猟奇殺人を起こしてしまう。 これにより彼はFBIを去り、以降はフリーの諜報専門エージェントとして各地を渡り歩き、 やがて米陸軍の特殊部隊『FOXHOUND』にスカウトされ、入隊する。 この時に”サイコ・マンティス”という暗号名(コードネーム)を与えられる。 ちなみに、当時すでにリキッド・スネークと呼ばれていたイーライが 同部隊の中心人物となっていたため、マンティスの入隊にあたってリキッドの働きかけがあった可能性が高い。
そして2005年(MGS1)、他のFOXHOUND隊員とともにリキッドの計画に従い 次世代特殊部隊を掌握、『ビッグボスの息子達』を名乗り 後に『シャドーモセス島事件』と呼ばれる核ジャックテロを起こす。 やがて、現地へと単身潜入した米国防総省のエージェントでありリキッドの双子の兄弟である”ソリッド・スネーク”と対峙。 彼との決闘に敗北し、スネークにリキッドやビッグボスの幻影を感じ取りながら息を引き取った。
サイコ・マンティスの死後、彼の残留思念は”スクリーミング・マンティス”という女性兵士に乗り移り、 彼女の率いる特殊部隊『ビューティー&ビースト』の隊員たちはその思念によって操られていたとされる。 部隊はリキッド・オセロットの率いるマザーカンパニー『アウターヘブン』の傘下に置かれていた。 その思念が生前から連続するマンティスの意識であったのかは不明だが、 結果的に死後もマンティスの特異な能力はリキッドとビッグボスの遺志に寄り添うことになった。
マンティスはMGS1において、かつて自分の父親を殺害した過去を打ち明けている。 彼が初めて読心を行った相手は実の父親であったが、 父は自分の妻が死んだのはマンティスの出産が原因であると思い込んでおり、マンティスに対する殺意を抱いていた。 恐怖したマンティスは父親ごと自分の住む村を焼き払い、過去を精算したのだった。
上記の経歴についてMGSV:TPPでは触れられていない。 特に矛盾もないためソ連で臨床実験の被験体として保護される以前の話だと捉えることもできるが、 野島一人氏によるMGS1のノベライズ『メタルギア ソリッド サブスタンスI -シャドー・モセス-(角川文庫出版/2015年)』においては 死に際の発言が変更されており、 かつて両親とともに搭乗した飛行機において、能力によって両親を含む自分以外の乗員を焼き尽くし、 自身だけが生還したという過去が語られている(初版, 264P)。 また、同氏によるMGSV:TPPのノベライズ『メタルギア ソリッド ファントムペイン(角川文庫出版/2015年)』では その経歴との整合性が取られており、 ゲームでも語られた旅客機を墜落させたエピソードが、先述の両親殺害のエピソードと同一の事件であるとされている。 これについて小説版オリジナルのストーリーとも考えられるが、野島氏は両ノベライズを同時期に執筆するにあたって 当時まだ発売前だったMGSV:TPPのシナリオの提供を受けているため[注]、 制作陣による設定変更である可能性も高い。
彼は作中で様々な超能力を見せている。
初登場のMGS1においては、 ソリッド・スネークとの戦いで 物を触らずに動かす念動力(サイコキネシス)と、人の心を読む読心(リーディング)能力を披露。 その能力をマンティスは”世界最高”と称している。 また、移動の際に彼は常に浮遊しているが、これも念動力によるものだと思われる。 そして、ゲーム本編では明確に描写されていないのだが、 新紀元社より出版されている同作の『シナリオ・ブック』によると 彼は自分の口から声を発しておらず、劇中の台詞はすべて人の心に直接話しかける”精神感応(テレパシー)”であるとされる。 彼の口は手術により縫い合わされており、開くことができなくなっている。 野島一人氏による同作のノベライズ『メタルギア ソリッド サブスタンスI -シャドー・モセス-(角川文庫出版/2015年)』においても同様の記述がある(初版, 263P)。
幼少期が描かれたMGSV:TPPにおいては、彼の能力の原理について言及されている。 彼の脳は、他人の心に潜む”欲求”を”超常現象”という形に変換し、現実世界に出現させる性質を持っていた。 そのきっかけとなるのが、他人の怒りや恨みといった負の感情である。 人間の脳シナプスは微弱な電流で細胞間の連携を取っているが、 この電流は観測困難なレベルで体外に”音漏れ”しており、マンティスの特異な脳はそれを”受信”してしまうのだった。 作中では、その受信領域について『他人の”生物学的場(バイオフィールド)”』という言葉が使われている。 彼は電気信号という形で他人の怒りを受信することで、その人間の精神に没入・同化する性質を持っていた。 そして、その対象の怒りをエネルギー源として、対象の欲求を命令(コード)化する。 その命令とは、対象自身に特異な能力を与えたり、対象以外の別の物体・生物に能力を与え操るといったものである。 マンティスの脳内で感情が反復・増幅した後、彼の脳から放出され実際に現実世界に影響を与えるエネルギーは”電磁波(マイクロウェーブ)”であるとされる。 作中では、炎を発生させる”パイロキネシス”と、 MGS1と同じく触らずにものを動かす”念動力(サイコキネシス)”が確認できる。 ちなみに、彼がパイロキネシスで発火させられる対象は有機体のみであるとされる。
MGS1での能力よりも MGSV:TPPで見られた幼少期の能力のほうがパワーが強力なように見える。 だが幼少期の能力に関して最大の特徴が、 他人の精神に同化している時は彼自身の自我(エゴ)が完全に封印されているという点である。 当時の彼の能力は自らの意思によって自在に操れるものではなく、他人の思念を媒介するツールのようなものであった。 大人になる過程で、彼は自分の意志で能力を次第に制御できるようになる反面、幼少期ほどのパワーを発揮できなくなっていった、 あるいは自ら抑制していったのだと思われる。 MGSV:TPPでは”イーライ”などの年の近い子供の心と共鳴することで 少しずつ彼自身の自我が表出するようになっている様子が描かれているが、 作中ではその理由の一つとして、脳神経の情報伝達を高速化させる『ミエリン鞘』という絶縁体が 子供ではまだ未発達であるため、先述したような感情の”音漏れ”がしやすいという話が挙がっている。 これは逆に考えると、受容体(レセプター)としてだけでなく、エネルギー発生源(エネルゲチカ)としての能力も大人になるにつれて弱まっていくと捉えることができる。
ちなみにMGS1で語られた、 FBI時代に連続殺人者の精神に没入し猟奇殺人を起こしてしまったという経歴について、 何らかの理由で幼少期と同じように自我を失う現象が再び発生してしまったためであると考えられる。 これについて野島一人氏の小説『メタルギア ソリッド サブスタンスI -シャドー・モセス-(角川文庫出版/2015年)』では 他人の精神に没入した後には精神を”浄化”する時間を設ける必要があると語られ、 FBIでの事件は組織が彼に充分な時間を与えなかったためであるとされる(初版, 248P)。
ゲーム中に使用するカードの一つとしてMGS1より『サイコマンティス』が登場。
ゲーム中に使用するカードの一つとしてMGS1より『サイコマンティス』が登場。 性能の異なる『サイコマンティス+』のカードもある。
MGS1の”デジャヴ(déjà-vu/既視感)”を楽しむSIDE OPS『デジャヴ・ミッション』において、 ステージ内で再現するデジャヴのひとつとして『マンティス』というタスクがあり、 達成するとMGS1時の”ローポリゴン”なサイコ・マンティスが登場し、 画面が真っ暗になり右上に『ヒデオ』と表示される演出を見ることができる。 その際、カズヒラ・ミラー役の杉田智和氏による『ブラックアウト!』という音声が流れる。
ちなみに、デジャヴ・ミッションの難易度NORMALで『メタルギアクイズ』に全問正解してクリアすると、 タイトル画面にてプレイヤーキャラクターのスネークが MGS1のローポリゴンなソリッド・スネークに切り替わるのだが、 その際にもブラックアウトとヒデオの演出が使用されている。
ヒロインとのデートで映画館を訪れると『メタルギアソリッド』という映画が上映されている。 PS1『METAL GEAR SOLID』のメインテーマが流れ、スクリーンにはゲームの画面(静止画)が写し出されるのだが、 その中でサイコ・マンティスの姿も登場。その際には画面右に『ときメモが好きなようだ』という字幕が表示されている。
本作にプレイヤーキャラクターとして参戦しているスネークを使用した際、 ステージ『シャドーモセス島』で『スマッシュアピール』を行うとMGS1のような無線画面で 対戦相手のキャラクターに関する会話を聴くことができるのだが、 『ネス』に関してロイ・キャンベルと会話する中で、 スネークは彼と同じく超能力者であるサイコ・マンティスを引き合いに出している。
スマブラXにおける『ネス』の無線が再録されている。
MGSV:TPPに登場する”第三の子供”が サイコ・マンティスと同一人物であるとはゲーム中では明言されていない。 これについて、同作の制作中にシナリオが共有されることで執筆された野島一人氏の小説『メタルギア ソリッド ファントムペイン(角川文庫出版/2015年)』では同一人物として扱われている。 本頁においても両名は同一人物として扱う。
ちなみに、小島秀夫監督もSNSで第三の子供のグッズ(フィギュア)を『マンちゃん』と呼んでいる (小島秀夫監督の公式Twitterより)。
MGS:TTSのデモシーンではモーションキャプチャ手法が用いられているが、 同作のエンドクレジットではモーションキャプチャを務めたアクターの名前とキャラクターの対応が明記されていないため 彼のアクターは不明である。
角川書店が運営する情報サイト『WebNewtype』におけるコンテンツ 『万城目学&野島一人「メタルギア」対談[前編](2019-09-14 現在)』にて、 ノベライズの執筆にあたって発売前だったMGSV:TPPのシナリオを参照していた旨が記述されている。
正式名称は”コナミコンピュータエンタテインメントジャパン”。 かつて小島秀夫監督が所属していた”コナミコンピュータエンタテインメント大阪”の”開発第5部”が 独立することで1996年に発足したゲーム制作会社。 後に2005年から2015年までコナミ内に存在した小島監督の制作チーム『小島プロダクション』の前身である。 メタルギアシリーズでは、『METAL GEAR SOLID(1998年)』から『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER(2004年)』までが このKCEジャパン時代の作品となる。
MGS1のボス戦の攻略方法としてPS1のコントローラーの端子の差し替えがあるが、 PS3などのゲームアーカイブスでプレイしている場合は差し替えができないため、 PSボタンからコントローラー設定を変更することで対応可能となっている。
MGS1でサイコ・マンティスの声優を務めた曽我部和恭氏は まだMGS4の制作初期であった2006年の9月に亡くなっている。 そのためMGS4におけるサイコ・マンティスの演技は 基本的に飯塚昭三氏が務めているが、MGS1と同様の台詞を喋る場面においては 曽我部氏のライブラリ音声も使用されており、両名の声が重なるような演出となっている。 なお、MGS4のエンドロールにおいては、 ”サイコ・マンティス”の役名では曽我部氏の名前がクレジットされており、 飯塚氏はBB部隊全員のビースト面の演技を務めたため”ビースト”の役名でクレジットされている。
MGS4で天の声(小島秀夫監督)が叫ぶ名前『クタラギさん』とは、 ゲームハード”PlayStation”の開発プロジェクトの中心人物であり、 かつてソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の代表取締役社長、CEOを務めた ”久夛良木健(くたらぎ けん)”氏のことである。
この演出について小島監督は、 MGS4開発中にはまだPlayStation3のコントローラーに振動機能が採用されていなかったため、 マンティスが困り、小島監督が久夛良木氏に振動機能の搭載をお願いするという企画だったものが、 開発終盤に振動機能が入ったことで現状の演出になったと明かしている (小島秀夫監督の公式Twitterより)。
MGSV:TPPの字幕にて ”第三の子供”のルビで”トリーチェゴ・レビョンカ”と表記されているが、 これは”第三の子供”に対応するロシア語である”третий ребенок”の発音を カタカナで表したものである(もとはソ連の人間により付けられたあだ名であったため)。 また、クレジットではこのロシア語の発音を表すアルファベット表記として”Tretij Rebenok”が用いられている。