月光(げっこう/Gekko)は、メタルギアの正史シリーズに登場する”二足歩行戦車”で、 人工知能(AI)によって制御される無人兵器。 技術的には兵器シリーズ『メタルギア』の一種であるが、 全高が4.2m[注]と比較的小型で、通常兵器とその体躯によって 人間の兵士を対象とした白兵戦を主な役割とすることから、”亜種”という位置づけになっている。 しかし、カスタムによっては核装備も可能であり、本来のメタルギアのコンセプトである ”核搭載二足歩行戦車”を満たす形態も存在する。
2010年代に入り、戦争経済の拡大に乗ずる形で 主に世界中の民間軍事請負企業(PMC)に採用されて爆発的に普及、実働数が旧来の戦車を凌ぐまでに至っている。 開発は米国の兵器開発会社『アームズ・テック(ATセキュリティ)』。 製品名(正式名称)は”アーヴィング”であり、”ヤモリ”という俗称も持つ。
名前 | 月光 (Gekko) |
製品名 | アーヴィング (Irving) |
別名 | ヤモリ (Gecko/Lizard) |
全高 | 4.2 m[注] |
全長 | 2.6 m[注] |
全幅 | 1.8 m[注] |
通常装備 |
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オプション装備 |
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核装備 | 後項『核装備について』を参照のこと |
乗員 | AI制御 (無人) |
開発組織 | アームズ・テック (ATセキュリティ) |
主な登場作品 |
舞台は2014年。 戦争経済が主要なビジネスモデルとなり、 世界中で民間軍事請負企業(PMC)が台頭する代理戦争が繰り広げられており、 その中で装備の潤沢な大手PMCはアームズ・テック製の無人兵器 『月光』を採用し、大きな戦力としている。 劇中では”リキッド・オセロット”の統括するマザーカンパニー『アウターヘブン』傘下の 大手PMCが自社戦力として月光を投入しており、 全編を通してゲームステージにてプレイヤー=”オールド・スネーク”の前に立ちはだかる。 劇中で月光を運用していることが確認できるPMCは『プレイング・マンティス(Act1)』、 『ピューブル・アルメマン(Act2)』、『レイブン・ソード(Act3)』、 『ウェアウルフ(Act4)』。
それら大手PMC各社は主に各国の現政権側(政府軍)に雇われており、 小規模PMCや現地民兵によって構成される反政府軍やレジスタンス組織にとっても 月光が大きな脅威となっている。Act1、Act2の戦場では政府軍側が勝利した際に、 PMCが自社宣伝を兼ねて放送する戦場アナウンスを聴くことができるが、 その中でも使用された無人機として『アーヴィング(月光)』が紹介されている。 Act4の終盤では本体の色が通常と異なった黒色の『自爆型月光』が大量に登場し、 それらを排除するイベントが発生する。 Act5でもリキッド・オセロットの指揮する 巨大戦艦『アウターヘイブン』の甲板にて月光がプレイヤーの行く手を阻む。
ゲームステージで遭遇した場合、通常敵の中では強敵の部類に入り、基本的には重火器による攻撃が対抗手段となるが、 実際にはライフル類などでも装甲の薄い脚部(特に膝裏)へ攻撃することで転倒させることができ、 転倒後に頭部の弱点(上部中央の平らな部分)を攻撃することでダメージを与えられるという攻略法が用意されている。 方法が分かっていれば、装備の少ないAct1の初対峙時からでも 容易に撃退することが可能である。
舞台は2018年。 ”サイボーグ”が台頭する新たな代理戦争の時代が到来しており、 かつて戦場管理システム『サンズ・オブ・ザ・パトリオット(SOP)』が隆盛していた時代(MGS4)から引き続き 戦場には多様な無人兵器が投入され、『月光』も相変わらず民間軍事請負企業(PMC)の軍事力として運用されている。 ゲームステージでもプレイヤーキャラクターであるサイボーグ”雷電”の前に度々立ちふさがる。 だが戦闘力の高いサイボーグが蔓延する戦場においては相対的にその驚異性は低下しており、 雷電のミッションをサポートする科学者”ヴィルヘルム・フォークト(ドクトル)”も この時代の月光をすでに『SOP時代には猛威を振るった』、『旧式』、『旧世代の兵器』と評している。 現にゲームプレイ上においても、本作では比較的倒しやすい部類の敵になっている。 しかし一方で、雷電の雇い主である”ボリス”の話によれば、 2018年現在でも従来より性能を向上させた新たな型番の月光がアームズ・テック社により製造されているようである。 また、ボリスの経営する民間軍事警備会社(PMSCs)『マヴェリック・セキュリティ・コンサルティングInc.』では 契約兵士(コントラクター)向けに”対月光(アーヴィング)戦術”の指導を行っているとも語られている (雷電がその講師を務めていたらしい)。 それらの話を踏まえると、脅威性は低下しながらも依然として代理戦争における投入数は多く、 定番兵器であるという位置づけは変わっていないようである。
ちなみに、劇中で最新型として『ブロック30』という型番が紹介されており、 それは従来のものに比べ、『パワープラントの筋収縮速度が6%向上』、 『シャーシにハニカム構造のBFRP(ボロン繊維強化プラスチック)を採用して軽量化と対弾性をアップ』、 『出力は650馬力のまま変わらないものの、敏捷性(アジリティ)が増加』と その特徴が語られている。ただしここで言う”従来”がどの時期に製造された月光を指すのかは不明。
MGS4における”オタコン”との無線において、 本機は戦争経済という時代背景に合わせて 『核攻撃プラットフォームとしての機能に加え、市街戦への大量投入、歩兵との随伴・協働』という 能力を持つ、新しい存在意義を課せられたメタルギアの進化型であるということが語られる。 加えてオタコンは 『派生型や任務内容によっては、核兵器の搭載オプションを必ずしも備えない』とも語っている。 つまりオプションとして核装備が可能なようだが、それが実際にはどのような機構であるのか、 また劇中に登場している機体に核を搭載したものが含まれるのかについては明言されていない。 MGS4のAct4に登場した『自爆型』が 実は小型な核爆弾による爆発であるなどの可能性も考えられる。
代表的な呼び名である『月光 (げっこう)』と、製品名 (正式名称)である『アーヴィング (Irving)』については、 『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001年発売)』にて 『メタルギアREX』、『メタルギアRAY』の名称が 第二次世界大戦中に旧日本軍の戦闘機に対して米軍が付けたコードネームが元であるとが語られていることから、 メタルギアの亜種である本兵器の名称も 旧日本軍の戦闘機『月光』と、それに対する米軍のコードネーム『Irving』が由来であると思われる。 しかし、製品名の『アーヴィング』に対して『月光』がどういう位置づけの名称であるのかは明言されていない。
月光は『ヤモリ』という俗称でも呼ばれている。 これは『月光 (Gekko)』という日本語の発音と、爬虫類の”ヤモリ”を表す英単語『Gecko』の発音が似ていることに由来する。 なお、ゲームの英語版ソフトにおけるセリフでは、発音が似ているGekkoとGeckoでは区別が付かないため、 ヤモリのもっと広義な生物の分類である『Lizard (リザード/トカゲ)』という名前で呼ばれている。 ややこしいが、登場人物たちが実際に話している言語は英語であるため、 設定上は『”Gekko (月光)”と”Gecko (ヤモリ)”の発音が似ている』 →『”Gecko”は”Lizard (トカゲ)”の一種』 →『Gekko (月光)を”Lizard”と呼ぼう』という俗称の成立が本来は正しいということになる。
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2010年代初頭に兵器開発会社「アームズ・テック」が開発した無人二足歩行兵器。 通称”月光(げっこう)”や”ヤモリ”と呼ばれ、製品名は”IRVING(アーヴィング)”。 2010年代に戦争経済が拡大してからは量産され、PMCに急速に普及した。 そのため代理戦争に大量に投入され、旧来から存在した戦車のような兵器よりも実働数が多くなった。 無人兵器であるため的確な状況判断を行うための人工知能(AI)が搭載されている。 また、生物の認識は視覚情報だけでなく、赤外線センサーも併用されるため ステルス迷彩などを装備していても認識されてしまう。 本体が起動している際、牛とセミを思わせる鳴き声を発しているが、 これは心理的に人間を油断させるために搭載された機能である。
その自立制御技術やコンセプトは核搭載二足歩行戦車「メタルギア」のものが流用されたため、 メタルギアの亜種であるという見方もある。 現に本体の頭部はかつてアームズ・テック社がペンタゴンの資金を得て開発していた 「メタルギアREX」によく似ている。
しかし下半身、つまり自立するための"脚"である部分は頭部とは対照的に生物的な外見をしている。 これは21世紀以降のナノマシンをはじめとするバイオテクノロジーの進歩によって生み出された 人工筋肉が使用されており、モーターが不要で、動物の脚のような電気信号による 生物的な動きが可能になったためである。 さらにその筋力は自然界の動物のそれを大きく上回り、数十メートルを跳躍するほどの脚力を有している。 走るスピードも自動車に匹敵する。 機銃を装備しているが、その巨体とスピードで体当たりやキックを繰り出すことも大きな攻撃手段である。
弱点は頭の上についている制御装置。しかし頭部の位置が高く、素早く動くため、通常人間が対抗するのは難しい。 生物的であるが故に傷つきやすい脚部を攻撃すれば一時的に足止めは可能だが、ナノマシンにより猛スピードで自己修復する。 切断されれば修復は不可能だが、片足での自立も可能で、制御装置を破壊しない限り機能は停止しない。
『メタルギアソリッドV ファントムペイン(2015年発売)』のプロモーション用に公開された 歴代兵器の比較図に記載されている。 同作の公式サイト(2022-12-29 現在)に 画像が掲載されているが、これは解像度が低いため数字が潰れてしまっている。 2022年現在、数字が確認できる高解像度画像は公式のWebサイトでは閲覧することができない。
MGS4の劇中では オプションとして頭部に対戦車ミサイルを装備している機体が確認できるが、 その具体的な種類は有識者が映像から判断するしかない。 本ページに記載している情報は、辞書サイト『Wikipedia』を出典としている。
MGS4の劇中では オプションとして頭部に重機関銃を装備している機体が確認できるが、 その具体的な種類は有識者が映像から判断するしかない。 本ページに記載している情報は、銃火器データベースサイト『MEDIAGUN DATABASE』を出典としている。