ネイキッド・スネーク(Naked Snake)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、 米国・CIAの特殊部隊『FOX』の隊員として活躍した優秀な兵士・諜報部員。 その名は同部隊における”暗号名(コードネーム)”であり、 1964年の『ヴァーチャスミッション』、 および『スネークイーター作戦』において ソ連への単独潜入ミッションを遂行するエージェントとして参画した際に 指揮官の”ゼロ”から与えられたものである。 ”ネイキッド(裸)”という名はゼロ曰く、同作戦では武器、装備、食料がすべて現地調達であり、 その一切を持たずに敵地へ潜入する必要があったことに由来する。 主な登場作品は、それらの作戦に纏わる一連の事件が描かれる『メタルギアソリッド3 スネークイーター(2004年発売/以下、MGS3)』。 同作において主人公(プレイヤーキャラクター)を務める。
先述したFOX部隊の作戦により、 冷戦という時勢の中でこじれた米ソ関係が無事修復され、大国による核戦争という最悪の事態が回避された。 この功績が讃えられ、最大の功労者であるネイキッド・スネークには、 合衆国大統領より”真の愛国者”として”ビッグボス”の称号が与えられた。 後に彼はFOXを除隊、さらには米国を去り、 傭兵として世界各地の戦場を渡り歩く中で”20世紀史上最強の兵士”と謳われる神話的な存在となる。 そのため、後世においてそういった彼の生涯を振り返る上では ビッグボスという名前が最も有名な通り名となっている (詳しい人物像、経歴については『ビッグボス』のページを参照のこと)。 しかし、MGS3と同じく彼がプレイヤーキャラクターを務める 『メタルギアソリッド ポータブル・オプス(2006年発売/以下、MPO)』、 『メタルギアソリッド ピースウォーカー(2010年発売)』、 『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ(2014年発売)』の3作品を見ると、 彼が米国を離れた後も、少なくとも1970年代までは”スネーク”の通り名を使用していたことが分かる。 MPOにおいては、再び”ネイキッド・スネーク”の呼称も登場している。
また、1972年に米国の非政府諜報機関『サイファー』により実施された 『恐るべき子供達計画』において ネイキッド・スネーク(ビッグボス)はその”雛形”となり、 彼の”体細胞クローン”として誕生した3人の戦士が 後に暗号名を引き継ぎ”ソリッド・スネーク”、”リキッド・スネーク”、 ”ソリダス・スネーク”と呼ばれた。 リキッド、ソリダスに関しては不明だが、 ソリッド・スネークの暗号名は彼が米陸軍の特殊部隊『FOXHOUND』に所属した際に 当時同部隊の指揮官であったビッグボスから直接与えられたものである。 ソリッド・スネークはFOXHOUNDでの活躍を経て ”単独潜入のエキスパート”として知られ、その風貌も相まってオリジナルの若き日(スネーク)の姿を最も体現している。 それに対し、リキッド、ソリダスの2人は オリジナルの晩年(ビッグボス)の部分を強く引き継いだ生涯を送った。
なお、メタフィクション的な話をすれば、 もともと初期の作品からビッグボスというキャラクターは登場していたものの、 彼の若き日の姿である”ネイキッド・スネーク”というキャラクター像は メタルギアシリーズにおける最初の主人公であるソリッド・スネークよりも後に創造されたものである。 これはMGS3において、 先の作品よりも過去の時代を舞台としながらも再び『スネーク』をプレイヤーキャラクターに据えるための ゲーム的にユニークな仕掛けとして働いている。 ソリッド・スネークと ネイキッド・スネーク(若き日のビッグボス)が近しいキャラクター像を持っているのもそれが理由である。 また、1980年代を舞台とした『メタルギアソリッドV ファントムペイン(2015年発売)』においては、 2人の『スネーク』の橋渡し役のような存在として”ヴェノム・スネーク”というキャラクターが主人公に据えられている。