メタルギア2 ソリッド・スネーク(METAL GEAR 2 SOLID SNAKE)は、1990年にコナミから発売されたMSX2用ゲームソフト。 メタルギアシリーズで2作目の”小島秀夫監督作品”であり、 ストーリー的に正史シリーズの中核を構成する作品となっている。 前作(メタルギア)の基本的なゲーム性を引き継ぎつつ、 後の”メタルギアソリッド”シリーズの基盤ともなる様々なゲームシステムや 重厚なストーリー、キャラクター像が本作で確立されている。 後に様々なプラットフォーム向けに移植が行われている。
タイトル | メタルギア2 ソリッド・スネーク(METAL GEAR 2 SOLID SNAKE) |
開発元 |
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発売元 | コナミ |
ゲームデザイン | 小島秀夫(監督、プロデュース) |
脚本 | 小島秀夫 |
プログラム[注] |
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美術[注] |
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音楽[注] |
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ジャンル |
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プレイ人数 | 1人 |
プラットフォーム |
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発売日[注] |
MSX2
携帯アプリ
PlayStation 2[注]
バーチャルコンソール(Wii)
PlayStation 3、Xbox 360[注]
PlayStation Vita[注]
Xbox One
Nintendo Switch、PlayStation 5|4、Xbox Series X/S、Steam(マスターコレクション)
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対象年齢 | CERO:B(12才以上対象)[注] |
公式サイト | https://www.konami.com/mg/archive/mg2/(移植版/2021年現在) |
前作 | |
次作 | メタルギアソリッド(1998年/正史シリーズ) |
1990年にMSX2専用として発売されたゲームソフトで、 メタルギアシリーズにおける2作目の”小島秀夫監督作品(A HIDEO KOJIMA GAME)”。 前作(メタルギア/1987年発売)では一直線だった敵兵の視界が広くなり、 壁をノックしたり特定の地面を歩くことで発生する”音”に敵兵が反応するという『聴覚』もゲームデザインに組み込まれた。 さらには敵兵を探知する”レーダー”や、新アクション”ほふく前進”も追加。 敵兵に発見された時のモードも”危険”、”回避”と段階的になった。 シナリオ面でもセリフ量が前作から格段に増加し、政治色、SF色の強い重厚なストーリーが描かれている。 ”ソリッド・スネーク”をはじめとしたシリーズを代表するキャラクター達についても、 その詳細な人物像や行動動機が本作で初めて深堀りされた。 こういった様々な要素が後の『メタルギアソリッド(1998年発売)』でも踏襲されており、 本作が後のメタルギアシリーズのゲームデザインの基盤を確立したとも言える。 前作と同じMSX2という枠組みの中でそのハードの性能を限界まで引き出し劇的な進化を遂げた本作は、 コナミによるMSX2ゲームの最終作となった。 後に様々なプラットフォームへの移植が行われている(詳しくは後項『ゲームソフトバリエーション』を参照)。
ちなみに、小島秀夫氏がメタルギアシリーズから離れている間に 別部署で開発された海外向けの続編『スネークズリベンジ(1990年発売)』が 本作が開発されるきっかけになったという逸話が残っている(詳しくは『スネークズリベンジ』のページを参照)。
1990年代、東西冷戦の雪解けが始まり、各地の地域紛争も融和に向かっていた。 90年代も後半に差し掛かり21世紀を目前に控えると、 世界では核の脅威の時代は終わりを迎えるというムードが高まっていた。 しかしそんな時勢の中、中央アジアで不穏な動きが見られた。 ロシア、中国、中近東に隣接する『ザンジバーランド』と呼ばれる小国に軍事政権が樹立。 ザンジバーランドは世界各地の『廃棄用核兵器貯蔵庫』を襲撃し、 廃棄前の核兵器を奪うことで核武装を遂げたのだった。 さらに、隣国に対して無差別侵攻を開始した。
一方、世界で石油の可採年数が話題となり、来るべきエネルギー危機がささやかれる中、 チェコの生物学者”キオ・マルフ”博士によって高純度の石油を精製する微生物(微細藻類)『OILIX(オイリックス)』が発明される。 しかし、マルフ博士はアメリカで開催される学会に出席するために渡航していたところ、 その道中でザンジバーランドによって拉致されてしまう。 ザンジバーランドは核兵器とOILIXによって軍事的優位を確立しようとしていた。
この事態を受け、西側はハイテク特殊部隊『FOXHOUND(フォックスハウンド)』に対し ザンジバーランドへの諜報作戦を要請。 FOXHOUNDは、4年前(1995年)の”OPERATION INTRUDE N313(メタルギア)”において たった一人で武装要塞国家『アウターヘブン』を陥落させた元隊員”ソリッド・スネーク”を呼び戻した。 彼に与えられた任務は、ザンジバーランドの武装要塞に単独潜入し、科学者キオ・マルフを奪還すること。 1999年12月24日、潜入ミッション”OPERATION INTRUDE F014(オペレーション・イントルード・F014)”が始動する。
人物名をクリックするとネタバレを多く含むページへと移動するため、ゲームを未プレイの方は要注意。
移植版で名前が変更された人物については変更後のものを記載し、 カッコ書きでオリジナル版(MSX2版)の名前も補足している。 移植版の種類と内容については後項『ゲームソフトバリエーション』を参照。
本作は、メタルギアシリーズ第1作目であるMSX2用ゲームソフト『メタルギア(1987年発売/以下、MG1)』の正当な続編であり、 なおかつシリーズにおける2つ目の”小島秀夫監督作品(A HIDEO KOJIMA GAME)”として数えられる。 本作『メタルギア2 ソリッド・スネーク』の直接の続編が、後の”メタルギアソリッド”シリーズの第1作目である『メタルギアソリッド(1998年発売/以下、MGS1)』であり、 いわゆる正史シリーズの中核を構成する作品の一つとなっている。
MGS1以降の作品によって、本作のストーリーには”肉付け”が行われている。 本作で描かれた事件は後世において『ザンジバーランド騒乱』と呼ばれている事件とされた。 また、この事件が発生するに至った背景や登場人物たちの関係性についても、シリーズが進むにつれて 真相が明らかにされるという形で次第に詳細化されていくこととなった。 事件の詳細や他作品との時系列的な繋がりについては 用語事典の『ザンジバーランド騒乱』のページや 『正史シリーズにおける時系列と年表』のページ等で解説しているが、 シリーズをプレイしていない場合には重大なネタバレが含まれるため注意。
日本国内版のゲームソフトのバリエーションを紹介する。 本作は様々なプラットフォームへの移植が行われており、 大きく分けると内容の異なる3タイプが存在するため、それらについても分類して解説する。
オリジナル版の発売から14年後の2004年に『コナミネットDX』にて配信された携帯(ガラケー)アプリ向けの移植版。 コナミネットDXのサービス終了に伴って新規購入ができなくなっている(2021年現在)。 オリジナル版との違いは後項で解説。
純粋な移植版ではなく、新規要素の追加や遊びやすさに配慮した変更が行われていることから 公式のプロモーションで”復刻”という表現が使われている。 本ページでは便宜上、後項『復刻版』で扱うバージョンとは棲み分けするが、 この携帯アプリ版が復刻版のベースとなっている。
オリジナル版からの変更点は主に以下の通り。
2005年に発売されたPlayStation 2用ソフト『メタルギアソリッド3 サブシスタンス(以下、サブシスタンス)』に付属的に収録され、 後に複数のプラットフォームでプレイ可能となった移植版。 いずれの商品形態でも前作『メタルギア(1987年発売/以下、MG1)』の復刻版とセットになっている。
復刻版は前項で解説している『携帯アプリ版』がベースとなっており、 基本的には携帯アプリ版におけるオリジナル版からの変更点をすべて踏襲した上で、 家庭用ゲーム機向けに操作方法が調整されている。
2021年現在、単体での販売はない。復刻版が収録されている作品は以下の通り。
プラットフォーム |
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備考 | 『メタルギアソリッド3 スネークイーター(以下、MGS3)』の新規要素追加版。 追加要素の1つとしてMG1、MG2の復刻版が収録。 MGS3本編とはディスクが分かれている。 |
プラットフォーム |
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備考 | 上記のMGS3新装版と同内容のゲームディスクが収録されている。 |
プラットフォーム | PlayStation 3 |
備考 | 上記の『メタルギアソリッド HDエディション』の PlayStation 3版が収録されている。 |
2010年に任天堂の『バーチャルコンソール』でWii向けに配信された移植版。 このサービスは基本的に当時のゲームをそのままの形で提供するものであるのだが、 本作に関しては携帯アプリ版、復刻版に見られる変更点のうち、 『キャラクターデザインの一新』、『キャラクター名の変更』だけが適用されているという 特殊な移植版となっている。 無線画面における顔グラフィックも、携帯アプリ版時点で描き下ろされたドットグラフィックを MSX2実機で表現できた色数で再構築している。
2021年現在、Wii向けのサービスが終了しているため、新規の購入はできなくなっている。
2023年に複数の現行プラットフォーム向けに発売された メタルギアシリーズの移植版コレクション『メタルギアソリッド マスターコレクションVol.1』に 本作『メタルギア2 ソリッド・スネーク』も収録された。
プラットフォーム |
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ゲーム本編は『復刻版』と同等のバージョンとなっているが、ストーリーや ゲームの攻略情報が掲載された様々なデジタルコンテンツもあわせて収録されている。
スタッフの名前について、本編のエンドクレジットではアルファベット表記になっている。 漢字表記については、公式資料ではないが、、 テレビゲーム開発スタッフについてまとめている個人サイト『GameStaff@wiki』の コナミのページの 『開発3課 (1983~)』の項目を参照(2020-12-25現在)。
スタッフの名前について、本編のエンドクレジットではアルファベット表記になっている。 漢字表記については、公式資料ではないが、 ユーザー編集系辞書サイト『Wikipedia』の『コナミ矩形波倶楽部』のページを参照 (2020-12-25現在)。
PlayStation 2版の発売日は、厳密には本作の復刻版が付属的に収録された 『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』の発売日となる。 北米(北アメリカ)についてはアメリカ合衆国(US)における発売日、 欧州(ヨーロッパ)についてはイギリス(UK)における発売日をそれぞれ目安として記載している。
日本(JP)、アメリカ合衆国(US)については 同作の旧公式サイト(WaybackMachine)の 各言語圏向けページの『最新ニュース(LATEST NEWS)』に記載あり(2021-01-24現在)。 イギリス(UK)については ショッピングサイト『Amazon(イギリス向けサイト)』の 商品ページ(2020-12-22現在)を参照。
PlayStation 3版、Xbox 360版の発売日は、厳密には本作の復刻版が付属的に収録された 『メタルギアソリッド HDエディション』の発売日となる。 北米(北アメリカ)についてはアメリカ合衆国(US)における発売日、 欧州(ヨーロッパ)についてはイギリス(UK)における発売日をそれぞれ目安として記載している。
日本(JP)については 同作の公式サイト(2020-12-23現在)に記載あり。 アメリカ合衆国(US)、イギリス(UK)については ショッピングサイト『Amazon』の各国向けサイトの商品ページ( US、 UK /2020-12-23現在)を参照。
PlayStation Vita版の発売日は、厳密には本作の復刻版が付属的に収録された 『メタルギアソリッド HDエディション』の『Vita版』の発売日となる。 北米(北アメリカ)についてはアメリカ合衆国(US)における発売日、 欧州(ヨーロッパ)についてはイギリス(UK)における発売日をそれぞれ目安として記載している。
日本(JP)については 同作の公式サイト(2020-12-23現在)に記載あり。 アメリカ合衆国(US)、イギリス(UK)については ショッピングサイト『Amazon』の各国向けサイトの商品ページ( US、 UK /2020-12-23現在)を参照。
CEROが設立されたのは2002年のため、 それ以前に発売した本作のオリジナル版には認定はない。 記載しているものはバーチャルコンソール版に対する認定である (コナミの商品紹介ページ(2020-12-25現在)を参照)。