マット・キャンベル(Matt Campbell)は、メタルギアの正史シリーズに登場する人物で、 ”ロイ・キャンベル”の実の弟。兄と同じく元米軍兵士であり、湾岸戦争で戦死した。 戸籍上は彼が”メリル・シルバーバーグ”の父親となっているが、 血縁上はメリルはロイの娘である。 劇中ではその存在だけが語られ、姿は登場していない。
なお、厳密には正史シリーズにおけるロイ・キャンベルの弟の名前は不明であり、 ”マット”という名前は外伝作品でのみ語られている。 本ページでは正史シリーズでの人物像を主として扱うが、 便宜上その名前を表題としている。
名前 | マット・キャンベル (Matt Campbell)(『スネークテイルズ』より) |
性別 | 男性 |
国籍 | アメリカ合衆国 (U.S.A) |
所属組織 | 米軍 |
主な登場作品 | 言及のみ(後項『作中での活躍』を参照のこと) |
元FOXHOUND司令官”ロイ・キャンベル”の実の弟。 少なくとも1970年より以前から兄(ロイ)と共に米軍に所属していた兵士であり、 やがて1990年代初期の『湾岸戦争』で戦死を遂げる。 彼は生前結婚しており 娘(=”メリル・シルバーバーグ”)がいたのだが、 実際にはメリルは、 ロイと彼の弟の妻との間にできた子供であった。 ロイは弟の死後に、弟の妻からの手紙によって その事実を知ったとされるが、弟自身がメリルを実の娘ではないと知っていたのかは不明である。
なお、正史シリーズでは ロイ・キャンベルの弟の名前(ファーストネーム)は明かされていない。 便宜上、本ページの表題としている”マット”という名前は、 正史シリーズとは世界観を分ける 外伝作品の『スネークテイルズ』においてのみ語られている。
舞台は2005年。後に『シャドーモセス島事件』と呼ばれる事件が描かれる。 本作の主人公”ソリッド・スネーク”の盟友である 退役軍人”ロイ・キャンベル”に弟がいることが明かされ、 その弟の娘(=キャンベルの姪)として登場する女性兵士”メリル・シルバーバーグ”と スネークは共闘することになる。 キャンベルの弟はかつての湾岸戦争で戦死を遂げた元軍人であると語られ、 劇中でメリルは その父を追うように軍人の道を選んだという過去を明かしている。
だが、本作の”メリル死亡エンディング”を迎えると、 キャンベルの口から、 実際にはメリルはキャンベル自身の娘であったことが明かされる。 彼はその真実を弟の妻からの手紙によって知り 『作戦が終わったらメリルに打ち明けるつもりだった』と語る。 なお、”メリル生存エンディング”ではこの事実は明かされないのだが、 後の時代を描いた『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(2008年発売)』では スネーク(=プレイヤー)がこの事実を知っており、 なおかつメリルが生存していることが前提のストーリーとなっている。
舞台は1970年。後に『サンヒエロニモ半島事件』と呼ばれる事件が描かれる。 本作では主人公”ネイキッド・スネーク”のパートナー的な存在として 当時グリーンベレー(米陸軍特殊部隊)の隊員であった 若き日の”ロイ・キャンベル”が登場するのだが、 ゲームステージにおいてスネーク以外のキャラクターを操作している時に キャンベルに無線連絡を行うと聴く(実際には読む)ことのできる話の中に、 彼の弟に纏わる話が存在する。
キャンベルは、自分には同じ軍人の弟がいると話し、 彼ら兄弟が同じ一人の女性と恋に落ちてしまったという過去を明かす。 キャンベルはかつて海兵隊に所属していたのだが、 グリーンベレーへの移籍を志願したことが『弟のためにあえて身を引くための”都合のいい口実”』だったのだと語る (その際、”自分はふられたわけじゃない”ということをムキになって訴えており、何かを匂わせている)。 あくまで明言こそされていないが、このエピソードが MGS1で語られた将来の彼らの複雑な人間関係の遠因であることが暗示されており、 2人が恋に落ちた女性こそが 後のキャンベルの弟の妻(=”メリル・シルバーバーグ”の母親)であるという可能性が考えられる。
収録されている短編ストーリーの一つ『Confidential Legacy』にて、 主人公”ソリッド・スネーク”のかつての上官”ロイ・キャンベル”の弟として、 元DIA(米・国防情報局)局員”マット・キャンベル”の名前が語られる。 すでに故人であり、本人の登場はない。 マットの娘として”メリル・シルバーバーグ”が登場し、 彼ら家族と、かつて冷戦の時代にロイ・キャンベルが敵対していたという 元GRU大佐”セルゲイ・ゴルルコビッチ”の間にある因縁に纏わるストーリーが描かれる。 基本的には正史シリーズと近いものの 立場や経歴が再設定されたマットらの複雑な家族関係も、 本シナリオの軸となっている。
シナリオの中盤、ロイの口からマットの過去について語られる。 マットは冷戦中、当時親米的な独裁政権が治めていた 南米の小国”エルデラ共和国”にて米軍が極秘裏に進めていた、 核搭載二足歩行戦車”メタルギア”の開発プロジェクトに関わっていた。 後に冷戦の終結と共にプロジェクトは打ち切られ米軍は撤退するのだが、同時にマットは失踪。 やがてエルデラで、米国という後ろ盾を失った独裁政権に対して少数民族が蜂起し内戦が勃発すると、 その渦中でマットの死体が見つかったのだという。 蜂起の裏ではスペツナズ(旧ソ連特殊部隊)が暗躍しており、 当時その指揮を執っていたのがゴルルコビッチであった。 ロイは長年、マットを殺したのがゴルルコビッチであると信じ、彼を追い続けていたのだった。 やがてシナリオの終盤、彼の読みは当たっていたことが明らかとなる。
ゴルルコビッチはメリルに対し、マットは現地の少数民族を助けたいという”理想”のために米国を裏切って自分と協力関係にあり、 やがて米軍の手によって殺害されたと吹き込んで彼女を利用していたのだが、 マットが米国を裏切りゴルルコビッチと組んでいたことは事実だった。 ”殺害”の理由についてはゴルルコビッチの口から マット自身がそう望んでいたと語られる。 やがてエンディングにて、ロイの口からマットが米軍を裏切った遠因が明かされる。 メリルは実際には、ロイがマットの妻との間に作った子供であり、 それが原因でマットは家族を恨み、彼らから逃げるようにエルデラでの任務に身を投じていたのだった。 詳細は語られないが、ゴルルコビッチにその”弱み”を利用されていたのだとされ、 先述した死への願望もそれが理由であったことが暗示されている。
本作にファイター(プレイヤーキャラクター)として参戦している”スネーク”を使用した際に ステージ『シャドーモセス島』で”スマッシュアピール”というアクションを行うと MGS1のような無線画面で 対戦相手のキャラクターに関する会話を聴くことができるという仕掛けがあるのだが、 対戦相手が”ルイージ”の時に”ロイ・キャンベル”が 『兄に勝る弟などいない!!』と発言する場面がある。 キャンベルは先に、”マリオ”の弟であるルイージについて ”永遠の二番手”、”日陰者”と揶揄し、スネークから注意を受けると 激昂して先述の発言をする流れとなっている。 これはもちろん任天堂のゲームシリーズにおけるルイージの立場にかけたネタであるが、 キャンベルに弟がいるという設定も踏まえたシナリオである可能性が高い。
本作にファイター(プレイヤーキャラクター)として 10年ぶりに”スネーク”が参戦しており、 前項で紹介している『大乱闘スマッシュブラザーズ X』の会話が再収録されている(音声は流用)。