スネークテイルズ(SNAKE TALES)は、2002年にコナミから発売されたPlayStation 2用ゲームソフト 『メタルギアソリッド2 サブスタンス(以下、サブスタンス)』に収録された、 独自の短編ストーリーを描いたゲームモード。本編とは世界観を分ける外伝作品。 5つのストーリーが収録され、すべて”ソリッド・スネーク”が主人公(プレイヤーキャラクター)となっている。
サブスタンスでは全編英語音声であったが、 後にスネークテイルズは『メタルギアソリッド HDエディション(2011年発売)』に移植され、 映像の高解像度化とともに日本語音声化されている。
一部、解説の都合上本編のネタバレを含むため、本編を未プレイの方は注意。
2002年にPlayStation 2用として発売されたゲームソフト『メタルギアソリッド2 サブスタンス(以下、サブスタンス)』に ボーナスコンテンツとして収録されたゲームモード。 5つの短編ストーリーが収録されており、 サブスタンスのゲーム本編と同様のゲームシステムで潜入ミッションをプレイすることができる。 ただし、ストーリーパートに音声は収録されておらず、すべてテキストで進行する。 サブスタンスおよびその原作である 『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001年発売/以下、MGS2)』の ゲーム本編では、その大部分を占める”プラント編”の主人公(プレイヤーキャラクター)が”雷電”であったが、 この『スネークテイルズ』ではその名の通り、 全編を通して”ソリッド・スネーク”を主人公としたシナリオになっている。 ゲームステージはMGS2の本編に登場するステージが使用されている。 収録されている各ストーリーのタイトルの頭文字がA、B、C、D、Eとアルファベット順になっている。
このモードで描かれる5つのストーリーは MGS2を含む各メタルギアシリーズの ゲーム本編(ストーリーモード)とは世界観を分けており、外伝作品という位置づけになっている。 また、5つのストーリー間にもつながりはなく独立している。 登場人物はMGS2までの”メタルギアソリッド”シリーズに登場したキャラクター達となるが、 基本的には本編の設定を引き継ぎながらも、各ストーリーごとにその立場や人間関係が独自のものに再設定されている。 主人公のスネークに関しても、優秀な兵士、潜入のエキスパートというキャラクター像は一貫しているが、 ストーリーごとに置かれている立場や経歴が異なる。 また5つ目の『External Gazer』を除き、プレイヤーの行動や達成度によってシナリオが分岐する形になっており、 いわゆる”バッドエンド”や”トゥルーエンド”と呼べるようなものなど、エンディングが複数用意されているのも特徴である。 脚本は”福島智和”氏が務める。 同氏は”小島秀夫”氏とともに、”メタルギアソリッド”シリーズのゲーム本編の脚本班としても参加している。
オリジナル版ではサブスタンスのゲーム本編と同様に英語音声となっているが、 後に『メタルギアソリッド HDエディション(2011年発売)』に移植され、 映像の高解像度化とともに日本語音声化されている。 ただし、先述している通り本モードのストーリーパートはテキストだけで進行する形になっているため、 あくまで音声が収録されているのはゲームプレイシーンのみとなる。
MGS2の”プラント編”の舞台である海上除染施設『ビッグシェル』をゲームステージとしたシナリオ。 スネークのグラフィックはMGS2におけるスニーキングスーツを着た姿。 この世界では依然としてソリッド・スネークは軍を退いておらず、ロイ・キャンベルの指揮下にある模様。 だが所属する部隊や詳細な立場は明かされていない。 スネークによるビッグシェルへの潜入ミッションを体験できる、スネークテイルズにおける最もシンプルなシナリオになっている。
6時間前、海上除染施設『ビッグシェル』が重武装した過激派グループに占拠された。 彼らテロリストは、現地を視察に訪れていた大統領と 施設の職員を人質にとり、政府を脅迫。現金30億ドルをはじめとした多くの要求を突きつけてきた。 この事態に”ソリッド・スネーク”は、彼の上官”ロイ・キャンベル”の指揮のもと、 人質の救出とテロリストの武装解除という任務を遂行すべく、ビッグシェルへの単独潜入を開始する。
MGS2の”プラント編”の舞台である海上除染施設『ビッグシェル』をゲームステージとしたシナリオ。 スネークのグラフィックはMGS2におけるスニーキングスーツを着た姿。 この世界のスネークの経歴について、『シャドーモセス島事件(メタルギアソリッド)』を経ているのかも含め その詳細は明かされないが、すでにオタコンと知り合い親しい関係になっている様子。 本編とは違ったテイストで描かれるオタコンとエマの兄妹関係がシナリオの軸となっている。
近頃、ニューヨーク湾沖に存在する海上除染施設『ビッグシェル』において、 職員の死亡事故が相次いでいることが話題となっていた。 連続殺人や集団うつ病、果ては『悪魔が住み着いている』など様々な噂が飛び交い、 本来は環境保護のシンボルであるはずの同施設は、タブロイド紙のネタの供給源となっていた。
そんな中、”ソリッド・スネーク”の友人である”オタコン”は、 長らく音信不通となっていた彼の義理の妹”エマ”が ビッグシェルでプログラマとして働いていることを知る。 彼はビッグシェルに関して飛び交う”噂”から『胸騒ぎがする』とエマの身を案じ、 スネークに対して様子を見に行ってほしいと懇願する。 スネークは激しく拒否するが、やがて渋々承諾。オタコンの操縦するヘリに乗ってビッグシェルへと降り立つ。 だが時を合わせたように、施設は謎の武装集団によって制圧されてしまう。 エマを救出すべく、スネークは施設内部への潜入を開始する。
スネークテイルズで唯一、MGS2の”タンカー編”の舞台である『偽装タンカー』をゲームステージとしたシナリオ。 だがそのロケーションや状況設定が本編とは異なる。 設定の一部は改変されているものの、 『メタルギアソリッド(1998年発売/以下、MGS1)』における 『シャドーモセス島事件』を経た後の、MGS2とは異なった”if”のストーリーが描かれる。 スネークのグラフィックに関しても、顔はMGS2と同じだが、 MGS1と同じスニーキングスーツを着用した姿になっている。 モセス事件でスネークと共闘した女性兵士メリル・シルバーバーグの過去がシナリオの軸となる。 本編では詳しく触れられなかった、MGS1直後のスネークとメリルの関係も語られる。 また、本編では名前が明かされていないロイ・キャンベルの”弟”について、 このシナリオでは”マット・キャンベル”という名前が設定されている。
かつての『シャドーモセス島事件』の後、核搭載二足歩行戦車『メタルギア』の技術情報が闇市場に拡散。 世界中でメタルギアの亜種が誕生しようとしていた。 そんな中、国防情報局(DIA)に所属する”ロイ・キャンベル”は、 南米の小国『エルデラ共和国』における不穏な動きを察知する。 現地の反政府武装集団がメタルギアの亜種を保有しているという噂があり、 米・海兵隊がそれを鹵獲するための作戦を始動させたのだという。 さらに、冷戦時代に敵対した過去からキャンベルと因縁のある、旧ソ連・GRUの元大佐”セルゲイ・ゴルルコビッチ”が その作戦に乗じるように海兵隊を襲撃し、メタルギアを強奪しようと画策していた。
一方、元FOXHOUND隊員”ソリッド・スネーク”は、モセス事件のあと一線を退きアラスカで隠居生活を送っていたが、 ある日キャンベルが彼の元を訪れる。 キャンベルはスネークに対してゴルルコビッチによる陰謀の阻止に協力してほしいと依頼する。 はじめは拒否するスネークだったが、キャンベルの姪である”メリル・シルバーバーグ”が 海兵隊によるメタルギア鹵獲作戦に参加していると知り、任務を引き受ける決断をする。 メリルは、かつてモセス事件でスネークと共闘した戦友であり、 事件のあとに生活を共にした恋人でもあった。 だが彼女は半年前、『やらなければいけないことがある』と言い残し、スネークの元を去っていたのだった。 自身とキャンベル、2人の因縁を背負いながら、 スネークはメタルギアを輸送する海兵隊の偽装タンカーへと単身潜入する。
MGS2の”プラント編”の舞台である海上除染施設『ビッグシェル』をゲームステージとしたシナリオ。 プラント編と同じくスネークは”プリスキン中尉”の偽名を使っており、 プレイヤーキャラクターも”イロコィ・プリスキン”の姿となっている。 スネークの立場や経歴に関してはあまり詳細に語られないが、 この世界では本編にも登場した海兵隊司令官”スコット・ドルフ”と親交があるようで、 彼の依頼によってミッションに挑むことになる。 同じく本編に登場した特殊部隊『デッドセル』を巡る人間関係が違った解釈で描かれる。
ニューヨーク湾沖の海上除染施設『ビッグシェル』にて、 米海軍の特殊部隊である『SEALs』と『デッドセル』による極秘合同演習が実施された。 その演習にSEALs隊員として参加する”ソリッド・スネーク”の姿があった。 彼は米・海兵隊司令官である”スコット・ドルフ”の依頼によって、 ”プリスキン中尉”という偽名を名乗り演習に編入されていた。 ドルフがスネークを頼った理由は、デッドセルを巡るある疑念によるものであった。
デッドセルは海軍最凶と恐れられた特殊部隊であり、政府重要施設に対し 抜き打ち的に襲撃をかける”対テロ訓練”が主な任務とされていた。 一方で、様々な反米勢力に対する超法規的な破壊活動も担っていると噂されていた。 そんな中、デッドセルのリーダーであった”ジャクソン”大佐が 汚職と横領の罪で逮捕された。以来デッドセルは、 元来の”襲撃”の過激さや隊員の素行の悪さなどが相まって、 軍の汚点、不名誉の代名詞として扱われるようになっていった。 そういった事情により、久しぶりの正式任務となったSEALsとの合同演習にも 参加が許されたのは部隊のリーダー格である”ヴァンプ”ただ一人だった。 ドルフは多くを語らないが、ヴァンプの参加する演習で不測の事態が起こる可能性を危惧していた。 その裏には、ドルフの娘”ヘレナ”がジャクソンの妻であるという縁により、 ドルフがただ一人デッドセルとジャクソンを擁護し続けていたという私的な事情も見え隠れしていた。
やがて、ドルフが危惧した通り、演習の終盤でヴァンプは暴走を始め、SEALs隊員に対する虐殺を繰り広げる。 スネークはドルフの指示のもと、ヴァンプによる反乱を鎮圧するため奔走することとなる。
MGS2の”プラント編”の舞台である海上除染施設『ビッグシェル』、 およびサブスタンスの『VRトレーニング』のゲームステージでミッションをこなすユニークな構成のシナリオ。 シチュエーションや登場人物のキャラクター像などが、 スネークテイルズの中で最も本編の世界観から飛躍した設定になっており、 非常にコミカル色、SF色の強い内容になっている。 スネークは、オタコン、メイ・リンとともに『フィランソロピー』という組織に所属しているようだが、 組織が本編と同じく”反メタルギア財団”なのかは不明。 5つのストーリーの中で唯一、プレイ状況によるシナリオの分岐が発生しない。 一部、シナリオ的な仕掛けからスネーク以外のキャラクターを操作する場面が発生する。
『フィランソロピー』という組織に所属する兵士”ソリッド・スネーク”は、 組織の仲間である”オタコン”、”メイ・リン”の頼みで海上除染施設『ビッグシェル』を訪れていた。 その頼みとは、正体不明のUMA、謎の怪獣、通称”ゴルルゴン”の写真を撮影し、そして捕獲すること。
3日前、スネークがニューヨークに居を構える『フィランソロピー』のアジトにて オタコンが作った新型の『VRトレーニング』システムを試していたところ、 突然メイ・リンがタブロイド紙を手に部屋に駆け込んできた。 その紙面には『A Monster at Big Shell!?(ビッグシェルに怪獣出現!?)』という怪しい見出し。 当然スネークはくだらないと一蹴するが、その存在を信じて疑わないオタコンとメイ・リンに気圧され、 『怪獣探索任務』を押し付けられてしまったのだった。 やがて彼は単身ビッグシェルを訪れることとなるが、そこには謎の武装集団が徘徊していた。 そしてスネークの予想を裏切るように、謎の巨大生物が海から姿を現す。 この事態の裏には、”並行宇宙”とのつながりを発端とした、予想外の真実が潜んでいた。