メタルギア ライジング リベンジェンス(METAL GEAR RISING REVENGEANCE)は、2013年にコナミから発売されたPlayStation 3用ゲームソフト。 略称”MGR”。 サイボーグ兵士”雷電”をプレイヤーキャラクターとし、 超人的な身体能力と”高周波ブレード”によって爽快な斬撃アクションを楽しむことのできる新しいメタルギア。 敵やオブジェクトを任意の角度で切断することのできる『自由切断』が特に大きな特徴となる。 一方で、従来どおりのステルスアクションも両立されている。 開発は”プラチナゲームズ”と”小島プロダクション”による共同で行われた。 ”小島秀夫”氏が監督を務めていないものの、 ストーリー的に”小島秀夫監督作品”と繋がりを持つ ”スピンオフ作品”という位置づけになっており、 シリーズでおなじみのキャラクターが多く登場するなど、ファンにはプレイ価値の高い内容になっている。
タイトル | メタルギア ライジング リベンジェンス(METAL GEAR RISING REVENGEANCE) |
開発元 |
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発売元 |
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ゲームデザイン |
プラチナゲームズ
小島プロダクション
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脚本 |
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美術 |
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音楽 | ジェイミー・クリストファーソン(Jamie Christopherson)(Soundelux DMG) |
ジャンル |
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プレイ人数 | 1人 |
プラットフォーム |
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発売日[注] |
PlayStation 3版[注]
Xbox 360版[注]
Steam版(Windows)[注]
Steam版(Mac OS X)[注]
NVIDIA SHIELD TV版[注]
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対象年齢 | CERO:D(17才以上対象) |
公式サイト | https://www.konami.com/mg/archive/mgr/(2021年現在) |
前作 |
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次作 | メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ(2014年/正史シリーズ) |
2013年にPlayStation 3向けに発売されたゲームソフト。 ゲームのメイン部分は”プラチナゲームズ”が手動となって開発を行っており、 同社が得意とする高いアクション性を備えた新しいスタイルのメタルギア作品になっている。 ”小島秀夫”氏が監督を務めていないが、 ストーリー的にも”小島秀夫監督作品”と繋がりを持つ ”スピンオフ作品”という位置づけである(詳しくは後項『他作品との繋がり』を参照)。 ストーリーパートの脚本は小島作品でも 脚本班として参加している”玉利越”氏が担当している。
本作は『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(2008年発売/MGS4)』に登場した サイボーグ兵士”雷電”をプレイヤーキャラクターとし、 超人的な移動性能と”高周波ブレード”による爽快な斬撃アクションをゲームデザインの軸としている。 アクションで特筆すべきなのが、敵やオブジェクトを自由な角度で切断することができる『自由切断』である。 『斬撃モード』というコマンドにより、ハイスピードカメラのような描写の中で対象を自由に斬り刻むことができる。 どの角度から斬ってもその残骸が物理的に崩れ落ち、 ”断面”もリアルタイムで描写するという高い技術力によって、 高周波ブレードによる戦闘の迫力が爽快なゲーム体験に落とし込まれている。 なお、敵との戦闘では基本は”ダメージ”を与えることが主眼となっており、 弱らせた時にのみ斬撃モードを発動できるというシステムで絶妙なゲームバランスが維持されている。 正面からの銃弾の撥ねつけ、段差の上り下りなどを半オートメーションで実行してくれる 高速移動『ニンジャラン』も基本的なアクションになっており、 複雑なコマンド操作なしでサイボーグの高い身体能力を体感することができる。 一方で、”攻撃”、”防御”、”回避”のアクションではコマンドのバリエーションが非常に多く、 やり込みによって敵の”倒し方”にもプレイヤーの個性が反映される。 従来のメタルギアシリーズのようなステルスゲームとしての側面も備えており、 敵を背後から気づかれないように倒す『ニンジャキル』というアクションも搭載。 サイボーグボディの『カスタマイズ』や高周波ブレード以外の武器も用意されている。 また、本作の敵はすべてサイボーグか無人兵器となるが、 斬撃モードで敵の身体を切断したときに”自己修復ユニット”を奪う『斬奪』というアクションにより 雷電のエネルギーを回復・維持するというシステムもゲーム性の基本になっている。
本作では『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001年発売)』で プレイヤーキャラクターとして初登場し、MGS4ではNPCとして出演した キャラクター”雷電”を再び主人公に据えた作品となっている。 これまでにも描かれてきた彼の『自らの悲痛な過去との対峙』というテーマがMGRにも引き継がれており、 雷電が自らの生き方について明確な答えを導き出すまでの戦いと葛藤がストーリーの軸となっている。 その他、過去作で登場した様々な人物、組織、技術などといった要素が 様々な形で物語の中に散りばめられており、従来のファンにとって嬉しい内容となっている。
世界中の民間軍事請負企業(PMC)を巻き込んだ 『ガンズ・オブ・ザ・パトリオット事件(メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット)』から 4年後の、2018年。 戦場管理システム『SOP(ソップ)』の崩壊とともに 戦争をビジネスとする時代は終焉を迎えるかに思われたが、 かつてSOPと同じく米国の秘密組織『愛国者達』が管理していた”サイボーグ技術”が世界中に流出し、 戦場には新たな非対称性が持ち込まれることとなった。
一方、先の事件で活躍したサイボーグ兵士”雷電”は現在、 民間軍事警備会社(PMSCs)”マヴェリック・セキュリティ・コンサルティング”に所属し、 新興国での要人警護や国軍の訓練などといった任務に従事していた。 だがそんな中、内戦を脱し復興を遂げたアフリカの某国における任務中、 雷電らは多数のサイボーグを武力とする謎の勢力の襲撃を受け、復興の立役者である”かの国”の首相を殺害されてしまう。 さらに雷電は、敵のサイボーグ兵士”サムエル・ホドリゲス”との一騎打ちに敗れ、左目と左腕を失うこととなる。
後日、武装勢力の正体が”デスペラード・エンフォースメント”という米国のPMC(民間軍事請負企業)であると判明。 さらに彼らが、国際指名手配を受けるテロリストをクライアントとして”アブハジア”の首都を占拠したとの情報が入る。 これを受けマヴェリック社は首都奪還の業務を受注。 新たなサイボーグボディを手に入れた雷電は、デスペラード社と”サム”への雪辱(リベンジ)に赴く。 その戦いの中で彼は、”人斬り”としての自分の本当の姿と対峙し、やがて大きな決断を下すこととなる。
仮想空間で様々なミッションをこなすゲームモード(『VR MISSION』)。 ゲーム本編を進行させ敵の『データ端末』からデータを入手すると 新たなミッションが追加されていく。 序盤からプレイできるミッションは、操作訓練を行う”チュートリアル”も兼ねている。 タイトルメニューから直接プレイもできるが、 ゲーム本編中の無線画面からも好きなタイミングでプレイできるようになっている。 ミッションは全部で20種類。
なお、新たに30種類のVRミッションをプレイ可能となるDLC『VRミッション』が配信されている (詳しくは後項『DLC(ダウンロードコンテンツ)』を参照)。 また、同じくDLCで追加される『JETSTREAM』、『BLADE WOLF』についても、 こちらは本編と異なりストーリー中のみのプレイとなるが、 専用のVRミッションがそれぞれ5種類ずつ収録されている。
本作では全3種類のDLC(ダウンロードコンテンツ)が配信されている。 なお、2021年現在も各DLCの単体販売は行われているが、 後項で紹介している『スペシャルエディション』を購入すると はじめから全DLCのダウンロードコードが付属しているため、すでに単体で揃えるメリットはない。
前項目で紹介している『VRミッション』が新たに30種類追加される。 インストールすると『VR MISSIONS』のメニューに 『DOWNLOAD MISSION』として追加され、 もともと収録されているミッションと合わせて、合計50種類となる。 さらに、”ソリッド・スネーク”の音声が流れる特殊な木刀 『蛇魂(へびだましい)』をメインウエポンとして使用できるようになる。 2013年4月2日に配信が開始された[注]。
本編に登場したキャラクター”サムエル・ホドリゲス”を 主人公(プレイヤーキャラクター)としたサブストーリーを描く ゲームモード『JETSTREAM』がプレイ可能となる。 2013年4月9日に配信が開始された[注]。
コンテンツの詳細は『JETSTREAM(DLC)』のページを参照のこと。
本編に登場したキャラクター”LQ-84i(=ブレードウルフ)”を 主人公(プレイヤーキャラクター)としたサブストーリーを描く ゲームモード『BLADE WOLF』がプレイ可能となる。 2013年5月9日に配信が開始された[注]。
コンテンツの詳細は『BLADE WOLF(DLC)』のページを参照のこと。
本作の日本国内版ソフトにおけるキャストを掲載している。 なお、表記と掲載順は ゲーム中のクレジットに準拠している。
役名 | 声優 |
モーションアクター | |
雷電 | 堀内賢雄 |
岩本淳也 | |
サムエル | 平田広明 |
三元雅芸 | |
ウルフ | 細谷佳正 |
(クレジットなし) | |
ボリス | 菅生隆之 |
永井正浩 | |
ケヴィン | 中村悠一 |
七枝実 | |
コートニー | 沢城みゆき |
西林素子 | |
ドクトル | 麦人 |
安福毅 | |
ミストラル | 朴璐美 |
西林素子 | |
モンスーン | 江原正士 |
七枝実 | |
サンダウナー | 西田健 |
永井正浩 | |
アームストロング | 石塚運昇 |
永井正浩 | |
ジョージ | 田村睦心 |
新野アコヤ | |
ンマニ首相 | 福田信昭 |
(クレジットなし) | |
ドルザエフ | 立木文彦 |
安福毅 | |
所長 | 安福毅 |
(同上) | |
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(クレジットなし) | |
サニー | 井上喜久子 |
新野アコヤ |
本作はシリーズの生みの親である”小島秀夫”氏が監督を務めていないものの、 ”小島秀夫監督作品”とストーリー的な繋がりを持つ ”スピンオフ作品”という位置づけになっている。 基本的に小島秀夫監督作品をプレイするだけで 正史シリーズのサーガは完結する構成になっているが、 本作MGRは小島秀夫監督作品よりもさらに未来の時代を描いており、 特に『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(2008年発売)』までの作品で 描かれた世界観や登場人物たちの”その後”に関する情報が多く盛り込まれており、 ファンには嬉しい内容となっている。
他の正史シリーズ作品との時系列的な繋がりについては 『正史シリーズの時系列と年表』のページで解説しているが、 シリーズをプレイしていない場合には重大なネタバレが含まれるため注意。
本作のゲームソフトのバリエーションを紹介。 基本は日本国内版ソフトを紹介するが、海外でのみ発売されているソフトはその情報を掲載している。
日本ではPlayStation 3専用のゲームソフトとして発売された。
通常パッケージの他に、様々なグッズがセットになったプレミアムパッケージ、 コナミスタイル限定版も同時発売している。
様々な特典(後述)が付属している限定版。 以下、ゲームディスクの内容は『通常パッケージ』と同じであるため、 プラットフォームとメディアは省略する。
付属している特典は以下の通り。
ゲームソフトのパッケージデザインも通常パッケージと異なる。
コナミの公式ショッピングサイト『コナミスタイル』で数量限定で販売された商品。 『プレミアムパッケージ』の内容に加え 限定フィギュア『METAL GEAR RISING REVENGEANCE PLAYARTS改 雷電 White Armor Ver.』が付属している。
以下、ゲームディスクの内容は『通常パッケージ』と同じであるため、 プラットフォームとメディアは省略する。
海外向けにのみ、Xbox 360版のソフトも同時発売されている。 以下、通常パッケージの情報のみ記載。
このバージョンは当初日本での発売も予定されていたが、2012年の9月に中止が発表された[注]。 なお、日本ではPlayStation 3版しか発売していないため、 本ページで『オリジナル版』と記述する場合は基本的にPlayStation 3版を指すものとする。
オリジナル版から約10ヶ月後、 各種ダウンロードコンテンツの”ダウンロードコード”を同梱した廉価版が発売された。 ゲームディスクそのものの内容はオリジナル版と同じ。
コードが付属するダウンロードコンテンツは以下の通り。
ディスクケースのデザインもメタリックシルバーの特別仕様になっている。
前項で紹介している『スペシャルエディション』の発売に合わせ、 同バージョンのダウンロード版も『PlayStation Store』で販売開始された。 パッケージ版と同じく各ダウンロードコンテンツのコードが付属している。 2021年現在の価格は税込:2,598円(税率10%)。
2014年1月9日、ゲーム配信サービス『Steam』にて本作の移植版が海外向けにのみ発売された[注]。 当初の対応プラットフォームはWindowsのみだったが、同年の9月25日にMac OS X版も配信が開始した。
Steam版では、前項で紹介している『スペシャルエディション』でダウンロードコードが付属された 『DLC(ゲームコンテンツ)全3種類』、『カスタマイズ用ボディ全5種類』があらかじめ収録されている。 音声は英語音声のみ。字幕は日本語も含めて5ヶ国語に対応しているが、 日本国内からは購入が不可能になっている(2021年現在)。
また、このバージョンでは以下の変更点が加わっている。
なおMac OS X版はAppleの『App Store』でも販売が行われている[注]。 こちらもSteamのMac OS X版と同じく『TransGaming』社がコナミと共同販売元になっているため同バージョンだと思われるが、詳細は未調査。
2019年7月26日に、NVIDIA社のAndroid搭載ゲームハード『SHIELD TV』用の海外向け移植版が Google Playストアにて配信開始された[注]。 前項で紹介している『スペシャルエディション』でダウンロードコードが付属された 『DLC(ゲームコンテンツ)全3種類』、『カスタマイズ用ボディ全5種類』があらかじめ収録されている。 その他、詳細については未調査。
日本版は本作の公式サイトより(2021-02-23現在)。 北米版は、ゲーム情報サイト『IGN』の作品紹介ページより(2021-02-23現在)。 欧州版は、コナミの欧州版サイトの 作品紹介ページより(2021-02-23現在)。
北米版は、ゲーム情報サイト『IGN』の作品紹介ページより(2021-02-23現在)。 欧州版は、コナミの欧州版サイトの 作品紹介ページより(2021-02-23現在)。
Steamの商品ページを参照。 日本からはアクセス不可となっているが、 Webアーカイブ(WaybackMachine)により 閲覧可能(2021-02-23現在)。