メタルギアソリッド(METAL GEAR SOLID)は、 1998年から1999年にかけて文化放送系のラジオ番組『CLUB db』内で放送されたラジオドラマ。 コナミの同名ゲームソフト『メタルギアソリッド(1998年発売/以下、MGS1)』を原作としている。 同作でおなじみのキャスト(声優陣)によって演じられる人気キャラクター達の掛け合いを楽しむことに重きが置かれており、 MGS1の”後日談”のようなオリジナルストーリーが描かれている。 ただし、MGS1より後のゲーム作品とは世界観を共有しておらず、メタルギアシリーズ全体では ”外伝作品”という位置づけになる。 放送と並行する形で、”ドラマCD”として商品化されたものも発売されている。
| タイトル | メタルギアソリッド(METAL GEAR SOLID) |
| 制作 | コナミコンピュータエンタテインメントジャパン |
| ジャンル | ラジオドラマ (オーディオドラマ) |
| 原作 | メタルギアソリッド(PlayStation/1998年) |
| 製作 |
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| 監督 | 村田周陽 |
| 脚本 | 毛利元貞 |
| 演出 | 岩浪美和 |
| 音楽 | コナミ矩形波倶楽部・他 |
| 効果 | 神保大介 |
| 監修 | 小島秀夫 |
| 出演者 |
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| 放送枠 | 文化放送系『CLUB db(土曜日24:00-24:30)』内 |
| 放送期間 | 1998年10月24日~1999年1月9日 |
| 放送回数 | 全12回 |
| 放送時間 | 各回6分~10分 |
| CD発売日[注] |
1998年10月から1999年1月にかけて放送された、 コナミの同名ゲーム『メタルギアソリッド(1998年発売/以下、MGS1)』を 原作とした”ラジオドラマ”。 当時、毎週土曜日の24:00~24:30の時間帯に放送されていた 文化放送系のラジオ番組『CLUB db』の枠内で、”全12回 (12週)”に渡って 本作品を放送するコーナーが設けられた。 監督(ディレクター)は、コナミ内の旧小島プロダクションにおいて ゲーム作品の脚本班・ディレクターとして活躍した”村田周陽”氏。 脚本は、同じく旧小島プロダクションのゲーム作品において 軍事アドバイザーを務め、後にメタルギアシリーズを代表する近接戦闘術”CQC”のアクションも監修した ”毛利元貞”氏が担当している。
本作には、”ソリッド・スネーク”をはじめとした MGS1の主要キャラクターがお馴染みのキャスト(声優陣)で登場し、同作を前日譚とした”その後”のストーリーを展開している。 ただし、後のゲームシリーズとは世界観を分けた外伝作品という位置づけである (詳しくは、後項『他作品との繋がり』を参照のこと)。 なお、本作オリジナルのキャラクターも多く登場しており、それらのキャラクターも 原作ゲームと同じく”新川洋司”氏がデザインを担当している。
ラジオでの放送と並行する形で、”ドラマCD”として商品化されたものが発売されている (詳しくは後項『ソフト情報』を参照のこと)。 ちなみに、先述のラジオ番組『CLUB db』はコナミがスポンサーであり、 原作 (MGS1)および本作品の双方にキャストとして参加している 声優の”桑島法子”氏がメインパーソナリティーを務めていた。
米陸軍の特殊部隊『FOXHOUND』の隊員として活躍を続ける 女性兵士”メリル・シルバーバーグ”は、ある日 国連平和維持軍の軍用機による”停戦区域・偵察ミッション”に同行していた。しかし 機体は突如として、国連決議に違反した”敵対勢力”のミサイル攻撃によって撃墜されてしまう。
搭乗員らの生存が確認されると、国連軍のオブザーバーとして活動する米軍大佐”ロイ・キャンベル”は、潜入任務のエキスパートであり 自身にとっても盟友である”ソリッド・スネーク”と、対テロ特殊部隊『デルタフォース』の隊員”アレン・イイシバ”を招集。 自身が指揮を務める”捜索・救難ミッション”を開始する。 やがて、スネークとアレンは ”高速攻撃バギー”に乗り込み、メリルらを回収すべく 極寒の砂漠へと繰り出していく。
MITに籍を置きながら、画像・データ処理の専門家として活躍する”メイ・リン”は、ある日 軍事偵察衛星の映像を解析し、西インド諸島にて化学兵器を製造してると思われる建物を発見する。 その場所は、いわゆる”ネオ共産主義国家”として知られる『サンチャゴ共和国』の領土であった。 彼女はロイ・キャンベルの支持のもと、これを安全保障上の脅威として 軍上層部の”シュルツ准将”に報告するが、彼から『そんな小国は取るに足らない』『根拠が不十分』と一蹴されてしまう。
キャンベルは化学兵器製造の確実な証拠を掴むため、現地での 土壌サンプルの採取・検査を目的とした潜入ミッションを立案する。専門家である メイ・リンを極秘裏に現地へ派遣するに当たって、キャンベルは スネークに協力を仰ぎ、彼に対してミッションへの同行を依頼。 スネークもこれを渋々了承する。 やがて、作戦メンバーを乗せた潜水艦がサンチャゴへと接近。スネークと メイ・リンは海中から現地へと潜入し、かの”工場”を目指して 闇夜のジャングルを突き進んでいく。
ロイ・キャンベルは、米陸軍・情報部が主導する 極秘ミッションの実働員として、南米の『エスタリア共和国』を訪れていた。 ミッションの内容は、同国の完全同盟化へ向けた特殊部隊の訓練と、反政府ゲリラの動向調査。 キャンベルは現地で、エスタリア陸軍特殊部隊の隊長”マーク・コルテズ大佐”と合流する。 彼は、かつて『FOXHOUND』でキャンベルと共に戦った戦友であり、実に10年ぶりの再会であった。 しかし、共に歩兵戦闘車”BMP-3”に乗り込み 部隊の前線基地へと向かう道中において、車両は反政府ゲリラによる襲撃を受ける。 やがて米陸軍・情報部は、キャンベルの足取りを見失ってしまう。
キャンベルは万一に備え、情報部には内緒で 自らのナノマシンの電波を追跡するようメイ・リンに頼んでいた。 彼女の働きによってキャンベルの危機を察知した スネークとメリルは、情報部の部長”シュルツ少将”に協力を仰ぐ。 当初は跳ね除けられてしまうが、メイ・リンが ”サンチャゴ共和国”の一件で売った”恩”を盾に交渉。作戦の手柄をシュルツ率いる情報部が 手に入れるという条件と引き換えに、キャンベル捜索のための人員と物資を確保することに成功する。 こうしてスネーク、メリル、メイ・リンの3人は 最新鋭の”コンバット・タロン”に搭乗し、エスタリア共和国へと赴く。 彼らはやがて、先の襲撃から生還していたコルテズ大佐と合流し エスタリア陸軍特殊部隊と連携した捜索ミッションを開始する。しかしその先では、エスタリアの地で暗躍する 元ロシアの特殊部隊隊員”セルゲイ・イワノビッチ”の陰謀が待ち受けていた。
| 登場人物 | 声優 |
| ソリッド・スネーク | 大塚明夫 |
| メリル・シルバーバーグ | 寺瀬今日子 |
| ロイ・キャンベル | 青野武 |
| メイ・リン | 桑島法子 |
| アレン・イイシバ | 古川登志夫 |
| シュルツ | 中江真司 |
| マーク・コルテズ | 阪脩 |
| ライリー・マルティネス | 田中一成 |
| セルゲイ・イワノビッチ | 中田和宏 |
| 機長 (第1話) | 麻生智久 |
| 副操縦士 (第1話) | 新田三士郎 |
| 管制官 (第1話) | 稲田徹 |
| 機長 (第3話) | 風間信彦 |
| 副操縦士 (第3話) | 里内信夫 |
| 陸軍諜報部員 (第3話) | 井上隆之 |
| 歩兵戦闘車輌長 (第3話) | 今村直樹 |
本作のストーリーは、原作ゲーム『メタルギアソリッド(1998年発売/以下、MGS1)』を前日譚とした”その後”を描いているものの、 後の『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001年発売)』以降のゲームシリーズ (いわゆる”正史シリーズ”)とは 異なる世界線に分岐するような内容となっており、”外伝作品”の一つとして数えられる。
本作は、原作ゲームのストーリーを拡張・補完するコンテンツというよりも、MGS1で おなじみのキャスト(声優陣)によって演じられる人気キャラクター達の掛け合いを楽しむことに重きが置かれた ファンサービス的な作品となっている。 現に、ドラマCDのブックレットに掲載されている インタビュー記事において、原作ゲームの監督”小島秀夫”氏も『(ゲームとの繋がりは) 深く考えない方がいい』『同じキャラクターを使ったアナザーストーリー』と語っている。
1998年と1999年に、本作をドラマCD化した商品が ラジオでの放送と並行する形で発売された。 Vol.1とVol.2の2本で、それぞれに放送6回分の内容と、出演者インタビューを収録。 またスタッフのインタビュー記事やイラストが掲載されたブックレットも同梱されている。
『第1話 (全3回)』と『第2話 (全3回)』を収録。 出演者インタビューは、大塚明夫氏と桑島法子氏それぞれの単独インタビュー。 ブックレットには、小島秀夫氏のインタビュー記事や、 新川洋司氏による第1話, 第2話の描き下ろしイラストが掲載されている。