スネークズリベンジ(Snake's Revenge)は、コナミが開発し 1990年に”Nintendo Entertainment System(略称:NES)[注]”専用として海外向けに発売されたゲームソフト。 『メタルギア(ファミコン版)』が海外向けにNESでも発売され、 特に北米で大ヒットしたことを受け、その続編として本作が開発された。 そのためストーリー的には正史シリーズとは世界観を分ける外伝作品の一つとして数えられる。 ゲームとしての純粋な評価は高く、また後のメタルギアシリーズが開発される遠因となった運命的な作品でもある。 日本語テキストのバージョンは存在しないが、2023年に移植版が日本国内向けにもリリースされている。
タイトル | スネークズリベンジ(Snake's Revenge) |
開発元 | コナミ |
発売元 |
|
プログラム[注] |
|
美術[注] |
|
音楽[注] | T. Ogura |
ジャンル |
|
プレイ人数 | 1人 |
プラットフォーム |
|
発売日 |
Nintendo Entertainment System
Nintendo Switch、PlayStation 5|4、Xbox Series X/S、Steam(マスターコレクション)
|
前作 | メタルギア(ファミコン版)(1987年) |
次作 | メタルギア2 ソリッド・スネーク(1990年) |
1990年に”Nintendo Entertainment System(略称:NES)[注]”専用として海外向けに発売されたゲームソフト。 1987年に発売された『メタルギア(ファミコン版)』が NES向けにローカライズされると北米で大ヒットしたため、その続編として本作が開発された。 前作(ファミコン版)はMSX2版『メタルギア』を原作としているが MSX2版とは別の部署で開発された作品であり、 本作スネークズリベンジも同様に、シリーズの生みの親であるゲームデザイナー”小島秀夫”氏は開発に一切関わっていない。
だが本作の完成度は決して低くない。 ビジュアルは北米ユーザーを意識したようなテイストになっているものの MSX2版『メタルギア』の基本的なゲーム性を忠実に踏襲しており、 その上でステージやボス戦、装備アイテムといった要素を多彩にボリュームアップさせたような作品になっている。 横スクロールや新ギミック(サーチライトなど)といった独自要素も盛り込まれている。 ドットグラフィックも高水準で、本作オリジナルで作曲された各種BGMも評価が高い。 『メタルギアのゲーム性をファミコンの高いスペックを活かして遊べるようにする』という、 本来は前作(ファミコン版)に求められていた成果を このスネークズリベンジが遂に形にしたとも言える。 ただし海外ユーザー向けのためか、いわゆる”洋ゲー”のように難易度はとても高い。
特殊部隊FOXHOUNDによる作戦”OPERATION INTRUDE N313(メタルギア(ファミコン版))”によって、 部隊のエージェント”ソリッド・スネーク”が武装要塞国家アウターヘブンを陥落させてから3年後。 FOXHOUNDは敵対勢力の本拠地に潜伏させた諜報員からの情報により、 かの地で新たな大量破壊兵器が開発されていることを察知する。 その兵器は、かつてスネークがアウターヘブンで破壊したものと同じく、 核搭載二足歩行戦車『メタルギア』である可能性が示唆された。 これを受け、FOXHOUNDは新たな諜報作戦”OPERATION 747(オペレーション747)”を始動。 スネークは他2名の隊員と共に敵地への潜入任務に挑むこととなる。
実は本作が開発されたことが、 小島秀夫氏が自身の手でメタルギアの続編を開発するきっかけになったという逸話がある[注]。 当時スネークズリベンジのプログラマとして、 かつて小島氏の元でMSX2版『メタルギア』の開発に関わっていたスタッフも参加しており、 彼が自身の関わっている開発について小島氏に打ち明けるとともに、 小島氏自身による続編を作って欲しいという想いを伝えた。 これに感銘を受けた小島氏はさっそく続編の企画書を作成して会社に提出。 スネークズリベンジと同年に『メタルギア2 ソリッド・スネーク』が発売することとなった。 同作は後の『メタルギアソリッド(1998年発売)』の礎とも言えるような内容の作品であり、 間接的にであるが、スネークズリベンジの存在がメタルギアソリッドシリーズ誕生の遠因となった。
本作は1987年に発売した『メタルギア(ファミコン版)』の続編である。 なお、スネークズリベンジは”Nintendo Entertainment System(略称:NES)[注]”専用として 海外でのみ発売された作品であり日本語版が存在しないため、実質的には前作の”NES向けローカライズ版”の続編と言う方が正しい。 この世界線は2作で完結している。
ちなみに、前作はMSX2版『メタルギア』を原作としており、 そのストーリーの大枠を踏襲しているため、 MSX2版をプレイした後に本作をプレイしても大きな違和感はないのだが、 ファミコン版ではシナリオや演出に多くの変更点があるため、MSX2版とは別作品として扱われることが多い (詳しくはメタルギア(ファミコン版)のページを参照)。 そのため、このスネークズリベンジもMSX2版とは世界観を分けた作品とするのが適切である。 本Webサイトにおいてもそのように扱う。
本作のオリジナル版は海外でしか発売していない。 発売元がUltra Games名義の北米版に対し、コナミ名義の欧州版ではパッケージのデザインが異なっている。
2023年に複数の現行プラットフォーム向けに発売された メタルギアシリーズの移植版コレクション『メタルギアソリッド マスターコレクションVol.1』に 本作『スネークズリベンジ』も収録された。初の移植版にして、初の日本国内向けリリースとなったバージョンである。 ただし、テキストは翻訳されておらず、英語テキストのみ。 また、コレクションの中核となる作品群とは異なり単体での販売はなく、 セット購入の際の”ボーナスコンテンツ”という扱いになっている。
プラットフォーム |
|
Nintendo Entertainment System(ニンテンドーエンターテインメントシステム)は、 日本で1983年に発売されたゲーム機『ファミリーコンピュータ』をベースに 筐体の変更が施されて数年後に海外で発売されたゲーム機。通称『NES(ネス)』と呼ばれる。 ソフト(カセット)に互換性はなく、いずれかでしか発売されていないソフトもあるため実質的には別のゲーム機であるが、 日本のファミコンでヒットした有名タイトルがNESでも多くリリースされており、 日本においては『海外版のファミコン』と認知されることが多い。 日本のファミコンと同様に大ヒットし、当時の北米におけるテレビゲーム市場を活性化させた。
本作におけるソリッド・スネークの階級がゲーム中で『Lieutenant(ルテナン)』と紹介されているが、 このフランス語由来の言葉は広い意味で使用され、 所属する国や軍隊によって指し示す階級が異なる。 本作ではFOXHOUNDの具体的な所属が示されていないためスネークの階級は曖昧である。 FOXHOUNDは正史シリーズにおいては米陸軍の部隊であるが、 米陸軍には『Lieutenant』の一語で中尉と少尉への敬称とする習慣があるため、 本ページでは便宜上『中尉』と記す。
『メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス』の公式サイトの LIMITEDページ(Wayback Machine)、 および『メタルギアソリッドの真実』の作品紹介ページに記載されている(2021-01-07現在)。