ザンジバーランド独立戦争(Zanzibar Land's War of Independence)は、 メタルギアの正史シリーズにおいて 1997年に中央アジアの民族自治区『ザンジバー区』に樹立した軍事政権と その鎮圧を目的としてロシアを中心とするCIS(独立国家共同体)が派遣した部隊の間で行われた武力紛争。 この戦争を経て、ザンジバー区は共和制国家『ザンジバーランド』として独立を果たす。 大国の介入にも関わらずザンジバーランドのような小国が勝利をおさめることができた背景には 世界中から同国に集った優秀な傭兵たちによる活躍があった。 そのため、この戦争は別名”傭兵戦争(Mercenary War)”とも呼ばれ、 戦争を職業とするプロの存在を改めて世界に知らしめるきっかけとなった。 その戦いにあたりザンジバーランドは国土の大半を要塞化しており、 独立後には”武装要塞国家”と呼ばれるに至っている。
同戦争に関する情報はゲーム本編では語られておらず、 『メタルギア2 ソリッド・スネーク(1990年発売/以下、MG2)』の ユーザーズマニュアル(MSX2版同梱品)、および 『メタルギアソリッド(1998年発売/以下、MGS1)』の ”プリビアス・オペレーションズ”にて言及されている。 当初、MG2のユーザーズマニュアルでは先述の『ザンジバー区』が、 同作が発売した1990年当時に存在していた”ソビエト連邦(以下、ソ連)”という国家に属する自治区であると語られていたのだが、 その翌年の1991年にソ連が崩壊したため、MG2で描かれる1990年代後半の世界と 現実世界の間に乖離が生まれることとなった。 また同マニュアルには、当時ソ連からの独立ムードが高まっていた バルト三国(エストニア、リトアニア、ラトビア)の問題がザンジバーランド独立の起爆剤になったという記述も見られる。 当然、MG2という作品単体は 発売当時から見た近未来フィクションとして完結するが、 ソ連の崩壊よりも後に発売したMGS1のプリビアス・オペレーションズでは ザンジバー区がソ連の自治区であるという記述が外され、 ザンジバーランドと戦ったのがソ連崩壊後に成立した CIS(独立国家共同体)の軍隊であるという新たな設定が語られている (ザンジバー区がどこに属する自治区なのかは伏せられている)。 そのためメタルギアの正史シリーズ全体を語る上では 史実との整合性を合わせた後者の設定が優先される。 『メタルギアソリッドV ファントムペイン(2015年発売)』の エンディング後に表示される年表においても、史実通り1991年にソ連が解体された旨が記載されている。