Javascriptに対応した環境でのみ閲覧が可能です。 遺伝子のしくみを知ろう #02 塩基配列って何? - メタルギアコンベンション
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伝子のしくみを知ろう #02 塩基配列って何?

投稿日:2014-08-19

『遺伝子のしくみを知ろう』第2回になります。 第1回を読んでいない方は第1回から読むことをおすすめします。

さて、前回はDNA、遺伝子、細胞がどこにあるのか、どんなものなのかって話をしました。 その中で、DNAという紙に遺伝子という設計図が書かれてるんだよ~という例えをしましたが、 実際のところはどんなふうに遺伝子は記されているのか、という話を今回はしたいと思います。 前回チラッと話に出ましたが、それが"塩基配列"というものになります。 言葉だけはよく聞くかもしれませんね。

ですが、塩基配列を知る前にそもそもDNAってどんな物なのかっていうところを知らないといけませんね。 DNAは図1のような構造をしています。

DNAっぽいもの
図1

ものすごい汚い図で分かりづらいですけど笑、2本のひも状のものが 絡みあうように回転していて、ひもの間にたくさんの棒が架け橋のようにくっついているようなカタチです。 ネットで調べるともっと分かりやすい図がたくさん出てきますけど…笑、 間にある棒は上から見たら次の段に行くごとに角度が変わって回転しているようなイメージをしてください。 これを二重らせん構造というのですが、きっと皆さんも映画やテレビなどでよく目にすると思います。 こういう物質が僕達の細胞の中にあって、ここに遺伝子っていう設計図が書き込まれているんですね。 非常に小さく細い物質なので普通に光を当ててその反射を観測…ってことはできず写真なんかもありません。 "構造解析"という手法でカタチを調べて絵にしているという感じですね。

図1にも書いてありますが、外側の二重らせんの部分がリン酸と、デオキシリボーズという名前の糖で出来ています。 余談になっちゃいますが、DNAのDはDE-OXY(デオキシ)のDで、リボーズという名前の糖の構成要素から酸素(OXY)が 抜けているという意味です。酸素が抜けていない、リボーズで構成されているものはRNAと呼ばれこれも人体で活躍しています。 話がそれちゃうので詳しい説明は省きますが笑。

そして、その二重らせんの間を結んで階段のように連なっている棒のような部分が"塩基"という物質です。 人間のDNAを構成する塩基は4種類あります。アデニン、チミン、グアニン、シトシンです (この世界に塩基が4種類しかないわけでなくて人間のDNAではこの4種類という意味です)。 図のように塩基が縦にズラーっと並んでいるわけですが、実は塩基の並び方が 人間一人ひとりで異なります(同一の箇所もありますが)。これが塩基配列です。 同一人物かを確認するDNA鑑定っていうのは、2つのDNAでこの塩基の並び順を調べて同じかどうかを比べるってことなんですね (親子のDNA鑑定は少し異なります)。 まぁものすごい低い確立で他人と塩基配列が一致するってこともあり得なくはないわけですが。

この塩基の並びを記すとき、通常4つの塩基の名前の頭文字をとってA、T、G、Cが使用されます。 MGSでナオミがかつて所属していたバイオ技術開発会社『ATGC』もここから取ってるんですね。 例えば下記のように塩基の並びを表すわけです(適当に並べただけなんで実際にこんな配列があり得るのかは分かりません)。

ATGAATATTTATGACGATTCCTAG

次にこういった塩基の配列が一体何を意味しているのかをお話します。 まずそもそも人間って何で出来てるのかって話になるのですが、ほぼタンパク質で出来ています (前回話した細胞っていうのはもっと細かい単位です)。じゃあタンパク質は何で出来てるのかって言うとアミノ酸で出来ています。 実は塩基の並びは、3つ1組で1つのアミノ酸を、更にその組がたくさん並んで1つのタンパク質を表しています。 たくさんって言ったのはタンパク質によって構成するアミノ酸の数が違うからです。 ちなみに、アミノ酸1つを表す塩基3つ1組のことを"コドン"と呼びます。 コドンのアミノ酸への対応は以下の表のようになっています。

1文字目2文字目3文字目
TCAG
TPheSerTyrCysT
PheSerTyrCysC
LeuSer終止終止A
LeuSer終止TrpG
CLeuProHisArgT
LeyProHisArgC
LeuProGlnArgA
LeuProGlnArgG
AIleThrAsnSerT
IleThrAsnSerC
IleThrLysArgA
MetThrLysArgG
GValAlaAspGlyT
ValAlaAspGlyC
ValAlaGluGlyA
ValAlaGluGlyG
PheフェニルアラニンLeuロイシン
SerセリンTyrチロシン
CysシステインTrpトリプトファン
ProプロリンHisヒスチジン
GlnグルタミンArgアルギニン
IleイソロイシンMetメチオニン(開始)
ThrトレオニンAsnアスパラギン
LysリジンValバリン
AlaアラニンAspアスパラギン酸
Gluグルタミン酸Glyグリシン

ここで注意してほしいのが、アミノ酸は別に塩基で出来ているわけじゃないってことです! 塩基がAAAと並んでたら細胞がそれを読んで「ああLys(リジン)を作ればいいのね」って解釈するだけなんです。 しかも表を見てもらうと分かるように、1つのタンパク質の設計図はここからだよ~っていう開始コドンと ここまでだよ~っていう終止コドンまであります。まるで文章みたいですよね。 前の記事で遺伝子は文章だって例えをしましたが、案外比喩ではないわけです。 人間が26種類のアルファベットや、ひらがな、漢字などを使って文章を書くように、 地球が作った生命のシステムはたった4種類の塩基を使って文章を書いているんです。

表に基づいて、上の方で書いた配列の例を翻訳すると以下のようになります。

ATGAATATTTATGACGATTCCTAG
開始TyrAsnTyrAspAspSer終始

先にも書きましたが適当に並べただけなのでこんなタンパク質はないと思いますが笑。

ちなみに人体で生産されるアミノ酸は上に示した20種類のみですが、そのアミノ酸から出来上がる タンパク質はおよそ10万種類あるそうです。先にも書いたようにタンパク質ごとに 使われるアミノ酸の個数が違うため組み合わせはいくらでもあるってことですね。

さて、本当はもうちょっと書くつもりでしたが、意外と長くなってしまったので今回はここで終わりたいと思います。 今回は人体の設計を示す塩基の配列が、具体的にはアミノ酸、そしてタンパク質を表現しているという話をしました。 ですが僕もこういった概要を理解しているだけで、例えば人間の顔の設計図が具体的にどのような塩基配列で書かれているのかなど といったことは詳しく説明できません…趣味レベルなので笑。興味がある方はこれを踏み台にして頑張って勉強してみてください。 最近では街で採取したDNAからその人の顔を3DCGで再現するなんていう実験も行われているみたいですが…。

次回ですが、遺伝子っていう情報がどのようなルールの中で親から受け継がれているのか、 という話についても概要だけそれなりに理解しているつもりなので…その辺について書いてみます。 誤解を招きやすい、MGS1でリキッドが語っていた優性遺伝子と劣性遺伝子の意味についても書こうと思います。

前回→遺伝子のしくみを知ろう #01

次回→遺伝子のしくみを知ろう #03

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